すでに多くの企業が働き方改革へ着手していますが、なかなか浸透しない、うまくいかないと悩むケースも少なくありません。働き方改革推進を成功させたいなら、企業の意識改革はもちろん、ITツールの活用も検討しましょう。本記事では、ITツールを活用すべき理由や、おすすめできるツールの種類などを解説します。
企業が働き方改革にITツールを活用する理由
働き方改革を推進するにあたり、ITツールを活用すべき理由はいくつか挙げられます。「業務効率の向上や人材不足の問題解決」「働き方の多様化を実現するため」などです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務効率を向上させるため
業務効率を向上させる努力をしている企業は少なくないでしょう。実現すれば利益の拡大に直結するからです。実は、働き方改革を成功させるうえでも、業務効率向上は大切なポイントであり、その実現には、ITツールが欠かせないのです。
国の掲げる働き方改革の課題として、長時間労働の解消も挙げられています。慢性的な残業や長時間労働は、労働者の肉体、精神にダメージを与えるのみならず、出生率低下も懸念されているのです。企業としては、ITツールをうまく業務へ取り込むことで効率化を図り、労働時間短縮や残業削減を実現していく必要があります。
人材不足の問題解決のため
働き方改革の最重要課題として、人材不足も挙げられます。現代の日本は少子高齢化が著しく進み、労働力の低下に悩まされています。この先も少子高齢化が進めば、さらに労働力が低下し、国力自体が下がっていくと懸念されています。
ITツールは、労働力不足を補うためにも活用されます。人の手で行っていた作業をツールに任せられれば、業務効率や生産性の向上が見込めるのです。ツールの導入により業務の効率化ができれば、最小限の人材で業務を回せるようになると期待されます。
もちろん、ツールを導入するだけでなく、労働者が快適に働ける職場環境づくりも大切です。待遇やルールの改善も併せて進めれば、人材不足の解消スピードを速められるでしょう。
働き方の多様化を推進するため
働き方改革の大きな目的は、「人々が多様で柔軟な働き方を選べる環境を実現する」ことです。少子高齢化により労働力低下が叫ばれる時代だからこそ、企業は働き方の多様化を実現し、広く労働力を募る必要があります。
例えば、テレワークを導入すれば、自宅を離れられない人たちを労働力として確保できます。家族の介護をしている方・シングルマザーの方・足腰が弱く出勤が難しい高齢者の方などを、労働力として確保可能となるのです。
ただテレワークでは、勤怠や業務の進捗を上司が細かくチェックできなくなるでしょう。また、従業員たちが相互にコミュニケーションする機会が大幅に減ってしまう、という問題も発生します。
こうした問題を解決するために、後述するチャットツールや会議ツールなどのITツールを活用することが必要となるのです。
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働き方改革に活用できるITツールの種類
働き方改革に着手したばかりの企業なら、どのようなツールを導入すればよいのか悩んでしまうかもしれません。そこで、ここでは働き方改革に活用できるITツールの種類と、それに応じた代表的なツールをいくつか紹介します。ぜひ参考にしてください。
チャットツール
文字でコミュニケーションを取れるツールです。文字によるやり取りだけでなく、画像やファイルの転送・共有などへも対応しており、ビジネスシーンで活用されています。
かつてのビジネスシーンでは、コミュニケーションツールとしてメールが活用されていました。しかし、現在ではよりスピーディなやり取りが可能となる、チャットツールを用いるケースが多くを占めています。
テレワークを実施している企業でも、チャットツールを導入すればこまめなやり取りが可能です。グループを作っておけば、チーム内で情報も共有できます。代表的なツールとしては、「Chatwork」や「Slack」などがあり、どちらもフリープランなら無料で利用可能です。
会議ツール
遠隔で会議を行えるツールです。テレワークを導入しても、会議の都度社員が出勤しなければならないとなれば、効率的とは言えません。会議ツールを利用すれば、個々の社員が異なる場所にいてもオンラインで会議を行えます。
会議ツールを選ぶときは、通信が安定しているか、音声がクリアかどうかをチェックしましょう。通信が不安定では、会議中に映像や音声が途切れてしまい、情報をきちんと共有できないでしょう。参加者のストレスにもなるため、この2点は必ずチェックしたいポイントです。
それを踏まえたうえでおすすめなのは、「ZOOM」や「Google Meet」です。どちらも通信の安定感は抜群で、音声もクリアと評判です。また、5,000社を超える企業に導入実績があるV-CUBEミーティングも、高品質な映像と音声を実現しており、操作性もよいと人気があります。
情報共有ツール
テレワークでは、個々の社員が離れた場所で業務を行うため、進捗状況の確認やタスク管理などが疎かになる恐れがあります。こうした問題を解決するには、情報共有ツールを活用しましょう。
いわゆる、グループウェアと呼ばれるツールが、情報共有ツールに該当します。メール送受信やタスク、スケジュール管理などを一元化できるツールで、「サイボウズOffice」や「Googleドライブ」などが代表的です。
