Web制作会社LIG、業務効率やチーム間の連携を「Asana」で向上
タスク管理から業務の自動化、チームの連携にAsanaのワークマネジメントが寄与

 2022.07.22  2023.03.30

「本記事はDIGITAL X掲載記事の転載です」

Web制作会社のLIGは、Webサイトやオウンドメディアなどの制作・運営を社内一貫体制で手がけている。そのため、制作チームのタスク管理やプロジェクト管理を重視している。ただ事業拡大に伴いこれまでの管理ツールでは課題も増えてきた。そこでSaaS(Software as a Service)型のワークマネジメントプラットフォーム「Asana(アサナ)」への移行を決めた。Asana導入でLIGの制作現場は、どう変化したのだろうか。

■企業情報

株式会社LIG

株式会社LIG

https://liginc.co.jp/

■従業員数

230人

■導入効果
  • 業務の70%をAsana上へ移行
  • テンプレート機能の活用により作業のヌケ/モレを軽減
  • チームのリソースを可視化しチームワークを強化

「Life is Good」を理念に2007年に創業したWeb制作会社のLIG。オウンドメディアの先駆者として知られる。Web制作ではメディアサイト、キャンペーンサイト、プロダクトサイトなど幅広く手がけている。

“一気通貫”のサービスだからこそ感じる社内連携の難しさ

今では、自社メディア『LIGブログ』の展開やコンテンツ制作、ライティング活動に加え、オフショア開発やコワーキングスペース/ゲストハウスの運営、教育事業やアート事業など、Web制作の枠を超えた、さまざまな事業も展開する。

「社員のLifeがGoodになるのなら何でもやるのが基本方針です。きちんと収益を上げることが前提ですが、結果として多くの事業を手掛けるようになりました。お客様や取引先のLifeがGoodになることにもつながっています」とWeb事業部マネージャーの山下和彦氏は説明する(写真1)。

写真1:LIG Web事業部マネージャーの山下 和彦 氏写真1:LIG Web事業部マネージャーの山下 和彦 氏

LIGの社員数は2020年3月末時点で総勢230人。東京・上野の本社のほか、長野・野尻湖、フィリピン・セブ島などに拠点を構える。Web事業部は国内に約60人、オフショア開発拠点のセブを含めると150人という陣容だ。

Web制作会社としては大所帯なのは、企画から設計、デザイン、システムの開発・運用までを「一気通貫に社内リソースで対応できることが大きな強み」(山下氏)になっているため。それだけに、社内でのタスクやプロジェクトの管理は長年の懸案事項だったという。

「複数のプロジェクト管理ツールを試行錯誤してきたため、タスクの一元管理ができていませんでした。各人の作業状況を即時に把握できておらず、その都度マネージャーやチームリーダー、担当ディレクターなどに確認する必要があり、調整に時間がかかっていました」と山下氏は語る。

こうしたタスク管理やプロジェクト管理にまつわる課題を解消しようとLIGが採用したのがSaaS(Software as a Service)型ワークマネジメントプラットフォームの「Asana」だ。

ワークマネジメントとは、さまざまな調整・管理業務を一元的に管理することでチーム全体の効率を高めるための考え方や仕組み。具体的には「タスクを整理する」「進捗を報告する」、そのために「たくさんのメールの中から必要な情報を探す」「添付ファイルを整理する」などチームにとって不可欠だが間接的な作業のムダやストレスを排除することで、チームの生産性や創造性につなげる。

Asanaは、このワークマネジメントの実現に必要な機能を1画面で完結可能にするソフトウェアプラットフォームである。現在のLIGは、Asanaを業務に関わる全シーンで活用している。Web制作のプロジェクト管理はもとより、イベント管理、提案案件のタスク管理、リソース管理、さらには外部パートナーからの請求書管理など、その対象は広がる一方だ。

営業商談管理テンプレート
Asana Step by Stepガイド

テンプレート機能を活用し業務のヌケ/モレを防止

Asanaについて山下氏は、「日常業務を落とし込みやすいツールです。Web制作における工程漏れの防止や、各人の作業環境や条件の統一も容易です。特に重宝しているのがテンプレート機能です。複数のタスクをテンプレートに登録しておけば、タスクを一覧できヌケやモレなく作業が実施できます」と語る。

