ビジネスの世界では「報連相」が大切といわれていますが、その理由をご存じでしょうか。報連相はスムーズな組織運営のために必要であり、ビジネスパーソンに必須のスキルです。本記事では、仕事の報告・連絡・相談の必要性や、実施するにあたっての大切なポイントについて解説します。
報連相とは
「報連相」とは、「報告」「連絡」「相談」を指すビジネス用語です。「報告」は、主に部下が上司から命じられた業務の進み具合や成果を伝えることで、「連絡」はプロジェクトメンバーや関係各所に作業進捗や関連情報を知らせることです。
そして「相談」は、業務を遂行するにあたり生じた課題やトラブル、疑問、悩みなどを共有し、アドバイスを求めることを指します。報連相を理解するには、仕事における報告・連絡・相談それぞれの意味をきちんと押さえておくことが重要です。
スムーズな組織運営を実現するには、報連相が欠かせません。報連相が徹底できていなければ、小さな問題が段々と大きくなってしまい、取り返しのつかない事態に発展するおそれもあります。業務を効率よく進めるためにも報連相の重要性は非常に高く、組織にとってもビジネスパーソン個人にとっても必須の要素といえます。
報連相の必要性
ビジネスの世界で重視される報連相ですが、実行に際してはその必要性を理解しておくことが大切です。必要性や得られるメリットを理解すれば、積極的に取り組めるようになり、ビジネスパーソンとしての成長にもつながるでしょう。
業務を効率的に遂行できる
組織における業務は、さまざまな人が関わり合いながら進めます。1人で完結するケースは少ないため、周囲と協力しながら業務を進めなくてはなりません。報連相を徹底すれば、周囲と必要な情報を共有でき、意思疎通も図れます。認識のすり合わせが可能になるため、ミスや手戻りを減らすことにもつながり、効率よく業務を進められます。
また、情報を共有すれば、上司から適切なアドバイスももらえます。チームメンバーからのサポートも受けられるため、スムーズに業務を進められるのです。上司などの管理者も、部下から情報を吸い上げることで適切な判断を下せるため、業務効率化につながります。
上司から信頼してもらえる
報連相をしっかりと行えば、上司から信頼してもらえるため評価が高まります。業務進捗をきちんと報告し、悩みや疑問も隠さず相談してくれる部下は、上司にとって好ましくかけがえのない存在だからです。
部下がきちんと報告をしてくれないと、上司の意思決定が遅れてしまうおそれがあります。また、すぐに対処すればなんとかなった問題も、報告がないことから取り返しがつかない事態に発展してしまう可能性もあるのです。
報告や相談を密にしてくれる部下は、上司にとって信頼できるため、大きなプロジェクトを任せてもらえる可能性が高まります。重要なポジションを任され、ビジネスパーソンとして成長できるチャンスにも恵まれるでしょう。
遅延などのトラブルを防げる
業務の進捗状況が芳しくないときでも、報連相を徹底すれば遅延などのトラブルを防止できます。現状で生じている課題を報告し、アドバイスを求めれば適切な対処を指示してもらえ、行動に移せるからです。
何かしらの問題が生じているのに、現場だけでなんとかしようとすると、どんどん問題が大きくなるおそれがあります。スケジュールが大幅に遅延し、関係部署や取引先にも迷惑をかけてしまうかもしれません。
現状の課題や、今後生じるであろう問題を早めに報告しておけば、このような事態を回避できます。この先起こりうるトラブルを想定し、適切な対策を講じられるからです。また、万一トラブルが表面化した場合も、情報共有しているためダメージを最小限に抑えられるでしょう。
報連相で大切な5つのポイント
仕事の報告・連絡・相談は、やみくもに実行すればよいわけではありません。効果的な報連相を実現するには、大切なポイントを覚えておく必要があります。ここでは、報連相において特に重要なポイントを解説します。
結論から話す
多くの部下を抱える上司は多忙であり、一人ひとりからじっくり話を聞くような時間が取れません。そのような上司は少しでも早く結論を知りたいと考えているため、回りくどくせず、結論から話すことを心がけましょう。
