スケジューリングはプロジェクト全体を左右する?意識すべきポイントやスケジューリングの手順を紹介

 2021.07.08  2022.09.05

スケジューリングはプロジェクトを遂行するためにもっとも重要な軸となります。特に、プロジェクト全体を動かしていくPMやPLは、スケジューリングする際の大切なポイントを把握した上でスケジュールを作成しなければなりません。本コラムでは、プロジェクト進行に重要なスケジューリングとはどのようなものなのか、スケジューリングをするメリットやそのポイントを交えながら、プロジェクトをスケジューリングする手順までを解説します。

スケジューリングはプロジェクト全体を左右する?意識すべきポイントやスケジューリングの手順を紹介

そもそもスケジューリングとは

スケジューリングとは、ゴールから逆算して予定や日程を組むことです。「いつまでに何をすればそれを達成できるのか」を実行可能な形で組み立てます。

例えば、日々の生活も上手にスケジューリングをすることで、自由な時間が確保できます。ビジネスでは、プロジェクトやタスクに期限があり、それらを達成するためにスケジューリングは欠かせません。

プロジェクトにおけるスケジューリング

プロジェクトにおけるスケジューリングは、プロジェクトの完了から逆算して、完了日までにプロジェクトを完遂するための予定・日程を組むことです。

ただし、単にプロジェクトに必要なタスクの日程を振り分けるといった単純な作業ではありません。まずは、プロジェクト全体の開始日と完了日を念頭に置き、タスクの優先順位やクリティカルパスを意識しながら、それらタスクを担当するメンバーの経験やスキルを把握して時間配分をしていく必要があります。

つまり、進捗の遅れや予期せぬトラブルに遭ってもリカバリーが可能で、プロジェクトが期限内に完了する予定を組むのがプロジェクトにおけるスケジューリングなのです。

クリティカルパスについては、クリティカルパスの書き方と求め方とは?プロジェクトが遅延する原因を事前に特定!にて詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

スケジューリングをするメリット

それでは、スケジューリングをするメリットをみていきましょう。

プロジェクト全体でのリスクを把握できる

スケジューリングすることで、時間的・リソース的に余裕がある部分やリスクになりそうな部分を洗い出せます。

これにより、クリティカルパスのタスクが遅延しそうな場合でも、「この工数をここで補える」といったように、根拠を持ってスケジュールを見直せるため、スケジュール調整によってメンバーの稼働を圧迫したり、スケジュールが大幅に遅れてしまったりといった事態を防げるのです。

トラブルが発生しても調整がしやすい

リスクを把握したスケジューリングができていると、突発的なトラブルの発生にも対処しやすいことがメリットです。

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上述したリスクの把握にも関連することですが、トラブルが発生した時点で破綻するようなスケジューリングでは、プロジェクト管理とはいえません。簡単にいえば、トラブルが発生しても調整できる余裕を持った日程を立てることがスケジューリングの肝だといえます。

プロジェクトの進行を共有できる

スケジューリングをすることで、スケジュールに対する進捗やリソース状況などを把握しやすくなり、メンバーとコミュニケーションをとりながらのサポートがしやすくなります。

メンバーとスケジュールを確認することで、「担当するタスクはこのスケジュールでは難しい」などの相談にも対応できますし、進捗が遅れそうなタスクは、メンバーと一緒にスケジュールを見ながら調整することも可能です。

PLやPMが意識すべきスケジューリングのポイント

それでは、プロジェクトにおいて、PLやPMが意識すべきスケジューリングの3つのポイントをみていきましょう。

タスク難易度などを考慮したスケジューリングをする

スケジューリングは、タスクの数を日割りで埋めていく作業ではありません。タスクによって難易度や工数も異なりますので、メンバーのスキルや工数をじゅうぶんに考慮してスケジューリングすることが大切です。

メンバーの経験やスキルを把握し、適材適所を意識したタスク配分でスケジューリングすることがポイントの一つだといえます。

スケジュールはメンバーの意見も取り入れる

大まかなスケジューリングができたら、必ずメンバーと情報共有をしましょう。そこで各自の意見を取り入れながら「このタスクはこのくらいの工数でよいか」などの調整をします。

PLやPMが独自の判断でスケジューリングしてしまうと、メンバーの予定やスキルのズレからタスクの予定工数がズレてしまい、最終的にはスケジュールを再調整しなければならないといった事態を招く可能性があります。

プロジェクトを進行する中でのポイントを把握しておく

スケジューリングでは、ポイントとなる部分、例えばマイルストーンやクリティカルパスとなる部分を把握することもポイントです。

マイルストーンについてはマイルストーンとは?WBSとの関係性からマイルストーンの設定基準と書き方までを解説にて詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

プロジェクトのスケジューリング手順

それでは、実際にプロジェクトのスケジューリングをする手順をみていきましょう。

1.プロジェクト全体の把握

スケジューリングに欠かせないのは、プロジェクト全体の把握です。プロジェクトが完了した際、最終的にどのような成果物ができるのか、どのようなスキルを持ったメンバーが必要なのかを想定します。また、プロジェクトが完了するまでにかかる工数やコストも含めて把握する必要があります。

2.大まかなタスクを洗い出す

プロジェクト全体を把握したら、大まかなタスクを洗い出しましょう。このとき、WBSを利用すると効率的になります。

WBSについてはWBSとは?そのメリット・デメリットからWBSを使う手順までを理解してスケジュール作成・管理に役立てよう!にて詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

3.タスクの細分化

大まかなタスクを洗い出したら、次にそのタスクを細分化していきます。また、それぞれのタスクには依存関係などを意識して優先順位を付けていきましょう。ここで、クリティカルパスを同時に把握しておくとスケジューリングが楽になります。

4.期限からの逆算

タスクが詳細まで明確化したら、プロジェクトの完了日から逆算して、各タスクの開始日と完了日をスケジューリングしていきます。WBSを利用しているならば、タスクの左側に開始日と完了日の項目を設けて書き込んでいきましょう。

5.メンバーのスキルや工数に合わせたスケジュールの調整

ある程度のスケジューリングが完了したら、タスクを担当するチームメンバーとともにスケジュールを確認していきましょう。それぞれのスキルや、割り振った工数で問題がないことの確認や、調整が必要な場合はタスクの担当者や工数を補いながらスケジューリングしていきます。

6.ガントチャートなどのツールを使ってタスクからスケジュールを作成

タスクの開始日と完了日が確定したら、ツールでスケジュールを可視化していきましょう。ガントチャートを利用すれば、横向きの棒グラフで確認できるため、タスクの依存関係やスケジュールの重なりなども把握しやすくなります。

7.スケジュールの公開とメンバーとの意識合わせ

最終的にスケジューリングしたスケジュール表をチームに公開し、メンバーとの意識合わせをします。主に、どのタスクをどういったスケジュールで完了させるのかを確認しましょう。また、クリティカルパスとなる部分の意識合わせもしておいたほうがよいでしょう。

8.必要に応じたスケジュール調整

スケジュールを進める中でそれぞれのタスク進捗を定期的に確認していきます。進捗の遅れなどが出ている場合には、その原因を明確にして、細かなスケジュール調整をしていきましょう。

まとめ

スケジューリングは、プロジェクトを統制するPLやPMにとって重要なスキルです。プロジェクトの成功を左右するスケジューリングは、プロジェクトの完了日までにタスクを並べる作業ではありません。スケジューリングの重要性やポイントを意識して、プロジェクトを成功へ導くスケジューリングの方法を身につけましょう。

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