「Asana Day 2021」は、日商エレクトロニクスの社内でタスクツールとして定着しつつあるAsanaの基礎的な活用方法と成功事例、活用後の業務内容の変化などを紹介。「全社を見える化するマネジメントツール」としてのAsanaの利用率の向上と新規の利用者獲得をめざして開催された。
全社を「見える化する」ワークマネジメントツール Asana × 日商エレクトロニクス
コロナ禍のリモートワークによって、多くの組織で分散型のチームが生まれ、それを支援するツールを使ったコミュニケーションが活発になった。ところが、会議や報告、連絡など「仕事のための仕事」は、勤務時間の実に 60% が費やされるようになり、メンバーは自分のやるべき仕事に迷い、リーダーは実態の把握しにくくなったと嘆く。コミュニケーション量に比例して生産性があがっていない状況である。この状況を打破するツールが日商エレクトロニクス内でも急速に利用が拡大しているAsanaだ。Asana は個人・チーム・会社組織全体の目標を「見える化」し、仕事のための仕事をなくし、価値ある仕事に集中できる環境をつくり、フェアな評価をサポートするワークマネジメントツールである。
日商エレクトロニクスがAsana社製品を導入したのは2020年4月、現在は全社3分の1がAsanaをタスクツールとして活用している。その実績を踏まえ、日商エレクトロニクスでは、Asanaに精通したITプロフェッショナルを起用した導入支援サービスを開始。導入時の課題を解決して利用者や管理者がAsanaを活用できるようにサポートをし、導入後は利用者向けトレーニングなどの継続支援サービスも提供している。
ENT本部地域技術部の松本篤実さんがAsanaで管理をしているのは、①各課・各地域でのエンジニア案件管理・リソース状況の可視化と②地域における戦略顧客・戦略商材に対する取り組みの開始だ。Asanaを導入したきっかけは、2020年度下期に地域技術部が発足したことだった。
「全国の拠点ごとに所属していたエンジニアは拠点を横断しての組織に変わり、関西の課長が北海道・中部・中国・九州の状況を把握することになりました。コロナ禍によってリモートワークが増え、異なる拠点を各課単位で可視化する必要が出てきたわけです」
Asana 導入のきっかけ
松本さんはAsanaを①営業と技術間の案件状況の共有とコミュニケーション、②エンジニアリソースアサインの管理、③各メンバーにおける案件の状況・進捗などの案件管理、④各拠点と各課でのエンジニアリソースの可視化で利用している。
タスク管理の仕組みは、営業がタスクとして案件を登録すると、SEアサインの依頼が課長に届き、課長はそのタスクを個人のプロジェクトに登録する。拠点単位・組織単位のポートフォリオはあらかじめ登録されており、見たい軸によって各課か、各拠点のポートフォリオを確認できるようになっている。
案件タスク管理の仕組み
複数のプロジェクトのタスク登録の仕組みを使ったことで、営業との連携がスムーズになり、案件の進捗と状況、担当者、期日、担当拠点などが、ひと目でわかるようになった。
さらに各課は課内のリソースも把握できるようになっている。登録したタスクに案件対応期間中、概算の対応工数を登録すると、ワークロードによって各メンバーのリソースの負荷状況が可視化できる。これにより、どの人がどのような案件対応によって負荷が高くなっているかも可視化でき、コロナ禍においての負荷の平均化に役立つことになった。
複数プロジェクトのタスク登録の仕組みを使った営業との連携実施
「案件管理にAsanaを導入したメリットは、営業が案件を登録するとSEアサインが通知され、その後はすべて自動で登録されることです。自動化によって、もれや遅れなどの不具合が少なくなって効率的になり、連携がスムーズになりました。ヨコ(各課)とタテ(拠点)の管理がしやすく、誰がいつまで多忙なのか、いま誰が空いているかのリソース状況がひと目でわかります。コラボレータを使えば、案件についてのコミュニケーションが容易にとれるのも、大きなメリットです」
エンジニアリソースの可視化
今後の課題としては、リソースの可視化はできるものの、実体に即した見方が難しいことから、案件工数の入力精度を向上させること。また、組織内での使用は問題ないが、異なる組織と連携するには、連携する組織との運用ルールを統一し、それを徹底させなければならないという。また、最終的に軌道にのるまではマネージャーが手直しするなど、細かいコントロールが必要になってくるため、「管理者の負荷は高くなる」とも話す。
松本さんがつぎのAsana活用に考えているのは、顧客戦略と商材戦略のアクションを管理することだ。商材と顧客、営業と技術間の連携、地域と本社間の連携を考えており、現在プロジェクトが進行している。
Asana 活用による顧客戦略・商材戦略アクションの管理
「 ワークロードで負荷の平均化を図るには 」
案件管理でAsanaを使うメリットは、拠点で見る軸、課で見る軸、組織で見る軸、課を横断して拠点で見る軸のそれぞれで管理できることです。3つの課の案件状況の戦略と進捗をポートフォリオで作ってまとめ、営業担当が案件をテンプレートで登録すると、コラボレーターに自動的に通知されます。この新規案件のSEアサインの依頼が来ると、課長は対応させる担当に期日を決めてアサインし、アサインされた個人のワークロードには個人のタスクとして登録され、工数に対して負荷がみえるという仕組みになります。
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