ワークフローとは?導入するとできることやメリットについて解説

 2021.04.20  2022.09.05

「ワークフロー」という言葉をよく耳にするものの、その意味をきちんと理解していない方も多いのではないでしょうか。ワークフローを正しく理解し、適切に導入すれば業務効率化を実現できます。本記事では、ワークフローの意味や導入メリットを解説します。ワークフローについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ワークフローとは?導入するとできることやメリットについて解説

ワークフローとは

業務における手続きの流れを「ワークフロー」と呼びます。また、一連の流れをわかりやすく図にしたものを、ワークフローと呼ぶこともあります。

例として、業務に必要な消耗品を切らしてしまい、新たに補充してもらうケースで考えてみましょう。このケースでは、まず直属の上司に申請を行い、上司が管理部門の担当者から承認をもらったのち、総務の担当者が発注を行います。こうした流れがワークフローです。

ただ、近年では業務における流れを電子化する「ワークフローシステム」のことを、ワークフローと呼ぶケースも増えています。ワークフローシステムは業務効率化や意思決定の迅速化を支援するとして、導入する企業が年々増加しています。

今回は、こうしたシステムとしての意味合いから、ワークフローに関する情報をお伝えします。

ワークフローを導入すると何ができるのか

企業の経営者やIT担当者がもっとも気になるのは、ワークフローシステムの導入により「何ができるようになるのか」ではないでしょうか。ワークフローシステムにはさまざまな機能が備わっていますが、主なものとしては以下が挙げられます。

申請手続き

組織の中では、さまざまな申請が行われています。備品の補充や休暇の取得、支援制度の申請など、多くの煩雑な手続きに日々時間を消費している担当者の方も少なくないでしょう。そこで、ワークフローシステムを導入すれば、各種の申請に必要な書類を作成でき、提出まで一貫して行えます。

もちろん、システムを導入すれば電子データでやり取りできるため、上記のようなワークフローでは、紙の書類は用いません。そのため用意されているさまざまなテンプレートから、書類のフォーマットを適切・迅速に作成できるのです。

実際に申請を行うときも、上司や担当者のもとへ書類を届ける必要はありません。先述したように、システム化すれば作成から提出までをすべてシステム上で行えます。わざわざプリントアウトするまでもなく、担当者を探し回る手間もかかりません。

承認手続き

申請した内容は、専門部署により承認するか却下するかを決められます。特にこれといった問題がない場合、手続きはスムーズに進みます。しかし内容に不備があったり、適切でないと判断されたりすると承認されません。このような場合、申請者に対し差し戻しや却下といった対応を取る必要があるでしょう。

従来は、専門部署の担当者が1枚ずつ申請書に目を通し、意思決定をしていました。しかし、このやり方ではどうしても時間がかかってしまい、書類を紛失したり、見過ごしたりするなどのミスも生じ得ます。システムを導入すれば、このような手続きをシステム上で完結できるため、担当者の負担軽減につながります。もちろん、差し戻し・却下対応まで、システム上で容易に可能です。

各種通知

導入するシステムによって、実装されている機能は異なりますが、ほとんどのシステムには通知機能が備わっています。承認者のもとへ申請が届いたときには、メールやポップアップで通知されるため、リアルタイムで把握可能です。

また、承認者だけでなく申請者側にも通知が届きます。手続きが無事済んだ場合には、承認されたことがメールやポップアップで通知されます。もちろん、差し戻しや却下となった場合にも同様です。

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従来は、こうしたやり取りを電話や対話で行うケースが大半でした。申請した内容が今どうなっているのかを聞くにも、直接相手とコミュニケーションを取るしかなく、承認者側も申請者へ直接意思決定を伝えるケースがほとんどだったのです。システムを導入すれば、このような手間がかからず、申請・承認の確認がスムーズに行えます。

承認フロー設定

企業により承認ルートは異なります。最終決定までに2人しか挟まないところもあれば、5人以上の担当者が間に入るケースも少なくありません。ワークフローシステムでは、こうした承認ルートに関する設定が可能です。

「何人の担当者が間に入るのか」「どのような順番で手続きが行われるのか」といったことを自在に設定できます。つまり、自社の承認フローに即したカスタマイズが実現します。

また、承認条件の設定も可能です。事前に設定しておけば、自動的に差し戻しや却下に振り分けられるため、担当者の手間を大幅に軽減できるでしょう。さらに、設定した条件に合わせて承認経路の分岐も可能です。

例えば、イレギュラーな申請があったとき、別部門の許可を得る必要性が生じるケースがあります。このような場合も、自動的にその担当部門へ申請内容を送れるのです。

過去データ検索

企業の規模が大きくなると、申請や承認のフローは複雑化しがちです。多くの企業では、過去の申請書類などを保管していますが、これではあとから必要になったとき、膨大な数の中から探さなければなりません。きちんとファイリングしていたとしても、必要書類を見つけるまでに相当な時間を要してしまう可能性があります。

