従業員一人ひとりの目標達成は、企業の成長にも直結します。そこで、目標管理に役立つツールが目標管理シートです。「実際に目標管理シートを導入したいけど、具体的にどのようなものかを知らないので作り方も併せて知りたい」という人も多いのではないでしょうか。本コラムでは、目標管理シートとはどのようなものなのか、その作り方や簡単なテンプレートと記入例などを交えながら、目標管理シートの活用ポイントを解説します。
目標管理シートとは
目標管理シートとは、目標の設定から達成までの計画、目標達成時のフィードバックまでを一つのシートにまとめて効率的に管理をするツールとして利用されます。
主に、従業員一人ひとりの目標管理に用いられるシートです。目標管理シートを使うことで、個人の目標を明確化して、進捗状況や達成度を確認しながら仕事を進められるので、モチベーション維持につながるメリットもあります。特に、MBOを導入した際には、目標管理シートを使えば効率的な管理が可能です、従業員一人ひとりの目標管理に用いられるシートです。目標管理シートを使うことで、個人の目標を明確化して、進捗状況や達成度を確認しながら仕事を進められるので、モチベーション維持につながるメリットもあります。特に、MBOを導入した際には、目標管理シートを使えば効率的な管理が可能です。
MBOについては【MBOとは?目標管理制度の導入目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説】にて詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
また、目標を達成した際には、目標に対する取り組み方を振り返ったり、上長とのミーティングでフィードバックをもらったりすることで、その後の成長にもつながるツールだといえるでしょう。
従業員一人ひとりの目標管理シートを人事評価の要素としても使用できるため、目標管理と人事評価要素に活用できる便利なツールです。
目標管理シートの作り方
それでは、目標管理シートの作り方を確認していきましょう。ここでは、目標管理シートに記載する項目の例をみていきます。
記入する項目例
目標管理シートに記載する項目は、目標を達成する期間や、どのように目標を達成するのかといったスケジュール、そしてスケジュールに対する進捗を記入する項目などから構成します。
目標
目標には、従業員個人が設定する目標を記載します。
目標はできるだけ具体的に定量化(数値化など)して設定することで、目標に対するイメージもしやすくなるでしょう。
目標期間
目標期間には、目標を達成する期間(期限)を設定します。
目標を設定しても「いずれ達成させるもの」では意味がありません。1ヶ月や3ヶ月など具体的な期間を設定して、いつまでに達成させるべき目標であるかを設定しましょう。
行動
行動では、目標を期間内に達成させるための具体的な行動を設定します。つまり、「どうやって目標を達成するのか」といった方法です。
目標達成までのスケジュール
スケジュールには、目標を期間内に達成させるための行動のスケジュールを設定します。
行動で設定したタスクを、それぞれいつまでに完了させるのか、目標期間内に目標を達成できるようスケジューリングしましょう。
進捗管理
進捗管理では、タスクがどれくらい完了したのか、目標にどれくらい近づいたのかがわかるように管理していきます。
進捗管理に関しても、やはり進捗率などの数値で表せるように設定し、見える化しなければなりません。
結果
結果には、設定した目標が達成できたか否かを記載します。
目標が達成できなかった場合は、どのタスクが完了しなかったのか、どこまで達成できたのかを明確にしておきましょう。
振り返り
振り返りでは、結果を元にその過程を振り返ります。
目標が達成できた場合は、その過程で工夫したことや、もう少しスキルアップすれば期間を短縮できた部分があったなど、改善点を書き出していきましょう。
また、目標が達成できなかった場合は、その原因を明確にして、なぜ達成できなかったのかを自分なりに分析し、上司への報告やフィードバックをもらう材料としてまとめておきましょう。
フィードバック
フィードバックでは、上司に結果を報告するとともに、改善点や今後の努力目標を確認していきます。
そして、フィードバックは次回の目標設定や、目標達成までのプロセス改善に役立てましょう。
目標管理シート記入例(テンプレート)