たとえば、特定のプロジェクトを立ち上げるときは、Asanaからプロジェクト立ち上げのテンプレートを呼び出すことで、作業の効率化やミスの防止を図る。そのテンプレートには「Asanaのプロジェクト名をルールに合わせる」「プロジェクト概要(Wiki)- READMEを書いていく」「スタンド・アップミーティングを設定する」「Asana上でスケジュールを引く」「Googleドライブにプロジェクト用のディレクトリを作成する」などのタスクを登録してある。失念しがちな工程が一覧でき、ミスのない作業が可能になるわけだ(写真2)。

写真2:Asanaのテンプレート機能で忘れがちな作業もヌケモレなく管理できる写真2:Asanaのテンプレート機能で忘れがちな作業もヌケモレなく管理できる

テンプレート機能は、新入社員が最初にしなければならないシステム利用環境の設定にも利用している。システム環境用のテンプレートを新入社員に渡し、タスクリストにそって設定を進めてもらえば、特別に説明しなくても環境設定ができる(写真3)。

写真3:LIGでは新入社員が入ってきた時に渡す「環境調整テンプレート」も用意している写真3:LIGでは新入社員が入ってきた時に渡す「環境調整テンプレート」も用意している

他にもWEB経由の問い合わせをボードにし、アサインする社員を決めて、案件化すればテンプレートからプロジェクト作成など、業務の自動化にも役立てている。

LIGにおけるAsana活用の状況についてWeb事業部ディレクターの小松智樹氏は、「すでに当社Web制作業務の70%程度はAsanaで管理できると考えています。Asanaで管理していないのは、請求書や契約書などの文書周りのみ。検討時には気付かなかったチームワーク作りのための機能が多く、新たな発見もあります」と話す(写真4)。

写真4:LIG Web事業部ディレクターの小松 智樹 氏写真4:LIG Web事業部ディレクターの小松 智樹 氏

営業などエンジニア以外のメンバーの使い勝手が鍵に

LIGが、タスクやプロジェクトを管理するために社内統一ツールの導入を模索し始めたのは2016年から。Web事業の案件が拡大するなか、独自のオフショア開発事業をスタートするタイミングも重なり、社内チームのコミュニケーションが課題になり始めていた。

「それまではチャットツールのタスク管理機能とスプレッドシートでタスクを管理するというスタイルでした。ただ、日々の案件が増えてくると、情報があちこちに分かれたり、記憶に頼った管理になってしまったりしていました。結果、決められた期日までに案件をこなすのが難しくなったり、必要な作業をうっかり忘れてしまいそうになったりするケースが増えていたのです」(山下氏)

そこで最初に採用したのが、OSS(オープンソースソフトウェア)のプロジェクト管理ツール「Redmine(レッドマイン)」。案件や納期の可視化はできるようになったものの、今度はUI(ユーザーインタフェース)の使いづらさやメンテナンス性が課題になってきた。当時、Redmineの社内運用にも関わっていた小松氏はこう話す。

「Redmineは多くの社員が積極的に使うツールにはなっていませんでした。エンジニア向けに設計されているためUIに対しても、ディレクターやデザイナー、営業といったエンジニアでない人のなかには苦手意識を持つ人が多かったからです。チャットツールもSlackやChatworkを併用していたため、チャットで依頼して別のチャット上でタスクを管理するなど複雑でした。メンテナンスも属人化し、私自身が忙しくなったことで手がまわらなくなるケースが増えていたのです」

そこで「タスクの一元管理」「各メンバーのリソースの可視化」「Redmineの運用属人化からの脱却」を目的に新たなプロジェクト管理ツールへの切り替えを検討。その過程で出会ったのがAsanaだった。

社内エバンジェリストが積極的に導入を推進

2018年に切り替えの検討を開始し、2019年4月からAsanaの導入を始めた。複数製品の比較もしたが、決め手になったのは「UIの使いやすさ」と「価格」だったという。特にUIについては、営業やマーケターなどWeb制作チーム以外のスタッフにも簡単に使える点を高く評価した。

