営業のスキルマップとは?営業スキルを可視化する方法とメリット

 2022.01.27  2022.06.07

営業活動には数多くの能力が必要でありながら、明確に示される基準はほとんどありません。そこで役立つのが、『営業のスキルマップ』です。本記事では、営業のスキルマップを用いてスキルを可視化する方法、スキルを可視化するメリットを紹介します。「業務効率を高めたい」「従業員の営業スキルを向上させたい」と考えている担当者の方は、ぜひご覧ください。

営業のスキルマップとは?営業スキルを可視化する方法とメリット

営業スキルを可視化する方法

営業におけるスキルは、通常目に見えず、属人化してしまいがちです。しかし、スキルが可視化できていない状態だと、従業員の教育や企業の発展につながりません。「従業員のスキルアップをしたくても、どのスキルを高めたらよいかわからない」「自社に足りていないスキルが把握できない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで大切なのが、営業スキルの可視化です。

営業スキルの可視化には、必要項目をシートに記載するという手段がよく用いられます。中でも、「スキルマップ」と呼ばれるツールは、営業をはじめ、多くの職種において用いられるスキル可視化ツールです。正しくスキルマップを作成できれば、従業員のスキル習熟度を測れます。

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営業のスキルマップとは

営業におけるスキルマップとは、営業活動に必要なスキル(知識・経験・資格など)を一覧化した『能力管理表』のことです。必要なスキルをどこまで設定するかは企業によりさまざまですが、営業分野に特に必要なスキル以外にも、一般的なビジネスマンに求められるスキルをチェックすることもあります。

営業スキルマップをもとに従業員を評価することで、「誰がどのスキルを有しているか」「このチームに足りないスキルは何か」が一目でわかります。業務を円滑に進めたり、適切に人材教育を行ったりするうえで有用な指標といえるでしょう。

営業スキルをスキルマップで可視化するメリット

ここでは、スキルマップで営業スキルを可視化するメリットを詳しく紹介します。

能力の向上

営業スキルマップを作成し、従業員一人ひとりのスキルを評価することで、個人の強みや弱みを正確に把握できます。これにより、的確かつ効率的なスキルアップが可能です。

例えば、突出したスキルを持つ従業員がいれば、他の従業員の相談役として教育に協力してもらうのがおすすめです。逆にスキルが不足している従業員がいるなら、従業員に合わせたスキルアップ研修会を開くなどして、成長を促しましょう。

また、スキルマップを従業員に公開し競争心を芽生えさせることで、従業員が自らスキルを高めようとする意欲向上にもつなげられます。

評価への活用

スキルマップを作成し、人事評価と紐づけることで昇給・昇格の基準に活用できます。評価基準が曖昧になりがちな人事評価に明確な基準が設けられれば、従業員に納得感を感じてもらいやすくなるでしょう。評価者にとっても、評価基準がはっきりすることで、公正な評価を下しやすくなります。

また、『あるスキルが一定以上に到達すれば昇給・昇格』と定めることで、従業員に具体的な目標を持たせることも可能です。組織として、従業員を正しい方向に導くと同時に、組織全体のモチベーションアップも期待できます。

社内体制の整備

各従業員の保持するスキルが可視化できていないと、属人化した業務体制になりがちです。しかし、スキルを可視化できれば、それぞれの業務に必要なスキルを持った従業員を適切に割り振り、社内体制を最適な状態に整えられます。

従業員の強みを活かした人材配置を行うことで、業務の効率化や利益向上にもつながるでしょう。また、各従業員が即戦力となって働ける環境にすることで、ミスマッチを防げるため、従業員の離脱防止やモチベーションアップも期待できます。

営業のスキルマップの項目例

営業のスキルマップにはどのような項目を取り入れればよいのでしょうか? ここでは、代表的な項目例を5つ紹介します。「各項目にどのような意図があるのか」「どういった部分を評価するのか」を解説するので、ぜひ参考にしてください。

計画作成に関する項目

営業活動を実行に移す前に、顧客情報や市場動向を把握・分析し、営業計画を立てる工程があります。そこで求められるのが、計画作成に関する能力です。スキルマップでは「概念形成力」という項目で設定されます。

概念形成力には、課題発見能力と解決方法の策定が欠かせません。まずは課題を発見し、それに対する解決策を定め、そのために必要な計画を立てます。これが概念形成です。またそれだけでなく、収集した情報を多面的に分析する力や顧客へのアプローチ方法を考える力、将来的な売上を予測する力も評価点として含みます。

コミュニケーションに関する項目

営業活動を実行する際に不可欠なのが、コミュニケーションに関する能力です。ここでのコミュニケーション能力とは、社交性や対話能力などの一般的な意味合いにとどまりません。顧客との信頼関係を構築する力や相手の発言を的確に把握する力、熱意をもって業務に取り組む姿勢などを指します。スキルマップでは「関係構築力」「交渉力」という項目で設定されます。

関係構築力で重要なのが、第一印象と理解力、相手の立場を想像する力です。また、交渉力という点では、単に口がうまいだけでなく、相手のニーズを引き出す力や相手が話しやすい状況を作る力を評価します。

顧客理解に関する項目

営業では、ただ押し売りをするだけではうまくいかない状況も多々あります。その際に必要なのが、顧客の業界や状況における課題を理解・把握する能力です。スキルマップでは、「顧客把握力」という項目で設定されます。

顧客把握力では、ロジカルシンキングができるかどうかや深く分析する力が大切です。特に、商談という限られた時間の中では、顧客からヒアリングした内容を基に分析し、本質を見極める力が求められます。また、いくら一般社員に営業をかけても意味がないため、顧客の組織図を把握し、意思決定に関わる人間を見つけ出す力も必要です。

行動に関する項目

ただ闇雲に営業をかけても、時間やコストを浪費するだけです。そこで重要なのが、実際に成果につながる行動ができるかどうか、自分を律し、行動に責任を持つことです。スキルマップでは、「自立性」という項目で設定されます。

自立性では、ただ行動に責任を持つだけでなく、目標に対する意識や積極性も評価点に含みます。営業における評価は、最終的に成果で判断される部分が大半を占めるため、従業員にとっても重要な項目といえるでしょう。

知識に関する項目

顧客に対して営業をかけるには、自社商品はもちろん、競合他社商品の内容など、複合的な知識が必要です。こうした営業において必要となる知識についての項目を、スキルマップでは「知識要件」と設定します。

知識要件では、自社や他社などの商品知識はもちろん、世間一般の常識も評価点に含みます。顧客とのコミュニケーションを取る中で、一般常識の有無によって、円滑な交渉ができるかどうかが左右されることもあるためです。

まとめ

営業におけるスキルの把握や向上には、スキルを可視化する「スキルマップ」が役立ちます。これまで明確に基準を設けていなかったなら、ぜひ一度従業員のスキルマップを作り、公開してみてはいかがでしょうか。

スキルマップの作成・公開により、従業員の能力を評価しやすくなったり、適切な人員配置による業務効率化が期待できます。

営業における業務効率化や可視化を目指しているなら、効率のよい営業をサポートするツール、Asanaの利用もおすすめです。

Asanaでは、タスクやプロジェクトの進行度を可視化したり、用意されたテンプレートを使ってプロジェクトを進めたりできます。他部署との連携にも使用できるため、ただの営業ツールではなく、企業における重要なツールとして活躍するでしょう。

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