逆に、言い訳やこれまでの経緯を長々と話してしまうと、上司の時間を奪ってしまい、業務にも影響を及ぼしてしまいます。話しているうちに要点がぼやけてしまい、本当に伝えたいことが伝わらない可能性もあります。時系列で長々と説明するのではなく、まずは結論を伝え、それから上司の求めに応じて説明を加えていくのがよいでしょう。
また、メールを用いて報告するときも同様に、結論から書くのが基本です。メールの場合はタイトルを工夫し、要点や重要性を把握してもらえるようにしましょう。一番伝えたいことをタイトルに記入するのも有効です。
正確に伝える
曖昧な表現では相手に伝わらず、誤解を招くおそれがあります。認識の齟齬が生じてしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあるため、正確に伝えることを心がけましょう。
正確に伝えるためには、抽象的な表現を排除するのがポイントです。「ほとんど」「大体」「多分」などの語は、人によって解釈が大きく変わってしまうため注意しましょう。
また、「5W2H」や数字を用いるのも効果的です。特に、上司に行動してもらう必要がある場合には、5W2Hや数字を用いて正確に情報を伝えましょう。
アドバイスを求めたいときは、あらかじめ相談内容をまとめておくことをおすすめします。何が問題なのか、何を知りたいのかなどを明確にしておけば、スムーズかつ正確に伝えられます。
悪い報告ほど早めにする
上司から叱られたくない、評価を下げたくないと考え、悪い報告を後回しにしてしまうケースは少なくありません。しかし、よくない報告こそ早めにしておかないと、事態がより悪化してしまうおそれがあるため、注意が必要です。
報告が遅れた結果、自分たちの部署だけでは対処できなくなる可能性があります。他部署にまで迷惑をかけてしまい、上司の手にも負えなくなってしまうかもしれません。そのような事態にならないよう、悪い報告は小さなことでも早めに実行しましょう。
また、ミスやトラブルを予見しているのなら、早めに伝えておくことで、問題が生じたときにスピーディーな対処が可能です。「小さな問題だからまだ大丈夫」などと主観で判断すると、かえってトラブルを大きくさせかねません。問題の大小を判断するのは、現場ではなく上層部です。主観で判断せず、小さなことでも報告を徹底しましょう。
解決策も考えておく
漠然と事実だけを伝えても、上司の負担を増やしてしまうだけです。上司からの評価を下げてしまうおそれもあるため、状況を報告するだけでなく、現状を踏まえてどうしたいのか、上司に何を求めているのかまで伝えましょう。
問題が起きたときは、事実を正確に伝えるのはもちろん、解決案まで併せて伝えるのがポイントです。上司に好印象を与えられるだけでなく、自分なりの対処法を考える癖をつければ、ビジネスパーソンとしての成長にもつながります。
相手の都合にも配慮する
上司が忙しいときに報告や相談を持ち込んでしまうと、上司の手を止めさせてしまうだけでなく、よくない印象を与えるおそれもあります。相手が今どのような状況なのか、きちんと把握したうえで報連相を実行しましょう。
「今5分ほどお時間よろしいでしょうか」「〇〇の件で報告があります」など、時間や要点を最初に伝えるのがおすすめです。また、急ぎではなく簡単な報告であれば、メモやメールなどで済ませるのもよいでしょう。
まとめ
報連相の徹底により効率よく業務を進められ、大きなトラブルを未然に回避することも可能です。結論から話す、正確に伝えるなど、報連相を実行するうえで大切なポイントも、きちんと覚えておきましょう。
なお、ワークマネジメントツール「Asana」を利用すれば、一元的なタスク管理を実現できるため、チームメンバーとの情報共有も容易です。報連相の質を落とさず手間だけ必要最小限に抑え、その分のリソースを課題解決に割けるようになります。この機会に、ぜひAsanaの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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