新たな働き方のひとつとして注目を集めているテレワーク。今後導入しようと考えている企業も多いでしょう。テレワークを本格的に導入しようと考えているのなら、導入するまでの手順とやるべきことの把握が必須です。ここでは、企業がテレワークを実践するにあたっての導入ステップを紹介します。
そもそもテレワークとは
オフィスへ出社して働くのではなく、自宅やサテライトオフィス、得意先への移動中などに勤務する働き方をテレワークといいます。情報通信技術(ICT)が発達した現代では、場所や時間にとらわれずに柔軟な働き方ができるようになりました。
テレワークで企業が得られるメリットは多くあります。育児や介護などを理由に多様な働き方のニーズが求められる中、働きやすい環境を整えることで、社員の離職を防げます。今までは採用が難しかった遠方に住む優秀な人材の獲得も可能になるでしょう。災害時の事業継続や生産性向上、コスト削減などのメリットも得られます。
一方で、社員の勤怠管理が難しくなる、コミュニケーションが取りにくくなる、企業機密の漏えいリスクが増すといったデメリットがあることは事実です。とはいえ、これらのデメリットは対策次第で解消できるものです。デメリットを差し引いてもメリットが大きいため、多くの企業が導入を検討しています。
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テレワークを実践する企業のための導入ステップ
事前準備を何ひとつしないまま導入を進めてしまうと、失敗につながります。テレワークを実践しようと考えているのなら、正しい手順とやるべきことを理解しておきましょう。ここからは、具体的な導入ステップをひとつずつ解説します。
目的の明確化
実践する企業が増えているから、話題になっているから、といった目的で導入しても得られるメリットは少ないです。まずは「何のために導入するのか」という目的を明確にしましょう。
目的の決め方は得られるメリットからアプローチすることも可能で、一般的にはコストダウンや人材確保、生産性向上などが挙げられます。自社の業績や事業戦略なども踏まえつつ、目的を明確にしましょう。
目的や実現したい内容によっては、テレワーク以外に解決方法が見つかる可能性もあります。テレワークを導入するのは、あくまで企業としてのメリットを得るためです。導入自体が目的とならないよう注意してください。
導入対象範囲の決定
次に、導入対象の範囲を決めます。具体的には、「対象とする社員」「業務」「頻度」、という3つの観点から決定します。最初からすべての社員や業務を対象にテレワークを実践するのはおすすめしません。導入直後は右も左もわからず、混乱や業務効率の低下を招くおそれがあるからです。まずは対象範囲を絞り、成果を確認しながら少しずつ広げましょう。
試験導入する部署を決め、その中で対象社員や業務範囲を決めることもおすすめです。特定部署での試験導入なら、リスクを最小限に抑えられます。実践する頻度は最初から多くせず、少しずつ増やしていきましょう。まずは週に1~2回程度と少ない頻度で検討してみてください。
現状の把握
テレワークは従来と大きく異なる働き方であるため、現状の社内ルールや制度ではうまくいかない点が多くあります。どのルールをどのように変更すべきかを知るには、現状の把握が欠かせません。
例えば、これまでと同じ人事評価制度での対応は可能でしょうか。社員の働きぶりを直接見られない状況では、仕事に取り組む姿勢などで評価をしにくくなるため、成果重視の評価方法に変更が必要かもしれません。
また、テレワークにより新たな勤務時間制度を導入するのであれば、就業規則、勤怠管理の方法も変更が求められるでしょう。現状におけるルールや制度をすべてリストアップし、変更が必要なポイントを抽出してください。
計画の策定
綿密な計画なくしてはテレワークへのスムーズな導入は困難を伴います。試験的に特定の部門で導入するケースでも、導入の流れについて社員と情報共有するためには、計画立案が必須です。計画書の作成にあたっては、次の内容を盛り込んでください。
- いつから導入するか
- 対象となる範囲(社員や業務)
- どの程度の頻度で実践するのか
- 新たな制度や変更したルール
これらの内容に加え研修を実施するのなら、スケジュールや内容なども記載しましょう。
ルール・制度の整備
先ほどの現状の把握で洗い出した変更ポイントをもとに、勤務時間や報告の仕組み、人事評価制度、情報セキュリティなどに関するルール・制度を整備しましょう。
勤務時間を何時から何時までにするのか、上司がどのように管理するのかなどを決めます。テレワークでは仕事とプライベートの切り替えが難しいうえに、勤務態度よりも仕事の成果を求められるため、労働時間が長くなりがちです。長時間労働を防ぐための施策もあわせて必要とされます。