このような問題も、システムの導入により解決します。過去データを検索する機能が実装されているため、簡単に過去の申請データを探し出し閲覧できるのです。

また、「申請して承認されたはずなのに反映されていない」といったケースでは、担当部門が申請書の内容を確認しなければなりません。このようなときでも、条件でフィルターを設定し検索すればスピーディに見つけられます。

ワークフローの導入で期待できるメリット

システムの導入により得られるメリットは多々あります。業務効率化の実現や内部統制の強化、意思決定のスピード化、ペーパーレス化などが主なメリットです。以下でそれぞれ詳しく解説します。

業務効率が上がる

書類で申請を行う場合、さまざまな手間が発生します。パソコンで作成後にプリントアウトし、必要事項を記入したのちに担当部門へ提出しなければならないからです。承認者も、各部署から届いた書類を個別に目視でチェックし、内容を精査したうえで意思決定を行うため、どうしても手間と時間がかかってしまいます。

システムを導入すれば、書類でのやり取りがなくなります。システム上でのやり取りとなるため、申請者はもちろん承認者の手間も大幅に省けるのです。効率よく申請・承認の手続きが進むため、従業員は時間をより有効に活用できます。

ミスを回避しやすくなるのもメリットです。基本的に、承認者は目視で申請内容をチェックするため、ときにヒューマンエラーが生じます。処理する書類の数が多ければ多いほど、ミスや見逃しが起こりやすくなります。また、申請者側も記入する内容を間違えたり、異なる申請書を用いたりするなど、ミスを起こす可能性は否めません。

システムを導入すれば、申請者はどのフォーマットを使えばよいのかが一目瞭然となります。過去データの流用も可能なため、ミスが生じにくくなるのです。承認者も、各種条件を設定して意思決定を自動化できるため、ミスを回避しやすくなります。

内部統制の強化につながる

申請や承認のフローが不明瞭では、何か不正があっても気づけません。誰がどのタイミングで不正を行ったのかがわからず、うやむやになってしまう恐れもあります。不正や内容の改ざんなどが起きると、ときに組織は大きなダメージを受けてしまいます。

システム化することにより、こうした問題をクリアできます。承認のプロセスは随時可視化されているので、「誰がどのタイミングで意思決定をしたのか」を即座に把握し得るでしょう。

また、事前にさまざまな条件をルールとして設定しておけば、それに反する意思決定が行えなくなります。仮に何かしら不正を働こうとする者がいても、その挙動はつぶさに記録されています。こうした記録機能を従業員たちに周知しておくことは、不正の防止策としても有効でしょう。

意思決定が速くなる

企業によっては、申請から最終的な承認まで、相当な時間がかかってしまうこともあります。特に、書類を用いて手続きを行う従来の方法では、どうしても多くの時間を費やしてしまうのです。

こうした問題を解決できるのも、システム化の大きなメリットと言えるでしょう。各種通知機能が実装されているため、承認者は申請が届いたらすぐ内容をチェック可能です。システム上でスムーズに次の部門へデータを送れるため、意思決定のスピードアップが実現します。

また、通知はメールやポップアップで届くため、スマートフォンやタブレット端末でも確認できます。担当者が外出中でも出先で手続きを行えるため、「担当者が戻らないと手続きが進まない」といったことが起こりません。

ペーパーレス化が進む

基本的に、電子データでやり取りが行われます。紙の申請書をプリントアウトする必要もないため、ペーパーレス化が実現します。印刷にかかる手間を削減でき、紙代やインク代などの節約にもつながるでしょう。

それと同時に、管理の手間やコストも削減できます。大量の書類を保管するとなると、専用のスペースが必要です。しかも、書類ごとにファイリングする必要があるため、人的なコストもかかります。システム化すれば電子データで保管できるため、こうした手間とコストがかかりません。さらに検索機能を用いれば、必要書類をスピーディに取り出せるのです。

多様な働き方に対応しやすくなる

近年では働き方改革の一環として、テレワークを導入する企業が増えています。ワークフローシステムを導入すれば、担当者が出社せずとも手続きを進められるため、従業員の在宅勤務やモバイルワークにも対応できます。

テレワークへ移行したところで、申請や承認手続きのために出社が必要となると、テレワークの意味がありません。システム化すれば手続きをオンラインで行えるため、出社の必要がありません。

多様な働き方の実現を目指している会社こそ、ワークフローシステムの導入が求められます。この機会にぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ワークフローとは、業務における一連の流れや、それを効率化するシステムを指します。ワークフローシステムを導入すれば、手続きがスムーズとなり、意思決定の迅速化も可能です。機能や費用を比較しながら、自社に合ったシステムの導入を検討してみましょう。

特におすすめなのが「Asana」です。世界中の企業が導入しているワークマネージメントツールで、ワークフロー管理にも対応しています。自社に合わせたカスタマイズが可能なうえ、プロジェクト管理やタスク管理にも活用できる優れたソフトです。Asanaでは無料のトライアル期間も設けられているため、実際に試用してから導入するかどうかを検討できます。まずは、機能や操作性を確認してみてはいかがでしょうか。
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