仕事の「ムリ・ムダ・ムラ」
以前に私が挙げた「仕事のための仕事」を覚えていますか。
あらためて列挙してみます。
- 業務とは別に求められる膨大な報告業務
- 不要不急あるいは無関係なメールの対応
- 形骸化した会議、ミーティングの濫造、有利に取り計らってもらうための個人的な関係づくり
毎日、これらの仕事のための仕事に振り回されていては、クリエイティビティは発揮できません。
必然性がないメールや書類仕事を片づけ続けるのは、どう考えても“ ムリ” があります。
会議やミーティングを定例だからと開催し、出席し続けるのは、“ ムダ” 以外の何物でもありません。
上司の仕事の肩代わりや、気まぐれに指示してくる“ ムラ”のある仕事をこなすのも限界です。
一刻も早くこれらの「ムリ・ムダ・ムラ」をあなたの仕事から排除しなければなりません。
私のいっていることは、新しい内容ではありません。
そもそも何年も前から、残業時間を減らすとか、無駄な会議の廃止、仕事の効率化という改革案は叫ばれていました。
もう30年くらい前からいわれていて、珍しくはありません。
実際、製造業ではムリ・ムダ・ムラは徹底して排除されています。効率化を妨げる要素が工場内にあることは許されないのです。
日本の製造業は、まさにこの領域では世界のトップレベルです。
トヨタの「カイゼン」はまさに、正しく権限・責任移譲されたチームによる現場の自律的・自発的な随時改善が理想的に具現化した成功例でしょう。
なぜ、多くのホワイトカラーの職場では実現できないのでしょうか。
改善するための概念がないからです。
具体的なプランがないからです。
実現するための仕組みがないからです。
会議をすることは仕事ではない
どんなに立派で正しい提案であっても、実現するための具体的なプランまで見せられなければ、結局は掛け声だけに終わってしまう。
たとえば、無駄な会議を廃止、もしくは減らすという目標にしてもそうです。
「無駄な会議を減らすための会議」を開催するという冗談みたいな事態にもなりかねません。
もはや、多くの人の頭の中で、会議をやること自体が“ 仕事”として認識されているからです。
会議をすること=仕事をしていること。
このフレームワークから抜け出さなければ、会議を減らすことすらできないわけです。
もっと踏み込んでいうなら、会議をやること自体が仕事であるという定義から組み直す必要があるのです。
多くの効率化・業務改革案が挙げられてきました。しかし、実際に変えることは困難です。お話ししてきた内容を踏まえ、次回、私の考える「より良い働き方」を可能にする方法について触れていきます。
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