また、シンプルなインターフェースで直感的に操作できると評判の「Trello」も、タスク管理や情報共有に使いやすいツールです。こちらは無料で利用可能なため、お試し感覚で利用してみるのもよいでしょう。
勤怠管理ツール
働き方改革を推進するには、社員の勤怠状況をきちんと把握しなくてはなりません。把握できていないと、長時間労働や残業の発生につながるからです。長時間労働や残業を少なくするためにも、勤怠管理ツールを導入しましょう。
しかし勤怠管理ツールでできることは、勤怠の管理だけではありません。ツールによっては、人件費の把握や給与計算の効率化、アラートによる勤務超過の回避などまで可能です。代表的なツールとしては、「ジョブカン勤怠管理」や「jinjer勤怠」、「e-就業ASP」などがあります。
業務管理ツール
経営管理システム、ERP (Enterprise Resources Planning)を業務管理に用いる企業も少なくありません。企業の経営をサポートしてくれるさまざまな機能が備わっており、トータルでの生産性向上が見込めます。代表的なツールには、「SAP」や「クラウドERP」などが挙げられます。
バーチャルオフィスツール
仮想オフィスを構築し、社員同士で情報共有やコミュニケーションが可能なツールです。チャットやビデオチャットといった機能のほか、資料共有機能、座席、ルーム設定機能などが備わっています。
個々の社員が別々の場所にいても、実際に会議室でミーティングに参加しているような状況を生み出せます。参加者全員の顔を見られるため雑談も可能で、テレワークで起こりがちなコミュニケーション不足を解消できます。「Sococo」や「Remotty」などが代表的なツールです。
働き方改革へのITツールの導入ポイント
ITツールを導入し、働き方改革の推進を成功させるには、いくつか大切なポイントを押さえておく必要があります。大きくは、「自社に合うものを選ぶ・適切な導入フローをたどる・セキュリティ面を考慮する」という3点が挙げられます。
自社に合うもの選定する
ここまででお伝えしてきたように、ITツールは、さまざまな種類がそれぞれの機能に秀でています。したがって大切なのは、「自社が何を実現したいのか」をまずは明確にしてから、ツールを選定することです。
例えば、「長時間労働やムダな残業をなくしたい」のなら、まず導入すべきは勤怠管理ツールでしょう。「テレワークを進めたい」のなら、コミュニケーションツールや会議ツールなどが必要です。
働き方改革にはさまざまな課題があり、一度にすべてを進めるのは困難です。まずは目下の目標を立て、それを達成できるツールの導入を検討しましょう。
適切なフローで導入する
やみくもにツールを導入しても、働き方改革は推進できません。先述したように、まずは目的を明確にしたうえで、準備や導入計画を進めましょう。また、いきなり全部署で本格導入するのではなく、試験導入で様子見することも大切です。
試験導入したあとは、きちんと効果の測定もしましょう。導入により残業がどれくらい減ったのか、業務効率はどれくらい向上しているのかなどを、測定するのです。
導入前と何も変化がないのなら、導入するツールを間違えている、もしくは運用方法を誤っているのかもしれません。効果を測定したうえで、継続するのか、全部署に導入するのかなどを決めましょう。
また、導入後の運用体制についても考えておく必要があります。このときあらかじめ、不慮のトラブルについても、誰がどのように対処するのかなど、対応策を明確にしておくと安心です。そしてランニングコストについても、正確にチェックしてから導入し、財政的にもきちんと運用継続できる状態にしましょう。
セキュリティ面も考慮する
テレワークをはじめとした多様な働き方が可能になると、今まで以上にセキュリティ対策をしっかり行う必要があります。社外から会社のネットワークへ接続する機会が増えるからです。また、社員が自宅以外の場所でパソコンやタブレットを使い、情報にアクセスすることも考えられます。
機密情報の漏えいや情報の詐取など、さまざまなリスクが考えられるため、機能面や費用だけでなく、セキュリティ面も重視してツールを選びましょう。併せて、社員のセキュリティ意識も高めなくてはなりません。
「セキュリティが堅牢で、なおかつ機能的なITツールを導入したい」と考えるのなら、「Asana」がおすすめです。業務可視化やタスク管理など、多彩な機能が詰まったワークマネージメントツールです。また多くの有名他ツール・アプリとの連携可能なため、どんな業務環境へも無理なく定着させられるでしょう。
高度かつ堅牢なシステムでデータを保護しており、セキュリティ面にも隙はありません。実際に、世界で82,000以上の企業へ導入されており、たしかな実績を誇っています。ぜひ選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
働き方改革を実行するにあたり、絶対にITツールが必要なわけではありません。しかし、少しでも早く働き方改革の推進を成功させ、なおかつ効果的な運用を行いたいのであれば、ITツールの導入をおすすめします。
本記事ではさまざまなツールの種類を紹介しましたが、まずは目的を明確にしたうえで現状を把握し、適切なフローで導入を検討しましょう。また、最後に紹介したAsanaは、機能面とセキュリティに優れ、導入実績も豊富なツールです。この機会に、検討してみてはいかがでしょうか。
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