効果的に活用すると、営業戦略や実際の営業で成約確度を上げる働きをするのが営業フレームワークです。営業活動で意思決定が必要なシーンや、経営戦略を立てるときなどに営業フレームワークを使うと、営業活動の効果がアップします。この記事では、営業フレームワークについて、また、便利に活用できるおすすめの営業フレームワークを紹介します。
営業でフレームワークを使う意味
営業でフレームワークを使うのは、効果的に企業の課題を解決する方法を見つけ、営業戦略を立案するためです。ビジネスフレームワークとは、営業活動上の意思決定や問題解決、分析などに利用できる「枠組み」のことです。さまざまな要素をフレームワークに当てはめて活用すると、営業活動でチェックすべき重要なポイントを絞り込むこともできます。
営業活動を成功に導くために知っておきたい営業フレームワーク
営業活動に役立つ営業フレームワークには、さまざまな種類があります。自社の強みを知り事業の方向性を考える際に役立つ「3C分析」、問題や課題を分解して分析する「ロジックツリー」、価値の連鎖に着目した分析方法「バリューチェーン分析」など、多様な営業フレームワークを用いてデータを得ることによって、営業活動を成功に近づけます。
営業に活用できるフレームワークという意味で「営業フレームワーク」の言葉を使っていますが、どれも営業以外でも幅広く使用されています。
3C分析
3C分析は商談時や商談前のアイスブレイクにも活用される、「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つを分析するフレームワークです。この3つのCを分析して、自社や周りを取り巻く環境の現状を確認できます。3C分析では、顧客の年齢や性別・行動・価値観などからニーズを見つけ出すほか、競合他社の現状や市場での評価などを知ることが可能です。また、自社の強みや特徴を明確にできるなど、営業に役立つ分析結果も得られます。事業の方向性を決定するときや、顧客に適した商品をアピールするときなどに適したフレームワークです。
4P分析
4P分析は、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進・プロモーション)」の4要素を使用する分析手法です。商品やサービスの営業に関係するこれら4つの要素を競合他社と比較して、自社の強みと弱みを明確にできます。営業戦略を立てる際に重要になる「価格・流通・プロモーション」の施策を具体的に設定できるので、主に営業戦略立案時や営業方針を定める際に使われます。
価格はいくらに設定すべきか、どこで商品を売るか、どのように販促を行うかを決める際に適した分析手法です。自社の商品やサービスに関しても、顧客のターゲット層から求められているニーズを明確にして開発・改良に役立てられます。
4C分析
4C分析とは、「Customer Value(顧客価値)」「Cost(コスト)」「Convenience(顧客利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の4つの要素を用いる、顧客目線を重視したフレームワークです。
4P分析は自社視点で行われる分析ですが、4C分析は顧客視点で行うため、より顧客のニーズを把握しやすくなります。4P分析と4C分析をセットで行うと、顧客満足度向上につなげられます。
4C分析により、ユーザーが商品を利用する際にどんなメリットや価値を得られるか、ユーザーが商品を購入する際に納得できる価格が設定されているかといった、商品についての分析結果が得られます。また、顧客が商品を便利に購入できているかどうか、商品やブランドを身近に感じるにはどんな広告宣伝方法が適しているかなど、マーケティングの重要なポイントの把握も可能です。顧客目線でのニーズを分析できるため、営業戦略立案時に使用されます。
5W1H
「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字で表される「5W1H」は、営業だけでなくさまざまなビジネスシーンや社会活動におけるコミュニケーション方法としてもよく知られているフレームワークです。4P分析・4C分析で決定した施策を実施する際などに活用できます。
5W1Hの順に行動をおこしていくことで、必要なアクションを適切に行えるメリットがあります。
営業施策の実行時に5W1Hを取り入れた場合、商品のターゲット層を絞り、販売期間を設定して、適した販売経路や場所を分析、商品やサービスを購入した際のメリットなどを見直しする、さらに、なぜこの商品やサービスを販売するのかといった目的やゴールについて確認しながら実行する、ターゲット層に商品やサービスをアピールするためにどの方法を選ぶべきか判断する、など一連の活動をわかりやすくまとめることが可能です。
