社内コミュニケーションとは、社員同士が互いのスキルや知識を共有し合い、業務の効率化および企業全体の業績アップに貢献することを指します。本記事では、社内コミュニケーションを活性化させるメリットや活性化策を紹介します。
社内コミュニケーションの活性化により期待できるメリット
コミュニケーションはビジネスを円滑に進めるために欠かせない要素の1つです。会社内部でのやり取りが活発化すると、どのような効果が期待できるのでしょうか。
生産性アップ
第一に、コミュニケーションの機会が多ければ多いほど業務はスムーズに進みます。例えば「この件についてはあの人が詳しいから聞いてみよう」というように社員同士で積極的な情報共有をする意識が高まるので、課題解決までのスピードも速くなり、結果的に生産性を高めることが可能です。
普段から上司と部下がコミュニケーションを取っていれば、上司は一人ひとりの進捗状況を把握しやすくなり、業務管理もやりやすくなります。部下の立場としても、一人では困難な業務を同僚や先輩に相談しやすくなるので、1つのタスクを完了するまでの時間を短縮可能です。プロジェクトなど部署を横断して協働する場合にも、社員同士が密接に連携できるため一体感を持って仕事に臨みやすいでしょう。
また、上司は日常のコミュニケーションを通して社員の適性や仕事に対する姿勢などを把握できるので、より適正な人員配置が可能となるメリットもあります。このようにして社員一人ひとりの生産性が向上していけば、企業全体の業績アップを実現することも可能です。
社員への好影響
気軽なやり取りや意見交換の機会が増えると、社員にとってもさまざまな好影響があります。特に期待されるのがモチベーション向上です。
意見が頻繁に交換されている組織では、同僚間はもちろん、上司に対しても意見が言いやすい風土が醸成されています。自分の主張を尊重してもらえることは、働くモチベーションの原点です。反対に自分の意見を主張しにくい環境だったり、主張しても受け入れられなかったりすると、社員の満足度は低下してしまいます。
管理職と部下が日頃から十分なコミュニケーションを取れていれば、管理職としても部下の要望や不満を把握しやすくなり、結果として社員全体の満足度が高まるという好循環を生み出せるでしょう。
会社員の退職理由で最も多いとされているのが人間関係の悩みや不満です。そのため、意見交換や相談のしやすい環境づくりは、社員の離職率低下にも役立ちます。
日頃から上司と部下の交流が活発であれば、部下は仕事の悩みを上司に相談しやすくなります。上司の方でも部下の精神状態を把握しやすいため、必要に応じてフォローを入れることもでき、結果として人材が定着しやすくなるのです。
企業としてのサービス・価値向上
社内コミュニケーションの活発さには、企業価値を高める効果も期待できます。
社員同士の交流を促進するために独自の取り組みを行なっている企業は、その先進性からメディアで取り上げられることも多くなります。社会的な企業イメージを持たれていたり、社員の口コミでプラスの評価が多かったりすれば、新卒採用や中途採用を行う際にも有利です。
また、オープンな企業風土は会社に対する社員のロイヤルティや帰属意識を高めることに寄与し、ひいては情報漏えいをはじめとするコンプライアンス違反を防止することにもつながります。
社内コミュニケーションを活性化させる施策例
コミュニケーションを促すためには、会話や交流のきっかけを作る必要があります。具体的にどのような施策が考えられるのかみていきましょう。
社内報の作成
社内報とは、連絡事項や社内の出来事などを社員に向けて発信する広報誌です。
社内報は経営者の考えや、同僚の意外な一面など、普段はめったに知る機会のない情報を伝えられる媒体で、一般的には広報部や総務部などが制作を担います。
従来の社内報は冊子や新聞などの紙媒体で配布されていましたが、最近では社内報をWeb上で公開できるサービスもあります。Webなら用紙代がかからないのでコスト削減できるほか、社内報の閲覧率を増やすことも可能。中には文章や画像だけでなく動画を使い、社員の人柄をよりリアルに伝えられるよう工夫している企業もあります。
イベントの開催
社員旅行やスポーツ大会などのイベントを開催すると、仕事中は見ることのできない同僚や上司の意外な姿を見ることや、普段は交流することのないメンバーと親睦を深めることも可能。
イベントの規模は、会場や交通手段の手配が必要になるような大規模なものに限らず、ランチ会のような小規模なものでも構いません。一度に全社員が集まれない場合は、複数のイベントを用意して参加者を振り分けるのもよいでしょう。
注意すべき点としては、企画を担当する社員の負担が増えることや、家庭の事情などで参加できない社員がいると参加者との温度差が生まれかねないことなどが考えられます。
こうした課題をクリアするためには、できるだけ多くの社員が参加してくれるように開催日時を工夫したり、業務量を調整したりすることが重要です。
