プロジェクト管理ツールはプロジェクトの進捗管理をスムーズに行い計画的に業務を完遂するためのツールです。複数のプロジェクト管理の手間を軽減し、メンバー間での情報共有も瞬時に行えるなど多彩な機能が盛りだくさんです。この記事ではプロジェクト管理ツールを導入するメリットについて紹介します。
プロジェクト管理ツールとは
プロジェクト管理ツールとは、工程やスケジュールを可視化し、メンバーごとのタスク管理や情報共有など、プロジェクトに関わる諸業務の進行を一元管理できるものです。プロジェクトマネージャーやリーダーは、プロジェクトを成功に導くためにプロジェクト計画書に沿って業務を滞りなく進める必要があります。
大局的な進行管理はもちろんですが、作業を細分化したタスクを管理し、担当するメンバーの状況を逐一把握して優先度やタスク間の関係性なども調整しなければなりません。カレンダー機能やエクセル、工程管理ソフトなどを使用してプロジェクト計画書を作成しているケースも多いでしょう。
しかし、計画書の作成や修正に大幅な労力を費やすことになるため、効率が悪いと感じる担当者も多いようです。せっかく入力したデータの活用ができず、ただの清書作業にしかなっていないのではあまりにも非効率といわざるを得ません。
プロジェクト管理ツールがあればそれらの効率が飛躍的に向上し、修正して更新した内容もリアルタイムでメンバーと共有することが可能です。メンバー全員でツールを共有することにより、各自のタスクの進捗状況やコスト管理が可視化され、全員の状況把握が容易になります。
負荷の大きいメンバーを適切にフォローして足並みをそろえたり、状況に応じてスケジュールの変更をしたりするにも手間なくいち早く対応できるでしょう。プロジェクト管理ツールはプロジェクトマネージャーやリーダーにとって使い勝手が良いだけでなく、メンバーにとっても事務処理が軽減されるなどのメリットがあります。
効率的にプロジェクトを管理し、一致団結して遅滞なくプロジェクトを成功させるためには必要不可欠なツールといえるでしょう。
プロジェクト管理ツールを活用するメリット
プロジェクト管理ツールは、スケジュールやタスク管理を効率的に行えるツールと説明しましたが、これだけでは「昔からエクセルで管理していた」方にしてみれば、どのような違いがあるのかが見えてこないかもしれません。
そこで、プロジェクト管理ツールを導入するとどのようなメリットがあるか説明します。
管理作業が効率的になる
工程表やガントチャートはエクセルで体裁を整えてそれらしく作ることは可能です。しかし、せっかく作成した表をうまく活用できていないケースも少なくありません。
たとえば、会議でガントチャートをメンバーに印刷して配布し、各自手書きで補足を書き込むということはよくあることでしょう。修正点などがあっても逐一更新しないことも多く、ある程度たってから大幅に手直しすることになります。
マクロやVBA、アドインなどを駆使してかなり作り込めば、工程管理ツールとして使えるレベルのものができあがるかも知れませんが、使う側にそこまでの技術がないとうまく使いこなせないこともあるものです。結局はエクセルを使ってアナログ的に表を清書しただけに過ぎず、データとしてうまく活用できているかは疑問です。
大幅な計画変更があった場合は修正に時間を費やし、いくつものプロジェクトを並行して進める場合などは横断的に可視化できないデメリットもあります。メンバーの日報や週報などの作業報告に応じて手作業で転記して記録するのでは何かと不都合も多いでしょう。
これでは効率的に運用できているとはいえません。予定と実際との差分の表示や、更新作業に多くの時間をかけることになってしまいます。手作業が多ければその分間違いが発生する確率も高くなるうえに、メンバーで最新の情報を共有するうえで、どうしてもタイムラグが生じてしまいます。
プロジェクト管理ツールが登場する前なら、それでも疑問に思わず手作業で情報整理していたことでしょう。しかし、プロジェクト管理に特化したツールがいくらでもある現代では、あえて工数を割いて表計算ソフトであるエクセルを使う必要もないでしょう。
状況が可視化され確認しやすくなる
プロジェクトメンバーがタスクや工数の実績を入力するだけで、ガントチャートに反映されます。プロジェクトの進捗状況がわかりやすく可視化されるため、進行の停滞や遅延があればすぐに気づくことができます。
問題点があってもすぐに対応し適切に処理できれば、プロジェクトの進行に支障をきたすこともありません。
情報の共有が容易になる
