プロジェクトを遂行するうえで、遅延のトラブルはつきものです。せっかく立てたスケジュールが予定通りに進まないと、焦ってミスが重なるなど、新たなトラブルの原因にもなりかねません。そこで本記事では、プロジェクト遅延の原因や対策、遅延時のリカバリ方法を解説します。プロジェクト管理におすすめのツールも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトの遅延とは?
プロジェクトの進捗が当初の計画通りに進まないことを「プロジェクトの遅延」といいます。
そもそもプロジェクトとは、決められた期間内に人的・物的・資金的リソースをもって、成果物の完成を目指す一連の活動のことです。プロジェクト開始時には多くの場合、見積もりや納期までのスケジュールを立てます。しかし、プロジェクトは必ずしも予定通りに進行するものではなく、思わぬトラブルやリソース不足、急な仕様変更などによって進捗に遅れが生じるケースもあります。
いったん遅延が起きると、焦りや無理が生じ、新たなトラブルを生むおそれもあります。最悪の場合、あらかじめ設定していた納期や品質などの目標が達成できず、プロジェクトの失敗にもつながりかねません。
「遅延」は、プロジェクトの目標達成をめざすうえで無視できない存在です。遅延の原因を知り、適切な対策を講じることは、プロジェクトの成功に欠かせない要素といえます。
プロジェクトの遅延が起こる原因は?
プロジェクトの遅延には、さまざまな要因が挙げられます。遅延に正しく対処するためには、その原因が何なのかを見極めることが重要です。以下では、プロジェクトが遅延する主な原因をご紹介します。
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見積りが甘い
先述したように、プロジェクト開始時には多くの場合、目標達成に向けた計画書やスケジュールなどを作成します。しかし、このときの見積もりが甘いと、実際の作業段階で遅延が発生しやすいため注意しなければなりません。
たとえば、顧客のニーズを正確に理解していなければ、計画の方向性にズレが生じ、あとになって大幅な修正が必要になるかもしれません。作業工程に抜けがあれば、スケジュールや人員に無理が発生し、遅延が起きてしまうでしょう。また、集めたメンバーのスキルが必要なレベルに達していないために、思ったように作業が進まないというケースも想定できます。
進捗管理が不十分
進捗管理が不十分なのも、プロジェクト遅延の原因となり得ます。
特に大掛かりなプロジェクトの場合、メンバーが一同に集まって作業を進めるわけではありません。そのため、お互いの進捗に関する認識のズレが生じやすくなります。もし管理者がメンバーの作業状況を正確に把握していなければ、作業漏れやトラブルに気づくのが遅れ、大幅な遅延につながってしまうでしょう。
管理者は常に、メンバーに対し進捗報告やコミュニケーションの大切さを啓蒙する必要があります。また、何かトラブルが起きたときに、メンバーが1人で抱え込まず相談しやすい雰囲気をつくることで、時間の浪費を削減しましょう。
不慮の事故やアクシデント
メンバーの事故や思わぬ病気などでプロジェクトが遅延することもあります。このような不慮のアクシデントは事前に予測できるものではないため、リスクマネジメントの範囲内で想定すべきものとして考えておきましょう。
たとえば、スケジュールや人員にはある程度の余裕を持たせておくべきです。最初からギリギリのプロジェクトの場合は仕方ありませんが、納期や各工期(工程の期間)に余裕を持たせておくことで、ある程度のアクシデントには対応できます。
プロジェクトの遅延防止対策
プロジェクトにはつきものの遅延ですが、あらかじめ対策を講じておけば未然に防ぐことは可能です。たびたび遅延が起きると、チーム全体の雰囲気づくりやモチベーション維持にも影響します。できるだけトラブルやストレスを回避するよう心がけましょう。
情報を適宜共有する
プロジェクトの進行中はチーム内でこまめなコミュニケーションをとり、情報共有に努めましょう。
新規事業の立ち上げなどの場面では、フローが進むにつれ、新たなタスクや予想もしていなかったような事態が起こり得ます。スムーズにプロジェクトを達成するには、単に管理者からメンバーへ指示するのではなく、チーム全体で共通認識を持ちながらプロジェクトを進行するという意識が大切です。
進捗状況やスケジュールなどの情報共有があいまいになってしまうと、現状把握が正しくできず、遅延が発生していても気づかないおそれがあります。特にプロジェクト計画書の作成工程や内容、プロジェクトの進捗情報、それに関するスケジュールなどの情報はしっかりと共有しましょう。そうすることで、何らかのトラブルが発生したときにもスピーディーに発見・対処できるはずです。
プロジェクトに見合ったツールの導入
プロジェクトの成功には、チーム内の円滑なコミュニケーションが欠かせません。しかし、コミュニケーションにばかり時間を割いていると、逆にそのことが遅延の原因になるケースもあります。そこでおすすめなのが、プロジェクト管理ツールによって効率化を促すことです。
プロジェクト管理ツールを導入すると、情報の一元管理や可視化が可能になるので、これまで多くの時間を割いていた情報共有や進捗管理の効率化が実現します。タスク管理やスケジュール管理を行えるツールは多数あるので、プロジェクトに応じたツールを導入しましょう。
たとえば「Asana」は、既存のツールと連携させ、プロジェクトフローのスムーズな一元化が可能です。各タスクや各人のスケジュールもリアルタイムに可視化できるので、チーム内でのコミュニケーションにも役立ちます。
プロジェクトリカバリの方法
どんなに慎重に計画を練ろうとも、余裕のあるスケジューリングを行おうとも、プロジェクトにおいてミスや遅延が起こる可能性は0にはなりません。プロジェクトを破綻させることなく成功に導くには、トラブルが発生したときに素早くリカバリすることも重要です。
遅延からプロジェクトをリカバリさせるためには、まずトラブルの原因を正しく分析する必要があります。問題を正しく把握することで、遅延の原因解決・再発防止にも役立つでしょう。
自分で判断しきれない場合には、1人で考え込まず早めに上司に報告・相談するべきです。特に経験の少ない管理者の場合、考えることに時間を浪費しすぎて、さらにスケジュールが遅れてしまう事態にもなりかねません。
また、1回の遅延のたびに各工程内で完全に取り戻そうとすると、かえってプロジェクトがうまく進まなくなってしまうこともあるので注意しましょう。無理なリカバリは焦りやリソース不足を招き、新たなトラブルの火種となる場合もあります。管理者は全体のフローを見直しながらこまめに調整を行い、最終的な納期に間に合うよう、クオリティの高い成果物の完成をめざすことが大切です。
まとめ
プロジェクト遅延が発生した際は、まずはその原因を明確にし、再発防止に努めることが大切です。スムーズなプロジェクト進行のためには、こまめな情報共有やチーム内のコミュニケーションも欠かせません。ツールを導入し、プロジェクトに関わる情報を一元管理すれば、プロジェクト進行の大幅な効率化に役立つでしょう。
「Asana」は全世界190ヶ国、93,000社以上の導入実績を誇るツールです。プロジェクトに関わる情報の一元管理や可視化ができ、チームや個人の生産性向上に役立ちます。プロジェクトの遅延でお悩みなら、ぜひ一度導入をご検討ください。
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