「まずWeb事業部からスモールスタートし、徐々に他の事業部に広げていきました。その過程では『使い方がわからない』といった相談や『使いにくい』という不満も出ず、スムーズに導入できました。RedmineのUIと比べれば、AsanaのUIは、よりコミュニケーションやコラボレーションを意識していると感じます」(山下氏)

全社導入時には、プロジェクトの立ち上げ方法などに決まりがなかったこともあり、さまざまな使い方が乱立した時期もあった。そのため、社内にエバンジェリストを置き、彼らを中心に統一ルールを作成し、全社共通スタイルとして運用できるようにしていった。

社内エバンジェリストに就いたのは、小松氏を含めた4名程度。山下氏は「社内エバンジェリストの社員が積極的に動いてくれたことが導入成功の要因です」と話す。

エバンジェリストとなった小松氏が、特に使いやすい機能として挙げるのが、1つのタスクを複数のプロジェクトでまたいで登録できる機能である。「プロジェクトが並行して進行していると、同じタスクを別のプロジェクトで利用することがあります。それぞれ別に登録する必要がなく効率が高まります」(小松氏)

社外とのタスクの共有機能も有効という。たとえば、Web制作時に画像など素材の提供を依頼する場合にタスクを顧客と共有する。小松氏は「お客様と共有するプロジェクトと、社内のみのプロジェクトにまたがって1つのタスクとしてお客様への依頼を作成できます。自由度が高く、さまざまな応用が可能です」と話す。

Asanaは社内で使っているSlackやG Suiteと連携させている。Slackからタスクやコメントを登録したり、タスクのステータスが変更されれば通知を受け取ったりもできる。エンジニアのなかには、「Asanaのタスクと、時間管理ツールの『Toggl(トグル)』を使ってどのタスクにどのくらい時間をかけたのかを計測しているケースもあります」(小松氏)

個人の悩みも可視化され、すぐに声をかける文化ができた

全社展開から1年あまりたち、LIGではテンプレート機能などを使って、作業の効率化や、工程忘れ、設定ミスの防止などで成果を上げている。

「大きな成果は、作業工数が可視化できたことです。たとえば、見積もりでも、これまでは『経験的にこのくらいかかるから工数はこのくらい、価格はこのくらい』といった形で計算していたのですが、Asanaを導入してからは、実際にどのくらい時間をかけているかがそれまでより簡単に可視化できるため、感覚的だった工数が数値で把握できるようになりました。可視化によって、メンバーに渡したつもりのタスクが、そのまま放置されることもなくなりました。ディレクターとしての仕事に集中できています」(小松氏)

LIGでは今後もAsanaの活用をさらに進めたい考えだ。エバンジェリストを中心に社内での啓蒙活動を続け、会議での議事録などの共有や、新入社員に向けたロールプレイングできるテンプレートの構築など、社内ワークフローへも活用を広げていきたいとする。

さらに山下氏は、Asana導入の最大の成果として「チームワークの強化」を挙げる。

タスクを見ることでメンバーの作業を把握しやすくなりました。これまでは、『ある案件で苦労しているな』と感じても、どの程度大変なのかがわからず、声をかけにくいということがありました。今は、タスクを見れば何でつまずいているかが分かるので、『これはやばい』となれば、すぐに声をかけチームとして助けられるようなりました。マネージャーとしてはもちろんですが、こうした行動をみんなが取れる文化ができつつあります」と、新たなチームワークに自信を見せる。

LIGでは今後、Asanaをプロジェクト管理ツールとしてだけでなく、社内外のコミュニケーション/コラボレーションを加速させるツールとして活用し、さらなる「Life is Good」の実現を目指す(写真5)。

写真5:LIGのチームワーク強化を牽引する Web事業部の山下 和彦マネージャー(右)と小松 智樹ディレクター写真5:LIGのチームワーク強化を牽引する Web事業部の山下 和彦マネージャー(右)と小松 智樹ディレクター

出典元:Web制作会社LIG、業務効率やチーム間の連携を「Asana」で向上〔PR〕 - DIGITAL X(デジタルクロス)

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