チームでプロジェクトを遂行する以上、メンバー各自がプロジェクトの進捗を把握し、関連するさまざまな情報を共有することが理想的です。プロジェクト管理ツールを使えば、最新の情報が常にアップデートされ、メンバー全員が等しく情報を共有できます。
最新の情報に更新したエクセルファイルを送信したりサーバーに置いて共有したりする手間が省けるのもメリットです。今までは複数のツールを使ったり、メンバーにより異なるフォーマットでの報告をしたりしていたものが、プロジェクト管理ツールを使うことで統一したフォーマットで一元管理できるのも便利です。
こうしてプロジェクト完了までに蓄積した情報やデータを次に活かせば、新規プロジェクトもより具体化し実情に則した精度の高い計画がスムーズに行えます。
プロジェクト管理ツール導入時に意識すべきポイント
プロジェクト管理ツールを導入する際は、マネージャーやリーダーなどプロジェクトの導入チームだけで詳細を決定しないことが大切です。プロジェクト管理ツールは、実際に作業を行う担当者側にとっても、活用しやすいものである必要があります。ツールを導入する前に機能や操作性などを確認し、実際に利用する社内の関係部門担当者と情報共有したうえで、希望や意見をできるかぎり取り入れて選びましょう。
また、ツールの導入によりどのような効果を得たいかなど、望ましい目標を設定しておくことも重要です。目標を設定しておけば、先述のKPTに基づく分析・評価が詰めやすくなり、より効率的に目標達成へと近づけます。
プロジェクト管理ツールを導入する意味
「プロジェクト管理ツール」とは、スケジュールやタスクなどを「見える化」して、プロジェクトの進行具合をまとめて管理できる便利なツールです。パソコンやインターネットが普及していない時代では、紙ベースでの管理が一般的でした。しかし、IT技術の発達に伴い、紙ベースで管理するよりもずっと効率的なプロジェクト管理ツールが使われるようになりました。
プロジェクト管理ツールを導入することには、多くの利点があります。まずは、プロジェクト管理ツールを導入するメリットについて見てきましょう。
管理効率がアップする
プロジェクトを管理するうえで大きな役割を担うのが、進捗状況や今後の予定を可視化した、工程表やガントチャートです。こうした表や図を自分で初めから作成しようと思うと、多大な労力がかかります。
突発的な事態が生じて予定や作業内容などを変更したいときも、自動で変更できなければ、手動で逐一更新しなければなりません。こうした管理作業に時間を取られると、実際の作業状況と予定との間にタイムラグが生じてしまいます。そしてそのタイムラグの間は、管理や業務が滞ってしまうことになるでしょう。
一方、管理ツールを導入すれば、手作業での情報更新は最低限に抑えられます。各メンバーの作業状況もすぐに把握できるので、遅延や停滞があれば、早めに気づいて手を打つことも可能でしょう。
情報を共有しやすい
複数人で1つの物事を成し遂げる場合、円滑なコミュニケーションを取って、お互いに情報共有することが欠かせません。プロジェクト管理ツール上では、メンバーの状況が常にアップデートされていて、すべての人がお互いに作業状況を把握できます。誰が・何を・どこまでやっているという情報がつかみやすくなることで、困っている人のフォローに回りやすくなり、反対に自分もヘルプを求めやすくなります。
情報共有という観点でいえば、作業手順や注意点などを記載したマニュアルや商品情報ファイル、申請・承認のプロセスなどを、すべてプロジェクト管理ツールにまとめられることも、うれしいポイントです。プロジェクトに関する情報を1つにまとめることで、欲しい情報をすぐに見つけることができ、無駄な時間を省けます。
プロジェクト管理ツールの基本的な機能
プロジェクト管理ツールは無料のものも含め、多数のツールが発表されています。それぞれ細かい機能は異なるものの、核となる基本機能は共通しているものがほとんどです。一般的に搭載されている基本機能やその他の便利な機能について紹介します。
タスク管理機能
プロジェクト管理ツールで外せない機能が「タスク管理」です。いわば全体のプロジェクトの進行はメンバーひとりひとりに課せられたタスクの進捗にかかっているわけですから、この機能がないことには個人の進捗だけでなく全体の達成度合いの可視化ができません。
メンバーそれぞれの状況を確認し、状況に応じて効率よくタスクをアサインすることもできます。ガントチャートで全体工程も一元管理できるため、多角的に必要なリソースの効率的な運用が可能になります。
スケジュール管理機能
プロジェクトマネージャーは、タスク管理やガントチャートと連携しながら各スケジュールを遅滞なく進行させなければなりません。スケジュール管理機能があれば、プロジェクト全体の工程の開始・終了などの予定を正しく俯瞰的に管理できます。
