Asanaユースケースウェビナー製造業編レポート|製造業の「報連相」を変革するAsana活用法

 2024.11.22  ワークマネジメント オンライン編集部

Asana Japanの兼城氏とキム氏が講師を務めるオンラインセミナー「Asanaユースケースウェビナー製造業編ー 過剰な”報連相”からの脱却!? 製造業企業のAsanaの使い方とはー」が開催されました。

製造業の生産性向上を目指す方に向けて、ワークマネジメントツールとして世界的に高い評価を得ている「Asana」の概要、製造業における導入事例、報連相に革新を起こす機能を紹介する内容です。

今回は、セミナーの内容をレポートにまとめましたので最後まで読んでみてください。

“ワークマネジメントツール”Asanaとは

Asana Japan 兼城氏:Asana Japanの兼城と申します。はじめに、私からAnasaの概要について説明します。

会社概要

兼城氏: Asanaは、2008年にサンフランシスコで創業され、2019年に日本へ進出したワークマネジメントツールを提供するソフトウェア企業です。旧Facebook(現Meta)から誕生した会社で、創業者の一人である元Facebook CTO、ダスティン・モスコヴィッツが現CEOを務めています。

Asanaは、もともと急成長するFacebookの社内システムとして生まれました。Facebookの拡大に伴い、業務プロセスやコミュニケーションの複雑化が課題となり、効率化と可視化を実現するタスク管理システムとして「Asana」が開発されたのです。このシステムがFacebookの生産性向上に大きく貢献し、同様の課題を抱える企業にも提供するため、Asanaは独立企業となりました。

現在、Asanaは200カ国、14万7000社以上の企業に利用され、著名な調査機関であるGartnerの2023年のマジック・クアドラント「コラボレーティブ・ワークマネジメント」分野において、リーダー企業に選定されています。特に「ビジョンの完全性」において高い評価を得ており、日本企業にとっての課題である「見える化」の実現においても優れたツールであると評価されています。

1週間のうち約3日間が「名も無き仕事」

兼城氏:2023年3月から同年4月にかけて、全世界の製造業を含む2,000名以上のナレッジワーカーを対象に調査を行ったところ、1週間のうち約3日間が雑務などの「名も無き仕事」に費やされているということがわかりました。具体的には、未読メールの確認、Excelでの業務管理シート更新、最新情報を探してメールやチャットを確認する、といった業務が多く含まれます。

こうした非生産的な業務が増える主な原因の一つに、「報連相」がチームやツールの間で分断されていることが挙げられます。例えば、チームで一つの仕事を進める場合、本来なら一元的に管理されるべき情報が、Excelやチャットツール、PowerPoint、Zoomの録画など、さまざまなツールに分散されてしまっている状況がよく見られます。

また、部署ごとに異なるツールを使っている場合も多く、ツール間を行き来しなければ最新の状況を追えないケースが多いのが現状です。Asanaは、こうした課題に対する解決策を提供するためのツールです。

経営課題から実業務まで一気通貫

世界中のチームの働き方を本気で良くしたい

兼城氏:Asanaは、世界中のチームの働き方を本気で改善したいと考えています。そのために、社内外のコラボレーションを支援し、仕事を進める上で曖昧になりがちな「誰が、何を、いつまでに、何のために行うか」という情報を直感的な操作で一元管理できるツールとして「Asana」を提供しています。

Asanaユースケースウェビナー製造業編20240925

Asanaの活用により、報連相をはじめとする調整業務を削減し、全チームがリアルタイムで状況を把握しながら業務を進められるようになります。特に、他チームの作業内容に変更があった際、わざわざ「ここが変わりました」という報告をすることなく、変更点を共有し合い、必要なタイミングで自身の業務に反映できることが大きな特徴です。

また、マネージャーなど管理職の方にとっては、進捗が遅れているタスクや誰がボトルネックとなっているかを簡単に確認でき、非同期でアドバイスやサポートを行うことができます。

このようなコラボレーションや業務管理をより正確に素早く実現すべく、AsanaにはAI機能や自動化機能、200以上の外部アプリとの連携機能が備わっており、TeamsやOutlookとも連携が可能です。また、リソース管理機能やダッシュボード機能も強化されており、製造業を含む多くの企業で業務効率化や生産性向上に大きく貢献しています。

