リソース管理は、企業における経営資源を適切に管理することで、プロジェクトを成功させる施策のひとつです。本記事では、リソース管理の意味や注目したい6つのポイント、管理することで得られるメリット、注意点を解説しています。リソース管理に役立ててください。
リソース管理とは
リソース管理とは、企業の経営資源(リソース)を効率よく管理し、企業運営に活かすことを指します。企業が持つ経営資源とは主に「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「ノウハウ」です。これらの経営資源を各プロジェクトに割り当てスケジュール調整などを行うことで、プロジェクトを成功に導けます。
リソース管理で注目すべき6つのポイント
プロジェクトを成功させるためには、リソース管理を適切に行う必要があります。ここでは、リソース管理を行う際に注目すべきポイントである、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「ノウハウ」の6つのリソースについてそれぞれ解説します。
ヒト
重要な経営資源として最初に挙げられるのが人的資源です。リソース管理自体すべて人が行うため、人的資源がないとプロジェクト遂行は不可能です。また、人的資源がしっかり管理されないと、プロジェクトの成功率も低くなります。
具体的には、プロジェクトに参加するメンバーの知識やスキル、経験などを把握し、スケジュール調整などを行います。また自社のスタッフだけでなく、プロジェクトに関わる取引先の担当者、業務の委託先なども含まれます。
モノ
経営資源としての「モノ」は、主に企業が持っている有形物です。パソコンやプリンターなどの備品からオフィスの設備、建物、社用車まで、プロジェクトに必要な物はすべて管理の対象になります。
これらの「モノ」が豊富にある場合、生産性の向上も期待できます。しかし、企業が保有している「モノ」でも、取り扱いにはランニングコストがかかることも考慮しなければなりません。また、新たにリソースを追加する際には、初期費用もかかります。費用対効果を見極めて適切に管理することが重要です。
カネ
プロジェクトを行う際には、資金管理も重要な施策です。人材確保や設備に資金を投じる必要があるほか、何かを製造する場合には原材料の購入にも費用がかかります。
適切に管理されずに資金不足になってしまうと、プロジェクトが滞ってしまい、企業の利益にも大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。プロジェクトに必要な資金について、調達方法の選択、調達先の確保、融資の検討などを適切に行う必要があります。
情報
「モノ」が有形の経営資源であるなら、「情報」は無形の経営資源です。例えば、企業が持つ顧客情報や市場動向に関する統計情報、競合に関する情報、取引先のつながりなどが当てはまります。
これらの情報は、企業にとって大きな利益をもたらす存在であり、適切に管理しなければなりません。情報漏洩防止のためのセキュリティ対策はもちろんのこと、情報を常に最新に保つことや、社内で共有しやすいようシステムを導入するなどの管理が必要です。
時間
リソース管理における「時間」は、プロジェクトを進める上で必要なあらゆる時間の管理が含まれます。メンバーの勤務時間をはじめ、ミーティングや意思決定まで時間や開発からリリースまでの時間などです。
限りある時間の中で生産性を高め、効果を最大限発揮にするには、これらにかかる時間を適切に管理しなければなりません。時間の管理は、まず優先順位を見極め無駄な時間をできるだけ作らないよう、プロセスの流れ全体から考えます。
ノウハウ
リソース管理において、知的財産や業務知識を含む「ノウハウ」の管理も重要です。価値ある知的財産が生まれた場合、「商標権」や「特許権」などの法律により保護することで、開発力や営業力を強化でき大きな利益も期待できます。
一方、知識やスキルなどの業務に関するノウハウを、チームもしくは企業全体で共有するための管理も必要です。蓄積されたノウハウは、埋もれさせることなく適切に管理することで、ひとつのプロジェクトだけにとどまらず企業全体に大きな成果をもたらします。
リソース管理を行うメリット
リソース管理を行うことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。得られるメリットを3つに分けて解説します。
全体像の把握ができる
一番大きなメリットは、プロジェクトの全体像が可視化されることです。それぞれの資源が適切に管理されていることで、どこに何が必要か、何が足りないのかなども可視化されます。
また、想定外のタスクが発生しても、すぐに最適な資源を投入でき、業務効率や生産性を高められます。このように、全体像を把握していることで、人材や設備などを適切に配分でき、計画も立てやすくなるでしょう。
限られたリソースで効果を最大化できる
「ヒト」や「モノ」、「カネ」は限られています。もちろんこれらが豊富にあれば、業務効率や生産性を高めることが可能かもしれません。しかし、リソース管理をすればそれぞれの資源を適切に配分でき、限られた中で効果を最大化できます。
例えば、リソース管理を行っていることで人的資源に余裕ができ、人員不足に陥っているプロジェクトに回すことができます。また、特定のメンバーにタスクが集中してしまっている場合、手が空いているメンバーにタスクを分散するといった対応も可能です。
現実的な目標設定や改善ができる
リソース管理により全体像を把握していることで、実現可能な目標設定や改善ができるようになります。リソース管理を行わずに目標設定をしてしまうと、プロジェクト進行中に人員不足に陥ってしまったり、資金が足りなくなったりなどのトラブルも起こり得ます。管理することで実際の活用可能な資源が明確になり、プロジェクトがいつまでにどのくらい完了できるかなどの見通しが立てやすくなるでしょう。
また、改善にも役立ちます。今後同じようなプロジェクトが発生したときには、これまでのノウハウを活かし、さらに精度の高いリソース管理が実現可能になります。
リソース管理を行う際の注意点
行うことで多くのメリットが得られるリソース管理ですが、注意しておきたいポイントがあります。ここでは、リソース管理を行う際の2つの注意点を解説します。
パーソナリティを意識する
人的資源を管理する際には、パーソナリティを意識しながら管理しましょう。メンバーは一人ひとり知識の量やスキルが多少なりとも異なります。ただ人数だけに着目してタスクを割り振っていても、メンバーそれぞれが良い仕事ぶりを発揮できるとは限りません。
一人ひとりのスキルに応じた割り振りを行えば、プロジェクトも効率的に進行できます。そのためには、メンバーを理解し、パーソナリティを意識した管理を行うことが重要です。
優先順位をつける
プロジェクトに投入する資源には限りがあり、優先順位を付けて配分することが大切です。また、その際には優先順位を付ける基準を明確にしておくと良いでしょう。
基準を設ける場合、主に利益の高さや完了しなければいけない順番などを目安にします。このことで、プロジェクトにおける効果的なリソース管理がスムーズに行えます。
まとめ
リソース管理とは、企業の経営資源(リソース)である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「ノウハウ」を効率よく管理することです。
リソース管理を行うことで、プロジェクトの全体が把握でき、限りある資源で最大の効果を発揮できます。また、実現可能な目標設定や改善もでき、パーソナリティや優先順位を意識して管理することで、生産性向上や業務効率により高い効果を得られます。
ワークマネージメントツールであるAsanaは、プロジェクトチームにおける業務の調整・管理が行える一元化ツールです。計画からプロセスまでをプロジェクトの関係者全員で共有でき、GmailやMicrosoft Teams、Slackなどとの連携も可能です。タスク管理や案件のタイムラインの確認、カレンダー機能などの便利な機能も備えており、プロジェクトにおけるリソース管理に役立つでしょう。
(参照:https://asana.com/ja)
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