特に複数プロジェクトを常に並行して行うような際には、それぞれのスケジュール管理が複雑になります。プロジェクトごとにリーダーがいる場合は、統率して全体をまとめるのも労力がかかるものです。
そのようなときこそプロジェクト管理ツールは威力を発揮するでしょう。
情報共有機能
社内の連絡はメールやチャットツールなどでやりとりする場合もあるでしょう。しかし、それでは仕事に関係した内容と、そうでないやりとりのメールが混在してしまうことになります。あとからプロジェクトに関連した必要なメールを確認したいときにすぐに探し出せないこともあるものです。
その点、チャット機能を備えているものなら、プロジェクトと関連付いた必要なやりとりが保存されるため時系列に情報をまとめて確認できます。プロジェクトに対する関係者だけが閲覧し、タスクや進捗の更新通知も全員でリアルタイムに情報を共有できるため、いっそう利便性も良くなります。
レポーティング機能
プロジェクトの進捗状況を報告用レポートとして作成できる機能を持つものがあります。社内の会議資料として必要な情報を抜粋したレポートや、顧客に向けたレポートも手間なく作成可能です。
レポーティング機能を使って逐一進捗状況を報告書で知らせ顧客に安心感を持ってもらえるとともに、双方の認識のズレを早いうちに修正することができます。
プロジェクト管理ツール導入ステップ
プロジェクト管理ツールの導入ステップを、例を立てて説明します。ここで紹介するステップはあくまでもひとつの事例であり、使用するツールや企業ごとにステップは異なる可能性があります。
例えば、ここで紹介する導入ステップには記載しておりませんが、本格的に導入する直前に、各部門の担当者を交えてスケジュール調整を行うこともあります。これは、経営者や導入担当者だけで大幅に社内システムを変更した場合、現場にフィットせずうまく機能しないことがあるためです。
プロジェクト管理の現状把握
プロジェクト管理ツール導入の際は、適合するツールを適切に選ぶために、現状の問題点を洗い出すことが先決です。まずは、既存のプロジェクト管理体制や、日常のワークフローを見直してみましょう。
課題の優先順位や特に改善したい部分を明確にしましょう。これにより、以下で説明する機能要件の確認基準や、ツール選択の基準も明確化します。
機能に関する要件確認
現状のプロジェクト管理で、何が問題なのか明瞭になったら、どこをどうすれば改善できるかを考えます。第一に改善したい点はどこか、それにはどのような機能があればよいか、など分析していくことで、必要な機能要件も見えてくるでしょう。
同時に、「この機能は不要」というものも明確になるはずです。つまり問題解決の優先順位が決まれば、選ぶべきツールを絞り込めます。
ツールの選定
例えば、「プロジェクト進行にかかるコスト管理を効率化したい」場合、コスト管理機能が充実しているツールが選択肢に入るでしょう。また、実際の作業が遅滞なく進行しているか、メンバー間でタスク量にバラツキがないか、計画通りに終わらせることが可能か、といったスケジュール管理を重視するなら、タスク管理機能の充実しているツールを選ぶことになるでしょう。
あるいは、機能以外に導入形態やコストなどの要素も選定基準となり得ます。下記に説明しますが、クラウド型とインストール型などが最たる例です。
導入の実施
プロジェクト管理ツールを選び終わったら次は導入を実施しますが、クラウド型とインストール型とでは導入準備の方法が異なります。
クラウド型は、インターネットを通じてブラウザで使用するため、パソコンへのインストールやセットアップは不要で、すぐに利用できるのがメリットです。システムのバージョンアップなどにも個人で対応する必要はなく、すべて提供会社が自動で行ってくれるため、導入コストや保守のためにかかるランニングコストを、ごくわずかに抑えることができます。
一方、インストール型は、利用するユーザーのパソコンすべてに、インストールとセットアップ作業を行ったうえで使います。初期の導入コストがかかるうえ、後にシステムのアップデートが必要になれば、すべてのパソコンで対応しなければなりません。ITリテラシーのあるメンバーなら問題ありませんが、そうでない場合、個人的に対応が必要になることも考えられます。
ただ、日常の使用ではインターネットにつなぐ必要がなく、ローカル環境で利用できる点は大きなメリットです。外部と通信を行わなければ、情報漏洩のリスクは減少します。しかし、プロジェクトのチームメンバーに、テレワークや外部の人員がいる場合、連絡や情報共有はやはりスローになってしまうでしょう。