イベント以外では、社内で部活動を発足できる制度を設ける方法もあります。運動系にしても文化系にしても、同じ趣味を持つ社員が部署の垣根を越えて集まれる場は貴重です。業務上は直接関わりがなくても、部活動でお世話になっているからいつか仕事でも協力したい、というようなコラボレーションが生まれるかも知れません。
ただし、部活動は基本的に営業時間外の時間で行うことになるので、定着しない可能性もあります。その場合、会社が部費の一部を負担するなど社員が参加したくなる仕組みを設けるとよいでしょう。
研修の実施
社内コミュニケーションを活性化するには研修の実施も有効です。研修の種類も色々あり、マネジメント研修のようなかっちりとした研修だけでなく、より気軽な雰囲気で自由に意見交換ができる懇親会付きの研修など、自由に設定可能です。全社員に同じ研修を受けさせ、会話せざるを得ない状況をつくることが成果につながるケースもあるようです。
食堂の設置
社員食堂は、社員同士のコミュニケーションや情報交換が行われる場所です。大企業の社食は内装や設備も豪華で栄養バランスも考えられた食事を提供できますが、予算が限られる中小企業では社食の設置が難しいことも少なくありません。
社食の設置には数百万から数千万円の費用がかかります。ただ、必ずしも大規模な投資をする必要はなく、休憩スペースへ簡易的なドリンクバーを設けるのもひとつの手でしょう。食事をきっかけに社員が集まって雑談できる場を用意すれば、自然と会話も増えていくはずです。
社内通貨の導入
社内通貨とは、社内限定で使えるポイント制度のことで、近年、給与とは異なる新しい形のインセンティブとして多くの企業で導入され始めています。
通貨は社員同士が情報共有することで貯められる仕組みになっており、それによって社内コミュニケーションを促すことが可能です。貯まった通貨は同僚にプレゼントできるほか、経費に利用したり、現金や商品・サービスと交換できたりなど、さまざまな形で社員に還元していきます。
従来のインセンティブ制度は、企業の最低基準をもとにした上長や人事からの評価で決められていました。これに対し、社内通貨では残業しなかった日に付与、社内プレゼンの賞金として付与など、人事評価では反映不可能な部分も評価できるメリットがあります。
フリーアドレス制度の採用
社員専用のデスクを指定せず、業務の内容に応じてオフィス内の空いている席や社内のオープンスペースなど好きな場所で働けるようにするオフィスの形態を「フリーアドレス制度」と呼びます。
フリーアドレス制度の狙いは、部署などの垣根を越えて社員同士がコミュニケーションできるようにすることです。
一般的にオフィスでは上長のデスクが、部下のデスクに対面するように配置される場合がほとんどですが、フリーアドレス制度はデスク配置が固定されない分、上下関係の壁を感じにくく、自然なコミュニケーションを促進できます。
1対1ミーティングの実施
上司と部下が1対1で行うミーティングは多くの企業で採用されています。普段の職場では話せないことも1対1なら話しやすく、上司と部下の関係性を深める上でも効果的です。
1対1ミーティングは基本的に業務の進捗報告や目標管理の場として設けられることがほとんどです。その際、コミュニケーションを重視しつつ、日ごろの仕事に対するフィードバックを行いましょう。社員としての自覚を促して部下の能力を引き出すためには、上司のコーチングスキルも求められます。
ツールの活用
最近では、社内コミュニケーションの活性化や、テレワークの環境整備のため、社内SNSやビジネスチャットツールを導入する企業も増えてきました。
ビジネスチャットツールはメールと違って定型文を省略可能なほか、グループ機能を使えば一度に複数の人へ連絡することもできます。メールや電話よりも簡単で素早く情報を共有させてくれるので、ちょっとした質問をしたいときなどにも便利です。
タスク管理機能やビデオ通話機能がついているツールもあるため、テレワークで働く社員とも顔を見ながらコミュニケーションが取れますし、日々のタスクを可視化して適切に業務を分担することも可能です。
ただし、コミュニケーションツールに頼りすぎると対面での会話が減り、基礎的なコミュニケーション能力が低下する恐れもあります。コミュニケーションがチャットに偏らないよう、顔を合わせて交流する機会を意識的に設けることがポイントです。
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まとめ
社内コミュニケーションが活性化すると、情報共有も促進されてよりよいアイデアが生まれやすくなり、個人の生産性や企業全体の業績を向上させることへつながります。
社員同士のコミュニケーションを促すためには、イベントや研修を開催して社員同士が会話する機会を増やすほか、チャットなどのコミュニケーションツールや、プロジェクトの進捗を把握できるタスク管理ツールを活用するのも効果的です。
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