情報セキュリティに関連するルールづくりも欠かせないポイントです。これまで社内で行っていた業務を自宅やそれ以外の場所で行うため、情報漏えいのリスクが高まります。会社の資料を持ち出さない、自宅以外で作業しないなど、きちんとルールを定めたうえで周知しなくてはなりません。
ほかにも、例えば「在宅勤務でかかる自宅の光熱費・通信費は誰が負担するのか」など、社員のモチベーションを下げかねない問題は、しっかりと検討し、解決しておきましょう。
ツールの準備
テレワークで業務を行うのに必要、もしくはあると便利なツールを準備します。情報セキュリティ対策を施したパソコンの支給やリモートデスクトップ、クラウドアプリの採用などが挙げられます。
テレワークで起こりがちなコミュニケーション不足の解消は、チャットツールの導入がおすすめです。部署ごとのグループ化も可能で、社員同士のやり取りを円滑にしてくれます。企業の中には、社内SNSを活用しているケースもあります。
さらに、情報セキュリティ関連のツールも必要です。情報漏えいは、企業の信用失墜リスクがあるため、信頼できるセキュリティツールを導入しましょう。ツールの導入だけでなく社員への教育も徹底が必須です。
ツールを選ぶときは、導入コストやランニングコスト、機能、操作性などを比較しながら選びます。ツールにはさまざまな種類があるので、特徴や強みを比較しながら自社に合ったものを選んでください。
社員の教育
導入する企業側も大変ですが、働き方が大きく変化してしまう社員はさらに大変です。混乱を招き、生産性やモチベーション低下につながるおそれもあるため、あらかじめ社員教育をしなくてはなりません。
テレワーク業務自体についての研修はもちろんですが、まずは「会社がテレワーク導入にいたった経緯」を丁寧に説明しましょう。社員の中には、導入に疑問を抱いている人、不安を感じている人がいるかもしれません。納得を得られないままでの導入では、モチベーション低下につながりかねないため、最初にきちんと説明しておくと安心です。
ツールを導入した場合は、使い方の説明も必要です。マニュアルを用意し、詳しく説明しましょう。コミュニケーションの取り方や厳守してほしい情報セキュリティ対策なども、研修で説明しておくと社員は安心できます。
テレワークの実施
準備が整ったら、実際に導入して運用します。作成した計画書のスケジュールに沿って運用を進めましょう。あらかじめトライアル期間を定めていたのなら問題ないですが、もし決めていないのなら運用前に決めてください。トライアル期間は3~6ヶ月が一般的とされています。
実際に運用を始めると、さまざまな問題の発生も考えられます。当初の予想より生産性が悪い、思いのほか社員からの評判が悪い、といったことも起こりえます。運用中に起きたトラブルや問題点などは、今後に活かすため必ず記録しておきましょう。
導入後の評価
実践を始めて最初からうまくいくケースは多くありません。理想的なテレワーク体制を整えるには、試行錯誤を繰り返す必要があります。
トライアル期間中に浮き彫りになった課題を把握し、改善を図りましょう。例えば、社員同士のコミュニケーション不足による見解の齟齬が頻発していたのなら、そこを改善します。業務時間中に定期的な連絡を義務づける、コミュニケーションの方法を変更するなどの方法が考えられます。
また、社員から生の声を聴くことも大切です。経営陣は導入に成功したと考えていても、社員はそう思っていないかもしれません。アンケートの実施や直接的なヒアリングなど、率直な意見を収集し改善に活かしましょう。
課題を解決するため、Asanaの導入も検討してみてはいかがでしょうか。Asanaは、世界各国の企業が導入している、たしかな実績があるワークマネジメントツールです。誰が何をしているか、ワークフローがどうなっているかなどを可視化し、初めてのテレワークをしっかりサポートしてくれます。平均45%の生産性向上を実現しているツールですので、ぜひこの機会に検討してみましょう。
まとめ
テレワークを導入すれば、企業はもちろん社員もさまざまなメリットが得られます。ただ、そのためにはしっかりと準備を整え、導入を進める必要があります。
特に、使用するツールがテレワーク導入の成否を分ける可能性もあるため、慎重な選定が求められます。最後に紹介したAsanaは世界中の企業から高い評価を受けているツールのため、おすすめです。ぜひ検討してみましょう。
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