自社に適しているのは、クラウド型かインストール型か。上記したそれぞれの特徴を理解したうえで、どちらを導入するかを定めていくことが重要です。
利用する機能の限定化
プロジェクトチームの中には、新しいツール導入などの変化を嫌うメンバーもいるかもしれません。効率化を目的としてプロジェクト管理ツールを導入しても、機能が多すぎると利用するメンバーが使いにくいと感じてしまいます。
導入の抵抗感をなくし、スムーズに運用するためにも、最初はあまりメンバーに負荷をかけないようにしましょう。使用する機能を、業務に必要不可欠な機能のみに限定するなどして、操作や心理の負担をなくすことがおすすめです。
操作に慣れた頃合いを見計らって少しずつ利用する機能を増やしていけば、便利で使い勝手のよいツールであることを認識してもらえるでしょう。導入後の業務遂行を円滑化するためにも、使い勝手を重視してツールを選択することは重要です。
プロジェクト管理ツール導入の注意点
プロジェクト管理ツールは、管理するリーダーやマネージャーだけのものではありません。管理する側、管理される側、両者にとって使い勝手のよいツールでなければ、継続利用は難しいでしょう。
導入が失敗に終わらないためにも、導入前の準備段階でしっかりと検討しておくことが大切です。どんなに高機能なツールでも、導入の成果が上がらなければ成功とは言えません。買い取り型のインストールタイプではなかなか決断も難しいでしょう。
クラウド型なら、さまざまな料金プランが提供されています。長期契約なら割引率が大きくなるなどの特典もあるので、まずは、お試しプランや短期利用プランなどで様子を見ることをおすすめします。トライアルをいくつか試してみれば、自社に最適なツールが選択できるでしょう。
プロジェクト管理ツールの導入方法
プロジェクト管理ツールを導入する際は、現状の問題点を把握したうえで、それらを解決できる機能を備えたツールの選定が大切です。導入後もフィードバックを利用するなど、最適なツール環境を目指して改善を行います。以下では、プロジェクト管理ツールの導入方法について詳しく見ていきましょう。
現状の問題点洗い出し
プロジェクト管理ツールを導入するときには、現在どのような問題が発生しているのかを把握する必要があります。まず、業務上で考えられる問題点を洗い出して列挙し、その改善方法をまとめましょう。洗い出しの際は、以下の5項目における課題を明確化するよう意識するのがコツです。
- プロジェクトマネージャーやリーダーなどを中心とした「管理体制」
- チームメンバーを決める「組織構成」
- タスク管理やプロセス管理、工数管理といった業務の「管理方法」
- プロジェクトの立ち上げから終結まで一連の「作業手順」
- チームメンバーや関係者が取る「コミュニケーション方法」
機能要件定義
次に、明確化した課題に対して、管理ツールで必要な機能を定義します。プロジェクト管理ツールにはさまざまな種類があり、製品によって利用できる機能は異なります。
そのため、「自社のプロジェクトに必要な機能を備えているか」「機能性や使いやすさに問題がないか」などを考慮しつつ、よく比較しましょう。上記5項目における機能定義のポイントは以下の通りです。
管理体制・組織構成
「管理体制」「組織構成」においては、主にプロジェクトマネージャーがチームメンバー個々のキャリアやスキルを把握し、組織構成を行うことが大切です。担当者情報を確認しながら適材適所な組織構成ができるかどうかなど、希望する機能の有無を確認しつつ選ぶのがおすすめです。
管理方法
「管理方法」に関しては、業界やプロジェクトのタイプなどにより、適不適が分かれる場合があります。WBSやガントチャート、PERTなど、自社のプロジェクトに適した管理方法を選んで活用すれば、より効率よく管理できるでしょう。
作業手順
仕事をスムーズに完了させる効率的な「作業手順」には、クリティカルパスが使用されるケースが多くあります。作業全体の納期に影響する、重要なタスクを中心に進捗状況の確認ができれば、スケジュール管理に役立ちます。
コミュニケーション
メンバー同士や社外の外注業者などとの「コミュニケーション」が不足していると、お互いの業務状況を報告し合うことができず、情報不足からミスにつながる場合があります。プロジェクトの変更・修正が生じた際、作業担当者まで情報が伝わりにくいようでは、対応の遅れにつながりかねません。
チャットやデータベースなどで適切に情報共有し得れば、全体のスケジュールと各担当者の進捗状況を把握できます。作業の遅れを迅速に察知できるほか、問題発生時に速やかな対応を取るうえでも役立つでしょう。また、タスクのどこかに問題が発生した際、スケジュールに余裕がある担当者を割り当てることも容易となります。
