プロジェクトにおける課題管理とは?その方法やポイントなどについても解説

 2022.01.17  2022.09.05

プロジェクトを進行するうえで、「課題管理」という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。課題管理を適切に行うことは、プロジェクトの改善や淀みない進行につながります。そこで本記事では、課題管理の方法を運用するポイントを踏まえて解説します。課題管理表を作成する際の留意点も併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

プロジェクトにおける課題管理とは?その方法やポイントなどについても解説

課題管理とは

「課題管理」とは、プロジェクトの進行過程で発生した問題を把握し、解決していくための手段を指します。課題の解決にあたり、それが発生した背景をまず理解する必要があります。そして、解決期限や解決手段を決め、解決結果を把握したうえで必要に応じてPDCAを回していくことになります。これらを効率的に行うためには、メンバー間の連携や、きちんと現状を把握しコントロールしていく仕組みが必要です。

また通常、課題は複数発生してくるので、管理体制を整えておかないと抜け漏れが出る可能性もあります。プロジェクトを進行するうえでは、課題の発生は想定されることなので、いかにスムーズに解決していけるかを考えることが重要です。

なお、課題管理と似たような言葉に「リスク管理」がありますが、これは意味が異なります。「リスク」とは、プロジェクトを進行するうえで起こり得る潜在的なものをいいます。リスクを避けたり、影響を軽減したりする方法を考えることがリスク管理です。対して課題では、すでに起きた事象をどのように軌道修正し、本来の進行に戻すかを考えます。

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課題管理を実施する方法

課題管理は、プロジェクトをスムーズに進めるうえで重要な要素といえます。では実際、どのように課題管理を行えばよいのでしょうか。以下では、課題管理を実施する方法について見ていきましょう。

課題管理表を作成する

課題管理を行うにあたり、まず課題を明確にし、メンバーと共有することが大切です。そして、共有する手段として「課題管理表」を作ることが効果的です。

しかし、課題管理表が個人や複数のグループの中で散在すると、作業が重複したり的外れになったりする可能性が生まれるためあまり意味がありません。メンバー全員で同じ表を共有して、皆で課題を起案したり更新したりできることが、効果的に課題の解決につなげられるのです。

課題管理を支援するツールを利用する

課題管理表を全員で共有し、改善を効率的に行うためには、課題管理を支援するツールの利用が効果的です。Excelやスプレッドシートを活用する方法もありますが、どちらも課題管理に特化して作られてはいないため、場合によっては使いにくく感じることもあるかもしれません。更新に時間がかかったり、使いやすいフォーマットをなかなか作れなかったりすると、うまく仕組みが定着しない可能性もあります。

一方、課題管理支援ツールは管理表の作成をはじめ、管理に必要な機能を幅広く搭載しています。たとえば、プロジェクトの進捗管理やメンバー間のチャット機能、期限のリマインダー機能などがあるものを選べば、課題管理だけでなくプロジェクトの進行全体に必要なツールを一元管理できます。課題管理方法を新たに導入するならば、プロジェクト管理ツールの利用を検討するとよいでしょう。

課題管理において押さえておきたいポイント

課題管理を行ううえで、2点押さえておきたいポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

対応についても確認する

そもそも課題管理を行う目的は、課題を解決してプロジェクト成功につなげることにあります。そのため、課題管理表を作って単に記録するだけに終始しないよう、課題に対してどのように対応するのかを明確にしたうえで、解決を図ることが重要です。

対応が決まれば、課題を1人もしくは少数の担当者で対応できるようなサイズまで分割するのが効果的です。担当者がはっきりとすれば、責任の所在が明らかになり、連携も取りやすくなります。加えて、対応が後手に回らないように期限も設定しておきましょう。

完了の条件を定める

把握した課題には、それぞれ「未着手」「進行中」「完了」といった具合にステータスを付けていきますが、このうち「完了」の条件を明確化しておくことが重要です。ここをしっかり定義しておかないと課題解決の度合いが統一されません。課題の種類によってはどこまで手を付ければよいかもわからなくなるため、仕上がりが不十分になったり曖昧になったりする可能性があります。

