ビジネスシーンにおいて、「アクションアイテム」というワードを耳にするものの、すでに実施している「TODOリスト」との違いがよくわからないという方もいることでしょう。そこで本記事では、プロジェクトマネージャーなどの管理職の方に向けて、両者の違いやアクションアイテムの管理方法について解説します。効率的なタスク管理にぜひお役立てください。
アクションアイテムとは端的に言うと「タスク」のこと
「アクションアイテム(Action Item)」は「AI」とも略され、端的にいうとタスク管理のひとつです。多くの場合、組織内の大規模なビジネスプロジェクトに付随して使われ、プロジェクトの目標達成に必要となる一つひとつのステップを指します。
ビジネスシーンでは、タスクのことを「TODO」と呼ぶ場合も多くありますが、アクションアイテムはTODOとは若干異なるニュアンスを含みます。詳しくは後述しますが、企業経営に直結する規模レベルで、多くの関係者が存在するプロジェクトのタスク管理においては、アクションアイテムという表現を用いるほうが適切でしょう。
アクションアイテムとTODOの違い
アクションアイテムとTODOは、ビジネスシーンにおいてほぼ同じ意味で使われることも少なくありません。意識して区別したり、言い換えたりしない場合も多いでしょう。しかし実際、両者はニュアンスがやや異なるため、タスク管理において明確に使い分けができると便利です。
具体的には、アクションアイテムとは「自分も含めたチームメンバーのタスク」であり、TODOは「自分のやるべきこと」というように、他メンバーを含むか含まないかという点で異なります。プロジェクトマネージャーとしてチームを率いる立場にある人は、自分以外のチームメンバーのタスクを「アクションアイテム」として管理していく必要があるといえます。
このほか、ミーティングで合意した実施事項についても、関係者が多く存在する以上、TODOではなくアクションアイテムと呼ぶほうが適切です。一方、通常業務において自分のタスク管理をする場合は、「TODO」管理となります。
アクションアイテムを管理するポイント3つ
アクションアイテムは、担当者にアサインして終わりではなく、着実に実行してもらう必要があります。ここでは、アクションアイテムを管理する3つのポイントについて解説します。
ポイント①:ベースはTODOリストと同じ
アクションアイテムの管理方法は、基本的にはTODOリスト管理の考え方と同じです。具体的には、「タスクの洗い出し」→「期限設定」→「優先順位づけ」→「ジャンル分け」という4つのステップに分けて進めていきます。
タスクの洗い出しとは、プロジェクトの目標達成までに必要な一つひとつのタスクをすべて書き出し、リスト化することです。リスト化することにより、関係者全員でプロジェクトの全体像を共有できます。タスクの「具体性」「成果の定量化・可視化」「難易度」を意識してリストに落とし込んでいくのが、進捗管理や遂行を可能にするコツです。営業部門でのリスト化を例に挙げると、「見積書発行」といった漠然とした書き方ではなく、「A社への見積書発行」というように、対象・成果物・完了期限が明確になる形で管理します。
洗い出しが終わったら、期限設定や優先順位づけを行います。後続タスクがある場合はそこから逆算し、チームメンバーのスケジュールも確認して、無理のない納期にしましょう。優先順位については、タスクの重要度と緊急度の2軸で決めていきます。当然、もっとも優先度が高いのは、重要かつ緊急性の高いタスクです。タスクの数が多い場合は、ジャンルごとに分けて体系的に整理するとわかりやすくなります。チーム別やクライアント別など、まとめ方はさまざまですが、自分が直感的に理解でき、かつ管理しやすいフォーマットにするのがポイントです。
ポイント②:「管理者/担当者」の項目を設ける
リストが完成したら、「誰がそのタスクを処理するか」を明確にするために、「管理者/担当者」の項目を設けます。
管理者/担当者を明確にすることには、「責任の所在を明らかにする」「チーム内の業務負荷のバランスを取る」という2つの目的があります。プロジェクトのタスク管理においては、タスクごとに実務を担うチームメンバーをアサインし、プロジェクトメンバーがそのすべてを管理するのが一般的です。
プロジェクトマネージャーは、全メンバーのアクションアイテムをタスク管理していくことになります。チーム会議などで定期的に進捗確認を行い、遅延しているタスクがあれば課題を把握し、適切な支援を行っていく必要があります。「問題が大きくならないうちにタスクに増員する」「納期を見直す」などの調整を図り、全体への影響を最小限に抑えることがプロジェクトマネージャーの重要な役割です。
ポイント③:他メンバーとリアルタイムで共有できるプラットフォームを準備する
TODOリストと異なり、アクションアイテムについては、他メンバーとタスクを共有する必要性が高いといえます。そのため、リアルタイムで情報共有できるプラットフォームを活用し、そしてその環境を整えることが大事です。
たとえば、社内にファイルサーバーがあれば、Excelのリストを全員で共有するという方法もあります。しかし、Excel管理の場合は最新情報に都度書き換える必要があり、さらに社内のファイルサーバーにアクセスできる場所も限られます。
もっとも効率的なのは、時間や場所の制限なしにリアルタイムで共有できる、クラウドサービスを利用することです。特にワークマネジメントツール「Asana」は、チームのタスク管理を得意としているためおすすめです。チームの業務をAsana内で一元管理でき、個々のタスクからプロジェクトの全体像まで可視化できるため、チーム内の協力関係が強化されます。メンバー間の関係が希薄化しがちなテレワーク下でも、チームの連携を維持しやすいでしょう。
アクションアイテムを管理するメリット2つ
最後に、アクションアイテムを管理する主なメリットを2つご紹介します。
メリット①:チーム全体の進捗状況を一元管理できる
アクションアイテムを洗い出し、一元管理していくことで、チーム全体の進捗状況を可視化できます。複数のメンバーが関わるプロジェクトを円滑に遂行するうえでは、「チーム内の負荷の標準化」「課題に対する速やかな軌道修正」が肝心です。チーム全体の進捗状況を一元管理できれば、各メンバーの現在の業務負荷を正しく把握でき、課題や遅れのあるタスクをフォローしやすい環境が整います。全体最適な視点での指示となるため、判断の公平性や妥当性も担保されるでしょう。
メリット②:チームリーダの管理負荷が軽減される
プロジェクトマネージャーのように、チームメンバーの業務を支援する立場にある管理職の業務負荷も軽減されます。各メンバーにタスクを管理させると、ムダやムラも発生し、結果的に事実確認にも手間がかかります。
その点、アクションアイテムリストで全メンバーのタスクを管理すれば、原則1つのリストですべての状況をリアルタイムに把握できます。同時に起きていることを直感的に理解できるうえ、フォーマットを統一することで情報の抜け漏れも減らせるでしょう。チームメンバーから報連相を受ける際も、前提となる状況が頭に入っていれば、経緯の説明を省き本題から始められるためスムーズです。
まとめ
チーム内のタスクをアクションアイテムとして管理していくことで、業務遂行の効率化が図れます。ワークマネジメントツール「Asana」を活用すれば、チーム内の仕事を1つのプラットフォームにまとめられます。さらに「リストビュー」「タイムラインビュー」「ボードビュー」など、ニーズに合う切り口で情報を並び替えることも可能です。チーム内のアクションアイテムをスマートに整理し、生産性を向上させるためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
- カテゴリ:
- プロジェクト管理