クロスファンクショナルチームとは?その概要やメリットについて

 2022.05.02  2022.09.05

組織的な課題の解決や目的達成のため、クロスファンクショナルチームの導入を進める企業が増えています。自社でも導入を、と考えている企業経営者や担当者の方もいるでしょうが、具体的にどのようなメリットがあるのか正しく理解できているでしょうか。本記事では、クロスファンクショナルチーム導入のメリットや、運用を成功させるポイントなどを解説します。

クロスファンクショナルチームとは?その概要やメリットについて

クロスファンクショナルチームとは?

クロスファンクショナルチームとは、部門を問わずさまざまなスキルや知識、経験をもつ人材で編成したチームです。もともと日本で誕生したチーム形態であり、プロジェクトによっては社外からメンバーを加えることもあります。

一時的なプロジェクトのために結成されることもあれば、組織が抱える課題を解決するため常設させるケースもあります。部門の壁を超えて多様な人材が1つのチームに集まるため、斬新なアイデアの創出や活発な意見交換、スムーズなプロジェクトの進行などさまざまなメリットが期待できます。

日本企業では大手自動車メーカーや銀行がクロスファンクショナルチームを結成し、大きな成果を挙げています。

なお、クロスファンクショナルチームと混同されやすいものに、タスクフォースがあります。こちらは、特定の課題や目的を達成するため、一時的に編成されるチームです。基本的には短期集中型のプロジェクトとなることが多く、目的を達成した時点でチームは解散します。

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クロスファンクショナルチームの必要性とメリット

クロスファンクショナルチームは、日本に多い縦割り組織ならではの弊害を排除し、効果的なコラボレーションを実現します。ここでは、なぜこのチーム形態が必要なのか、メリットと併せて解説をします。

クロスファンクショナルチームはなぜ必要なのか

クロスファンクショナルチームが必要な理由として、日本企業固有の組織形態がもたらす弊害が挙げられます。日本企業の多くは縦割り組織であり、部門間に壁ができてしまうケースが少なくありませんでした。壁があるだけならまだしも、部門同士が対立を深め、組織の生産性を低下させてしまうことも珍しくありません。

このような状況を改善し、組織としての生産性を高めるためにファンクショナルチームは有効です。部門を超えてさまざまな人材がひとつのチームに集まるため、適切な協力体制のもと課題の解決や目的の達成に突き進めるのです。

また、従来の縦割り構造では、部門間での情報共有がスムーズにいかない弊害もありました。情報共有がきちんとできない状況では、効率的に業務を遂行することはできません。必要な情報が特定の部門でストップしてしまい、他部門の意思決定が遅れてしまう、といった弊害も生じます。

縦割り組織のままでは組織の成長は望めません。今後も組織として発展と成長を続けるには、各部門がきちんと協力できる環境や体制の構築が必要です。クロスファンクショナルチームに注目が集まっているのは、自社の成長に課題を感じており、何とかしなければと危機感を抱く経営者が増えたためと考えられます。

クロスファンクショナルチームのメリットとは

クロスファンクショナルチームのメリットとして、多様な人材で編成したチームで1つのプロジェクトを遂行できることです。部門の壁を超えてさまざまな人材が集まるため、一体感をもってプロジェクトに取り組むことができ、協力しあって成功へと突き進めます。

チームを編成するメンバーは、部門はもちろんスキルや経験、バックボーンなども異なります。考え方や価値観なども異なる多様な人材が一堂に会することで、斬新なアイデアが生まれやすいのもメリットといえるでしょう。また、従業員はさまざまな意見に触れられ、見識を広げられます。

各部門から選抜されたメンバーが集まるため、自然と部門間の協力体制を構築できるのもメリットです。これまでいがみ合ってきた部門同士であっても、クロスファンクショナルチームの結成を機に交流が生まれ、信頼関係と強固な協力体制を構築できる可能性があります。

多様なメンバーが協力し合ってプロジェクトに取り組むため、組織が抱える難度の高い課題を解決しやすいのも魅力です。今まで解決できなかった問題も、さまざまな視点から分析、議論できるため、これまで思いつかなかった解決策が見つかる可能性があります。

クロスファンクショナルチーム導入の手順とうまく機能させるコツ

企業が抱える根本的な課題を解決し、抜本的な改革を進めるには、組織全体で協力して取り組みを進める必要があります。以下、ファンクショナルチームを導入する手順と、機能させるコツをピックアップしました。

クロスファンクショナルチーム導入の手順

クロスファンクショナルチームの導入において大切なのは、チーム設計とメンバーの選出です。チーム設計は、形成期→混乱期→統一期→機能期→散会期の5段階で捉えて設計を進めていきましょう。

形成期は、チームを結成して間もない時期です。部門が異なる多様な人材が集まっており、お互いをあまり理解できていない状況といえるでしょう。リーダーはチームのなすべきことをメンバーへきちんと周知し、目的を統一させる必要があります。

混乱期は、プロジェクトを進める中で意見の相違や衝突が起きやすい時期です。メンバー間のコミュニケーションを促し、リーダーは必要に応じてサポートもしなくてはなりません。

統一期は、メンバー同士の理解が深まり、チームとしてまとまりが出てくる時期です。

機能期は、個々のメンバーが知識やスキルを発揮し、活躍し始める時期です。リーダーはメンバーの業務に直接的な介入は避け、必要なときだけバックアップしてあげるとよいでしょう。
散会期は、プロジェクトの終了に伴いチームが解散する時期です。

選定するメンバーは、プロジェクトの性質や目的によって異なります。スキルや経験、コミュニケーション力の有無などを判断基準として選出を行いましょう。特定の部門やスキルに偏ったメンバーを集めてしまうと、クロスファンクショナルチームのメリットを活かせないため注意が必要です。

クロスファンクショナルチームをうまく機能させるコツ

クロスファンクショナルチームの運営に失敗しないよう、コツを押さえておきましょう。
ひとつめは、経営陣の干渉を最小限に留めることです。さまざま背景をもつメンバーが、自由に意見やアイデアを出せるのがクロスファンクショナルチームの魅力なのに、経営陣が過度に干渉してしまうと従業員が萎縮してしまい、チームが機能しなくなるおそれがあります。

経営陣は過度な干渉を避け、確認やサポートが必要なときだけ口を出すようにするとよいでしょう。チームが自主的に考え、行動できる環境を整えてあげることが大切です。

また、メンバー同士がしっかりとコミュニケーションをとることも重要です。多様な人材を集めても、コミュニケーションが活発でないと意見やアイデアが生まれません。孤立するメンバーが出ないよう、リーダーが配慮する必要もあるでしょう。

目的を明確に定めることも大切です。目的が明確になっていないと、メンバーはどこへ向かって走ればよいのかわかりません。チームに一体感を生むためにも、明確な目的の設定が必要です。併せて、責任の所在を明らかにすることも忘れないでください。

まとめ

縦割り組織ならではの課題を解決し、組織としての成長を促すためにもクロスファンクショナルチームは必要です。多様なメンバーが集まり斬新なアイデアが生まれれば、組織が抱える困難な課題も解決できるかもしれません。

クロスファンクショナルチームの運用を検討しているのなら、「Asana」の導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。プロジェクト管理ツール「Asana」は、チームの仕事を可視化でき、スムーズな情報共有も実現します。気になる方はぜひお問い合わせください。

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