現在、Asanaは、大手企業から数十名規模のスタートアップ企業まで、業界業種を問わず幅広いお客様にご利用いただいております。

製造業に共通する課題

Asana Japan キム氏:Asana Japanでカスタマーサクセスを担当しているキムと申します。ここからは、製造業における報連相に焦点を当ててお話したいと思います。

製造業の業務管理の現状

キム氏:製造業においてコアとなるのは、製造プロセスに関連する定型業務です。これは会社の収益源ともいえるものであり、明確で標準化されたプロセスが確立されているため、近年はERPなどの基幹システムによって一定のデジタル化が実現されています。製造業のお客様とお話すると、業務管理と聞いた際に、まずこの製造プロセスのデジタル化をイメージされることが多いのですが、実際にはこの領域はすでに大きく前進しています。

一方で、製造業においても、経営課題として降りてきた対応や、社内で急務となるプロジェクトといった、標準化されていない非定型業務も発生します。こうした非定型業務は、将来の収益確保やリスクの排除に欠かせないものですが、デジタルツールで一元管理されているケースは少なく、現状ではExcelや会議、チャット、メールなどのツールに頼っている企業がほとんどです。

例えば、非定型業務の進捗がExcelや会議、チャット、メールで管理されているため、業務の現状が本人以外にはわかりにくく、属人化が進んでしまっているケースが多く見られます。

その結果として、アドホック業務(会社の運営上必要な業務)に過度に時間と労力をかけざるを得なくなってしまっているのが、製造業における競争力を下げる大きな原因となっています。

製造業の業務管理の現状

非定型業務を革新する効果

キム氏:では、非定型業務をデジタル化することで、どのような効果が得られるのでしょうか。

調査企業であるIDCの調査によると、非定型業務をデジタル化した企業では、プロジェクトの納期遵守率が57%向上し、(※1)。また、普段の業務における時間削減やプロセスの自動化を通じて、生産性が36%向上したと報告されています。

非定型業務を革新する効果

※1 出典:IDC White Paper, sponsored by Asana, The Business Value of the Asana Platform, Doc. #US560642023, May 2023

導入事例

キム氏:ここからは、Asanaを実際に導入していただいている企業様の事例を紹介します。

スズキ株式会社様

キム氏:スズキ株式会社様では、Asana導入により残業時間が35%削減されたという成果が報告されています。仕事量や締め切りの超過を可視化し、仕事の割り当てや期限の調整を容易に行えるようになったことが、生産性向上に大きく寄与したようです。

モノづくりの根幹 「小・少・軽・短・美」 × Asanaで 次なる成長戦略の実現を目指すスズキ

フジテック株式会社様

キム氏:フジテック株式会社様では、年間で約3,200時間の会議の削減に成功しています。この時間を削減できたことで、社員の皆様がより創造的な業務に集中できるようになったとお聞きしています。

時短と効率化で さらなる価値創造 自律する組織へ変革したフジテック

報連相の革新:報告

キム氏:Asanaの活用により、製造業における「報告」をより効率的に行うことができます。

Asanaによる主要施策の進捗管理

キム氏:製造業における業務管理で重要なのは、経営計画に沿った主要施策の進捗をどのように管理し、リアルタイムで把握できるようにするかという点です。

ここで、実際に製造業の企業様が500名規模の部署で活用しているAsanaの画面をご紹介します。

Asana「ゴール」ボタン
画面左側にある「ゴール」ボタンをクリックすると、進行中の施策に関する情報が確認できます。

Asana上での目標

この企業様では、認証不正対策が重要なゴールとなっており、必要な4つの目標がリストアップされています。その一つである「従業員の意識改革と教育強化」をクリックし、目標の進捗を確認しましょう。

目標に対する進捗状況や背景、詳細が一覧で確認できます

この画面では、目標に対する進捗状況や背景、詳細が一覧で確認できます。Excelで管理する場合とは異なり、視覚的に把握しやすいのが特徴です。例えば、Excelで進捗管理を行うと、経営会議で最新の状況が把握できないことがよくありますが、Asanaを用いることで情報の可視性が向上し、わかりやすくなります。

実際に、DXプロジェクトにおける700ほどのテーマをExcelで全て管理していた企業様のケースでは、Excel管理をやめてAsanaに移行したことで、管理業務が楽になり週30%の残業時間が削減されたという事例もあります。