なお、さまざまな機能が搭載されたシステムは便利ですが、不要な機能までいろいろと盛り込んでしまうと、ツールが複雑になり、かえって使いにくくなる恐れがあります。使いやすさを損ねないよう、実装する機能は最低限にとどめておくことをおすすめします。
製品選定
必要な機能が定まったら、次は製品を選定します。このとき、製品の特徴をよく確認する必要があります。機能性などはもちろんですが、実際に自社でツールを使用する状況を考えて、メンバーが使いやすい製品を選ぶことが大切です。製品選定における主な注意点は以下の通りです。
クラウド対応
プロジェクト管理ツールは「オンプレミス型」「クラウド型」の2種類に大別されます。クラウド型の場合、オンプレミス型のように1台の端末だけではなく、複数の端末で使用できます。
ERPとの連携
「ERP」とは、会計管理・販売管理・在庫購買管理・生産管理・人事給与管理といった企業内の各システムを統合し、情報を一元管理できる基幹システムのことです。これと連携することで、幅広い活用方法が実現します。
セキュリティ・アクセスコントロールの有無
社内外問わず多くの人がかかわるプロジェクトでは、万全なセキュリティ対策を講じる必要があります。外部からの侵入を防ぐだけでなく、内部メンバーに対してもアクセス制限や閲覧制限などの設定を行えると、安心して共同作業ができるでしょう。
PMBOKに対応
「PMBOK」は、プロジェクトを「品質」「原価」などの10項目と、5つのプロセスに分けて管理する方法です。これに対応していると、より効率的な管理が可能となりますMBOK」は、プロジェクトを「品質」「原価」などの10項目と、5つのプロセスに分けて管理する方法です。これに対応していると、より効率的な管理が可能となります。
操作性の高さ・画面の見やすさ
プロジェクト管理ツールはチームメンバー全員が使用するため、誰でも簡単に操作可能なものがおすすめです。また、プロジェクトの状況を把握しやすいビューが用意されていると、容易に進捗状況などを確認できます。
導入作業
導入する製品が決まったら、いよいよツールの導入作業に移ります。ツールはベンダーから購入し、スケジュールを調整したうえで導入を進めます。導入日が決定したら、取引先など関係者へ事前に伝えておきましょう。
基本的にツールの導入・設定はベンダー依頼となります。ただし、すべてを丸投げするのはよくないため、自社でも導入担当者を置き、ベンダーとの協力体制のもとで導入を進めていくことが望ましいでしょう。運用に必要な設定について、業者と相談しながら進めることが大切です。
振り返り
ツールを導入したら、最初のうちは必要最低限の機能だけを設定した状態で試用します。そして運用の成否にかかわらず、その結果をKPTの観点から振り返り分析することが大切です。この「KPT」とは、「Keep(よかったこと・今後も続けるもの)」「Problem(問題点)」「Try(次にやること)」の頭文字を取ったビジネスフレームワークのことです。
管理ツールの設定については、操作方法の習得も兼ねて、工数入力などの基本的な操作から始めます。その後、ガントチャートの作成なども行えるように機能を見直し、少しずつ利用する機能を増やしていきましょう。
プロジェクト管理ツール導入前にチェックしたい6項目
プロジェクト管理ツールにはさまざまな種類があるので、自社やチームに合わせて必要なものを選定することが大切です。具体的に確認しておきたい項目は、以下の6点です。
クラウド対応
プロジェクト管理ツールには、インストールするものとクラウドで使うものがあります。インストール型はセキュリティ性が高く、インターネット環境のない場所でも使えます。ただし、インストールや初期設定には時間がかかることもあるうえ、システムが複雑な場合は、専門的な知識を持った人で対応しなければなりません。
一方、クラウド型は、インターネット環境があればどのデバイスからでも利用可能です。導入コストは比較的低く、ツールの運用やメンテナンスは提供会社が行ってくれます。デメリットとしては、インターネット環境がないと利用できない点や、インストール型に比べてセキュリティに不安がある点などを、挙げられます。
インストール型・クラウド型のどちらにもメリットとデメリットがあります。とはいえ、働き方改革の推進により、テレワーク化が浸透しつつある昨今のニーズを考慮すると、クラウド対応したもののほうがよいでしょう。リモートワーク対応など次世代に向けたプロジェクト管理を目指すなら、どこからでもアクセスできるシステムのほうが便利です。アウトソーシングやフリーランスを併用する場合や、グローバル企業など地理的に分散したプロジェクトの管理が必要な場合も同様です。