完了の条件は、なるべく具体的なものにするのが望ましいでしょう。たとえば、「サンプルを集める」という課題であれば、「◯個以上のサンプルを集める」といった具合に定量的な条件を設定することで、対応の目途も立てやすくなります。

課題管理表を作成する上での留意点

最後に、課題管理表の作成における留意点について解説します。以下の3点を押さえておくことで、質の高い表作成が可能となり、より効果的に課題管理を行えます。

必要項目を押さえる

まず、課題管理表の運用に効果的な項目を押さえておく必要があります。大まかにいうと、以下の項目が挙げられます。

  • 課題のタイトル
    課題の要点が一目でわかるよう、簡潔なタイトルを付けます。課題の下に小課題を作成することもあるため、その参考になるようなタイトルにするのが望ましいでしょう。
  • 課題の詳細
    課題の内容を記載します。進行中に立ち返って確認する場合もあるので、誰が読んでもわかりやすい形に記載しましょう。
  • 対応期限
    期限を設定しておくことで、課題が未消化のまま放置されるのを防止できます。期限を設定しにくいものでも、「1週間程度」といった具合に目安を決めておくことが大切です。
  • 対応方法
    課題に対し、どのように向き合うかを具体的に記載しておくことで、スムーズな対応が可能となり、課題の早期解決につながります。
  • 担当者
    課題の対応にあたる人物を記載します。部署名やチーム名ではなく、具体的な個人名で記載することが望ましいです。
  • ステータス
    優先度や現状などを把握するために必要です。

なお、上記で挙げたものはあくまで一例に過ぎません。自社のプロジェクトに必要な項目を考えることで、使い勝手がよく抜け漏れのない課題管理表を作成できます。

優先度を考慮する

課題の中には、プロジェクトの進行次第では速やかに対応しないと支障をきたすものがあります。一方で、すぐに取り掛かる必要はなく後回しにしてよいものなども混在します。優先度を見極め、上手に区別できる仕組みが必要です。

課題管理表を作る際は、重要な課題は手前や上部に表示するなど、優先度を考慮した工夫をするとよいでしょう。そうすることで、優先度を見誤り不急の課題から消化してしまい、プロジェクトの進行を遅らせるリスクを低減できます。

更新を続ける

課題は一度だけでなく、プロジェクト内で繰り返し発生するものです。そのため、課題管理表を都度更新させていく必要があります。管理をうまく機能させていくには、課題管理表の更新とその共有を習慣化することが大切です。

たとえば、1日1回のミーティングで確認するように決めるなど、チェックする場面を指定するのもよいでしょう。課題が出たら登録し、着手したらステータスを変更するといった、課題管理表を常に最新の状態に保つ工夫も重要です。

そのような観点でいえば、課題管理表の入力項目をあまり細かく設定するのは避けるべきです。詳しい記録を残しておくことは大切ですが、入力が煩雑すぎて定着しないと意味がありません。あくまでも課題管理表は課題の把握・共有に使うものであるため、メンバーが入力を億劫に感じないよう、入力項目に無駄がないか精査することを心がけましょう。

まとめ

適切な課題管理を行うことで、プロジェクトを効率的に改善できます。課題管理では、プロジェクトのメンバーが足並みを揃えることが重要ですが、そのためには運用しやすい仕組みづくりが欠かせません。そこでおすすめなのが、課題管理表をメンバーで共有・更新していく方法です。

課題管理表の作成において重要となるのが、ツール選びです。ワークマネジメントツール「Asana」は、課題の優先度が一目でわかるリストビュー機能や、ZoomやGmailをはじめとした既存ツールとの連携機能を搭載しています。これにより、プロジェクト進行に必要な機能を網羅しながら、導入後はシンプルな運用を実現できます。課題管理体制を整えるためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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