商談管理がうまくできていないと、営業活動の改善は難しく、成約率の向上も見込めません。さらに、営業活動を振り返る方法や重要な管理項目がわからなければ、成約にいたることも難しくなります。本記事では、商談管理の重要性から具体的な管理するべき項目、商談管理の代表的な方法まで紹介するので参考にしてください。
商談管理の重要性とは?
商談管理は、顧客へのアプローチや状況を把握し直すために必要なものです。商談内容を記録として残せば、次回以降の営業で似たような場面に遭遇した際、同じような対応をとることで問題解決を図れます。このように、商談管理は営業活動を効率良く行い、売上の向上につなげるためのツールとして活用する重要なものなのです。
商談管理の意味
商談の進捗状況を記録・管理しつつ、のちの商談に活かすことに目的を置く商談管理は、営業活動を行うために重要なものです。顧客への効果的なアプローチを考えたり、時間が空いた商談の状況を思い出したりするのに商談管理が役立ちます。商談管理をうまく活用することで効率良く営業活動が行えるほか、商談ごとにどの段階にあるのか、どのような状況なのかを記録しておくことで、以降の商談で活用しやすくなります。
また、成約に結びつきそうかどうかなど、営業担当者の肌感覚を第三者へ伝えるために、数値化しておくことも重要です。データは引き継ぎや戦略の立案においても役立てられます。
商談の知見を蓄積するために商談管理は重要
商談で得られた知見は、次回からの商談で成果を出すためのアイテムとなります。商談においては結果にばかり目がいきがちですが、そのプロセスを見返して、成約可否の理由を考えることで、成約率を高められます。商談のプロセスを可視化する商談管理は、企業の売上向上につながります。
具体的に管理するもの
商談管理を行う際に管理するべき項目は、次の5つです。
- 流入チャネル
- 商談・案件の担当者
- 商談・案件の進捗状況
- 受注予定日や受注確率
- 売上額の予想
顧客がどこから商品やサービスへ辿り着いたかを示す流入チャネルは、顧客のニーズを把握したり、費用対効果を高めたりするのに必要な項目です。また、担当者を記録しておくことで、責任が明確になり、顧客を放置することを防げます。
進捗状況は、第三者の状況把握や引き継ぎに必要な情報です。受注予定日や受注確率、売上額の予想は、営業活動のスケジューリングや戦略立案に役立ちます。
流入チャネル
管理項目として、流入チャネルを把握することで、顧客に効果的なアプローチを行ったり、顧客理解を深められたりします。流入の多いチャネルへの資金配分を増やすことで、費用対効果も高められます。
どのようなチャネルから流入したのかによっても、顧客が抱える悩みや課題、欲求はまちまちです。顧客を理解する材料としても流入チャネルを活用できます。顧客のニーズを掴むためにも、流入チャネルの管理は効果的です。
商談・案件の担当者
商談および案件の担当者を記録することで、担当者不明となることがなくなり、責任を明確にできます。商談や案件への対応が忘れられることを防げるので、顧客からの信用を落とさずに済みます。また、見込み客に対してのアプローチも漏れなく行えるので、機会損失の防止にも有効です。
商談・案件の進捗状況
商談および案件の進捗状況の記録は、進捗管理の要となるものです。これを記録することで、担当者だけでなく、第三者が見ても現在どのような状況にあるのかをすぐに理解できるので、アドバイスをしやすくなったり、進捗の遅れを指摘できたりします。進捗を把握することで、受注の見込みが立ちやすく、売上予想が立てやすくなるのもメリットです。
受注予定日や受注確率
受注予定日や受注確率を記録すると、同じような案件に対応する際、受注日や受注できる確率を予想できます。ある程度の予想が立てられると、受注に向けたスケジュールを組みやすくなったり、売上の計算がしやすくなったりするので、逆算した行動が可能です。目標達成が可能かどうかの指針としても活用でき、営業ペースや施策の見直しにも活用できます。
売上額の予想
売上額の予想も商談管理に必要な記録です。実際の売上との差額を把握することで、今後の見積もりについての正確性が増します。経営陣は売上額の予想を基にして戦略を立案するため、売上額の予想をできるだけ正確に立てられると、戦略の修正も少なく済みます。
代表的な商談管理方法
商談管理に用いる代表的なツールには、Excelや、ツール・システムであるSFA(Sales Force Automation)があります。Excelは導入コストが低く、手軽に利用可能なツールです。
一方、SFAは一定の導入コストがかかることや、使い慣れるまでに時間のかかることがデメリットであるものの、Excelに比べて多機能で、様々な営業支援ができます。効率良く情報の共有や営業活動の可視化を図りたいなら後者がおすすめです。
Excelを使った商談管理方法
商談管理を行う際、もっとも身近なツールとして、Excelが利用できます。Excelで商談管理表のフォーマットを作成して運用しますが、フォーマット作成の際に、前項に挙げた必要項目に加えて、自社で記録したい項目を盛り込むと、独自のデータ収集が可能です。さらに、担当者や第三者が必要だと感じたことをメモする欄を設けておけば、営業活動のヒントとしても活用できます。
Excelを商談管理のツールとして利用するメリットは、低コストや扱いやすさといった導入ハードルの低さです。一方で、記入項目の抜け漏れや、二重入力、情報共有のタイムラグ、集計に時間や手間がかかることなど、デメリットもいくつかあります。
ツール・システム(SFA)を使った商談管理方法
Excelよりも有用な商談管理ツールに、営業支援システムであるSFA(Sales Force Automation)があります。商談管理に特化したSFAは、顧客や案件、商談、進捗、プロセスの管理ができ、さらに売上予想や実績の管理も可能です。
レポートを自動で作成する機能がついたツールもあり、集計作業の負担を軽減できるとともに、見やすくまとめることで営業活動の基準化など改善もしやすくなります。必要な情報を入力することで、営業活動の可視化と共有を効率良く行えます。
このように、メリットの多いSFAですが、入力作業の手間がかかることや導入コストの発生、使い慣れるまでに時間を要することがデメリットです。
まとめ
商談管理は、営業活動の把握や今後の商談への活用、引き継ぎなどへ利用することを目的としています。管理項目として、流入チャネルから担当者、進捗状況、受注予定日、受注確率、売上額の予想が挙げられ、これらを記録することで、顧客ニーズの把握や売上目標の達成見込み、営業活動のスケジューリング、戦略立案など、様々なことへの活用が可能です。
多くのメリットが得られる商談管理には、Excelを用いることも可能ではあるものの、効率よく精度の高い管理を行いたいなら、営業支援ツールであるSFAの利用がおすすめです。SFAツールは、タスクおよびプロジェクト管理ができるツールであるAsanaとの連携もできます。
SFAとAsanaを連携することによって、営業活動を含めたタスクおよびプロジェクトの一元管理ができるようになり、事業計画が立てやすくなります。SFAツールの導入を考えている企業は、Asanaの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
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