5W1Hは、情報伝達の際に相手にわかりやすく物事を伝えるためにも使用できます。さまざまな業務を効率化するために、ぜひ活用したいフレームワークです。
SWOT分析
SWOT分析とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素を分析するフレームワークです。
自社の「強み」や「弱み」などの内部要因を洗い出し、競合他社や市場が自社にとって良い影響をもたらす「機会」、反対に悪い影響をもたらす「脅威」といった外部要因を認めるなど、自社を客観的に把握することができます。
市場における自社の強みと弱みを把握できるため、効果的な営業戦略の立案が可能になります。商品・サービスやブランディング、営業力、技術力、市場規模、経済や景気、法改正などさまざまなリソースをもとに分析することが可能です。SWOT分析では、SWOTの要素をかけ合わせたクロス分析もできます。データを集めて詳しく分析を行うと、これまで気づかなかった解決方法に気づくこともあります。
ロジックツリー
ロジックツリーは、英語で「論理の木」という意味で、営業活動で生じている問題・課題を分解してツリー上に展開し、把握するためのフレームワークです。ロジックツリーには、上記の問題箇所を特定する「要素分解ツリー」のほかに、達成できなかった原因を見つけるための「原因追及ツリー」や、目標達成のために必要な要素・指標と中間目標を管理する「KPIツリー」があります。営業活動の問題把握、目標達成への指標など必要に応じて適した種類を選んで活用できます。
STP分析
STP分析は、「Segmentation(市場の細分化)」「Targeting(ターゲットのペルソナ化)」
「Positioning(市場で優位になる立ち位置の決定)」の3つのステップで行うフレームワークです。「3C分析」や「SWOT分析」「5フォース」などで課題を見つけたあとで、競合を意識した営業戦略を立てるときによく使われます。
STP分析では、主に自社がどんなターゲットに対してどのようにアプローチを行うかを決めることができます。戦略策定の際に重要なポイントとなる効果的な分析法です。また、新商品の開発時に使われることなどもあります。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、商品そのものではなく、商品やサービスが顧客の元に届くまでの価値の連鎖について分析するフレームワークです。商品やサービスの流れ・プロセスのなかの、どこで高い価値が生まれるかを分析します。
バリューチェーンでは、産業間の連鎖がわかるマクロレベルから個人や組織レベルでの連鎖がわかるミクロレベルまで、異なるレベルで活動を分解してどこに課題点があるか分析することが可能です。
BANT
BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Time frame(導入時期)」の頭文字をとった言葉で、ヒアリングを行う際のフレームワークのことです。商品購入の確度を把握するため、これら4つの視点から見込み客にヒアリングを行います。
ヒアリングで顧客から商品やサービス購入のための予算、承認する決裁権者など、細かな情報を聞き取れた場合、気になる課題をクリアするための戦略を立てやすくなります。BANTを元にして立てた戦略を用いると、より効果的に営業活動を行えるため成約に大きく近づけます。
SPIN話法
SPIN話法とは、「Situation(状況)」「Problem(問題)」「Implication(示唆)」「Need-Payoff(解決)」の4つに関する質問を順番に行うヒアリングのフレームワークです。商談の際に現在発生している課題をヒアリングすることで、会話の背景から顧客のニーズをみつけることができます。
SPIN話法では、顧客にさまざまな質問をして相手への理解を深めてから、相手のニーズに合わせて商品を説明します。セールストークだけでは本当に顧客に適した商品の紹介ができないケースもありますが、顧客自身に状況を話してもらうSPIN話法を活用することにより、営業効果の向上が可能です。
まとめ
営業フレームワークは、自社の製品、顧客情報などさまざまな情報の分析やヒアリングに活用でき、効果的に営業活動を行えます。Asanaのワークマネージメントプラットフォームは、効率よく営業活動を管理できるツールです。
Asanaでは営業担当者に必要な情報を迅速に共有できるため、商談中のお客様からの質問に対して適切に対応できます。また、商談に関係するタスクのステータス管理のほか、商談に関係あるタスクやプロジェクトの確認も簡単です。リード獲得から成約まで、すばやく取引を成立させるためのサポート機能が充実しているので、営業効率を高め、成約数の向上にもつながります。
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