言語
次にチェックしたいのは、そのシステムがどの言語で利用可能かということです。中には英語だけでしか使えないルールや、部分帝に英語しか対応していないツールもあるからです。日本語対応のものを選んでも、サポートは英語だけといったケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
グローバル化が進む昨今、利用するメンバーや社内の事情などによっては、多言語対応は必須といえます。本社が日本でも、海外に拠点を有している場合は、多言語に対応しているほうが効率的かもしれません。特に有料のツールを契約する場合には、言語を理由に使いこなせない機能がないか、あらかじめチェックしておくことが大切です。
利用できる機能
導入するツールでどんなことをしたいのか、あらかじめ想定しておき、その機能が含まれているかどうかもチェックしましょう。プロジェクト管理ツールの主な機能としては、以下のようなものがあります。
- タスク内でのやりとりや通知、サブタクスなどの機能
- 作業の優先順位を把握できる機能
- ガントチャート
- テンプレート機能
- ポートフォリオ
- ルーティーンタスクの自動化
- 校正(フィードバック)
- メンバーの作業状況や負荷の確認
「テンプレート」とは、ルーティーンになっているワークフローを記憶し、簡単にセットアップする機能です。オリジナルでテンプレートをカスタマイズできるものなら、より簡単かつスピーディーに設定可能です。
複数のプロジェクトを一括して管理したい場合、ポートフォリオ機能があると便利です。すべてのプロジェクトの進捗状況を俯瞰できるので、整理や追跡、点検をスムーズに行えます。また、校正機能を使ったフィードバックは、改善の必要がある作業を早い段階で軌道修正したり、よかった点を評価したりするために使えます。早い段階でスピーディーなフィードバックを行えば、メンバーのモチベーション維持やプロジェクトの完成度アップにも寄与することでしょう。
セキュリティ・権限管理に関する情報
大切なデータや社外秘の情報などを扱うプロジェクト管理では、セキュリティも見過ごせません。セキュリティポリシーも含めて、セキュリティ面の強さはぜひチェックしておきましょう。
具体的には「データをやり取りする際の通信は暗号化されているか」「外部からの不正アクセスをブロックするシステムがあるか」などを重視します。大切なデータを保護するために、情報のバックアップ体制も重要なポイントです。万一の事態が生じたときには、バックアップデータを活用すれば、情報の紛失を防げるでしょう。
アクセスを制限する権限管理機能についても、チェックが必要です。権限管理機能があれば、非公開プロジェクトを設定して、そこにアクセス可能なメンバーを限定できます。チャートの閲覧や編集、グループ機能などは、それぞれ権限が与えられたメンバーのみ利用可能、と設定しましょう。
各種連携
どんなプロジェクト管理ツールにも、基礎的なものとして、メッセージ機能や情報共有機能が付いています。しかし他社サービスとの連携機能を強化したツールを選べば、より活用の可能性が広がります。ツール選択時には、普段使っているEメールやチャットツール、クラウドストレージなどと連携ができるかどうか、よく確認してみましょう。
外部サービスとの連携機能は、業務効率化・抜け漏れ対策・コラボレーション・ファイル保管などの観点から重要です。連携機能を上手に使えば、ツール上のタスク通知を使い慣れたチャットツールで受け取ったり、ファイルを使いやすいアプリで開いたりできます。
料金体系・コスト
プロジェクト管理ツールは、無料で利用できるものから数十万円するものまであります。使いたい機能や利用人数などを考慮し、バランスの取れた料金のものを選ぶことが大切です。契約してから「予想よりも高かった」ということがないように、料金体系の明確さも判断基準に入れましょう。
まとめ
プロジェクトを遂行するためには、緻密なタスク管理やタイミングのよい情報共有が欠かせません。大切なものとはわかっていながらも、大変な労力を費やすため担当者は負担を感じることも多いものです。プロジェクト管理ツールがあれば、かなりの工数を削減できるとともにスムーズなマネジメントが可能です。無料や体験版などのさまざまなプロジェクト管理ツールがありますので、ぜひ使いやすいツールを探してみてはいかがですか。
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