次に、各施策の進捗をさらに詳細に確認する方法を見ていきましょう。画面中央には、「従業員の意識改革と教育強化」を達成するための3つのプロジェクトが紐づいており、今回は「全社啓発教育プログラム」の進捗を確認します。

Asana「ステータス更新」機能

上記の画面は「ステータス更新」機能です。Asanaのタスクを直接引用して更新することで、長い説明文を用意する必要がなく、シンプルに報告のアップデートができます。こうしたプロジェクトの具体的な進捗状況を「ステータス更新」という機能でまとめて確認できるのも、Asanaの大きな特徴です。

月報として活用

キム氏:Asanaの「ステータス更新」機能を活用することで、以下のように定期的に進捗履歴を残すこともできます。

Asanaユースケースウェビナー製造業編20240925 (10)

画面左に日付の異なる3つの進捗共有が表示されていますが、これを月次で作成すれば、月報としての利用も可能です。ExcelやPowerPointのようにわざわざバージョン管理を行う必要がなく、過去の進捗も簡単に遡って確認できるため非常に便利です。

今回、例に挙げた企業では、この「ステータス更新」機能を活用して月報を運用しています。さらに、次のチャレンジとして生成AIを用いた月報作成に取り組んでいるとのことです。

以下にあるように、Asanaの「AIで下書きを作成」機能を活用することで、プロジェクト内のタスクやコメントを自動的に収集・分析し、月報としてまとめることが可能になります。これにより、手間をかけずに精度の高い報告書を生成できるため、より効率的に月報を回すことが期待されています。

Asanaの「AIで下書きを作成」機能

報連相の革新:連絡・相談

キム氏:ここからは、Asanaを使った非定型業務の運用において日常的な「連絡」「相談」をどのように改善できるかについて説明します。

連絡

キム氏:「従業員の意識改革と教育強化」に紐づく「全社啓発教育プログラム」のプロジェクト画面では、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」がリストアップされ、タスクとして整理されます。これにより、「今どのタスクが進んでいるか」「どの業務が停滞しているのか」といった、業務の進捗状況や滞り箇所を一目で把握できます。「タスクの詳細」をクリックすると、業務発生の背景なども確認でき、関連する会話がすべてタスク内で完結するため、情報がチャットやメールに分散してしまう問題がなくなり、情報整理の手間も省けます。

連絡

兼城氏:Asanaを使えば、会議を報告・連絡の場ではなく、重要な議論の場にすることもできます。例えば、自分の発言は5分なのに、全員が他のメンバーの報告や連絡を聞かなければならず、長時間にわたる会議が苦痛に感じるという声も少なくありません。Asanaを活用すれば、報告や連絡は非同期で行い、会議を本来の議論の場として機能させることで、業務の生産性が飛躍的に向上します。

キム氏:報連相は必ずしも対面で行う必要はありません。Asanaのようなツールを活用すれば、単なる報告や連絡は非同期で実施し、会議では議論のみに集中することが可能です。これを徹底することで、無駄な時間を削減し、生産性の高い働き方を実現できます。

相談

キム氏:Asanaではプロジェクトやタスクの状況をさまざまな切り口で可視化することもできます。

例えば、「タイムライン」機能では、タスクの締め切りや業務の進捗状況を時系列で確認でき、会議や同僚との話し合いで、進捗に応じた現実的な期限や調整の必要性を一緒に検討することができます。特に、マネージャーにとっては部下からの相談を待つのではなく、積極的に状況を把握して話を聞くことで、負荷が過剰な業務に対応するきっかけにもなるでしょう。

Asanaの「ダッシュボード」では、担当者別のタスク負荷をグラフで視覚的に確認することもできます。例えば、一部の社員に業務が偏っている場合、別の人にタスクを割り振るなどの対応が可能です。これにより、マネージャーはチームの状況を把握しやすくなり、「待ち」の姿勢ではなくプロアクティブに相談の機会を提供できます。

Asanaの「ダッシュボード」

まとめ

本セミナーでは、実際にAsanaを活用している製造業企業の「ワークマネジメント」に焦点を当て、Asanaをどのように業務に取り入れて生産性向上・効率化・DXに繋げるか、実際の画面と実例を交えながらお伝えしました。

Asanaは、非定型業務そのもののみならず、業務を行う上で必要な報連相を含む全ての共同作業を一元化できるツールです。直感的なインターフェースにより、誰でも簡単に使いこなせるため、ぜひAsanaを活用してワークマネジメントの精度や効率を向上させましょう。

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