それでは、目標管理シートの具体的な記入例をみていきましょう。
営業職の場合
目標
- 年間の契約数を〇〇件に増やす
目標期間
- 〇〇年〇〇月~〇〇年〇〇月(スタートから1年後の日付など)
行動
- 月間のアポイント件数を〇〇件増やすために、新規開拓エリアを〇〇地域にまで広げる
- 1日のアポイント電話を〇〇件行う
- 客先へ出向く場合は、エリアやルートの綿密な行動順序を考えて、1日に〇〇件回れるようにする
目標達成までのスケジュール
- 〇〇月までに〇〇件のアポイントを取る
- 〇〇月までに〇〇件の見込み客を作る
- 〇〇月までに〇〇件の契約を取る など
進捗管理
- 〇〇月のアポイントは〇〇件:進捗達成率〇〇%
- 〇〇月の見込み客獲得件数は〇〇件:進捗達成率〇〇%
- 〇〇月の契約は〇〇件:進捗達成率〇〇%
結果
- 〇〇月までに契約数〇〇件達成:目標達成
または - 〇〇月までに契約数〇〇件:目標未達成
振り返り
- 〇〇月までにアポイントを〇〇件取るには、〇〇が必要だった
- 営業トークのスクリプトに、顧客からの要望や疑問を〇〇として取り入れると見込み客増加の可能性がある
フィードバック
- ※上長からのフィードバックをもらう
人事職の場合
目標
- 人材教育に力を入れて、〇〇までに資格取得者を〇〇人に増やす
目標期間
- 〇〇月から〇〇月(資格取得日の期限)
行動
- 1ヶ月に〇〇回の研修を〇〇人に対して行う
目標達成までのスケジュール
- 〇〇月~〇〇月:カリキュラムの作成と研修開始の周知
- 〇〇月~〇〇月:希望者を〇〇人募集・獲得
- 〇〇月~〇〇月:研修開始
・・・ - 〇〇月〇〇日:資格試験
- 〇〇月〇〇日:資格取得者の確認
進捗管理
- カリキュラム作成:進捗率〇〇%
- 資格受験希望者獲得:進捗率〇〇%
- 研修:進捗率〇〇%
- 資格獲得者:〇〇%
結果
- 資格取得者を〇〇達成:達成率〇〇%
振り返り
- 社内での研修は、講師担当の業務停滞や稼働を予想以上に圧迫する
- 今後、外部の研修を取り入れることも検討し、予算想定と効率化を吟味する必要がある
フィードバック
- ※上長からのフィードバックをもらう
目標管理シートの活用ポイント
それでは最後に、目標管理シートの活用ポイントをみていきましょう。
目標は定量化できる具体的ものを記載する
ここまで、目標管理シートの作り方や記入例で見てきたように、目標などの項目は、具体的な数値などで定量化して表現することが重要です。
「何をどのくらいどうすれば」「どのくらい何ができるのか」を明確に、そして論理的に記載しておくことで目標がイメージしやすくなります。
多すぎる目標は達成できない
一度に多くの目標を立てすぎると、結果的に達成できないものが増えてしまうため、目標達成期間を考慮して3~5程度の目標にするとよいでしょう。
達成できない目標が増えてしまうと、モチベーションの低下にもつながりますし、そもそも達成できない目標を立てても意味がありません。
もし、複数の目標を立てるときは、芯となる目標を置き、それに関連する目標にすると達成しやすくなります。
目標達成のための具体的なアクションも記入する
目標だけを掲げても、どのように達成するのかといった細かな行動までイメージできていなければ、着手しにくく進捗も進みません。
ですので、目標管理シートを作成する際には、何から着手してどのようなスケジュールで進めていくのかといったアクション(タスク)も記入するようにしましょう。
振り返りとフィードバックを必ず行う
目標達成時には、必ず振り返りを自身で行いましょう。
効率的に進められた作業や、もっと改善できたことなどを振り返ることが大切です。さらに、上長にもフィードバックをもらうことで、第三者から見た改善点や良かった部分を再認識できます。
まとめ
目標管理シートは、それぞれのシート構成をしっかりと決めて運用することが大切です。上手に運用できれば、個々の目標管理はもちろん、それぞれのモチベーション維持にもつながります。また、人事評価において目標管理シートを一つの要素に取り入れることで、わかりやすい評価基準の一つとして利用できます。
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- OKR・目標管理
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