現在、Web会議ツールと総称されるアプリはZoomやMicrosoft Teamsなど多数あります。本記事では多くのシェアを持つ二つのアプリを、機能や特徴から解説していきます。
それぞれのツールを導入するメリットや無料版と有料版の違い、両アプリを連携する方法についても紹介します。Web会議ツールの導入で悩んでいる方は参考にしてください。
Zoomとは
Zoomは国内外問わず全世界で利用されている人気のWeb会議ツールです。
対応するOSはWindows、Mac、Android、iOSなど数多く、パソコン、スマートフォン、タブレットといった幅広い環境で使えます。モバイル端末を利用すれば、場所を選ばず通話や会議に参加可能です。
Web会議に対応したアプリ全般に共通する機能として、オンラインミーティング、レコーディング、画面シェアを備えています。
Zoomが持つ特徴としては、自動的に参加者の顔を認識して背景を切り抜き、別の画像を背景として設定できる「バーチャル背景」や、会議メンバーをグループ分けできる「ブレークアウトルーム機能」、意見を集計する「多数決機能」などがあります。
Microsoft Teamsとは
Microsoft Teamsは、Microsoft社が提供するビジネス向けのコラボレーションプラットフォームです。
Web会議以外にもビジネスチャット、ファイル共有などさまざまな機能を利用でき、Web会議ツールという以上に、業務を円滑に進めるための機能を総合したツールと捉えるのが正確でしょう。
Zoom同様にWindowsはもちろんMacやiOSにも対応し、外出先からでもTeamsにアクセスできます。
Web会議ツールの基本的な機能にくわえ、Teamsは強力な連携機能が特徴です。ExcelやPowerPointなどMicrosoft 365アプリの共同作業機能を使えば、通話しながら遠地にいる複数の人と共同で資料を閲覧・編集できます。
通話以外にもビジネスチャット機能が充実していて、30以上の言語翻訳に対応可能なので、海外拠点の社員とのコミュニケーションにも役立ちます。
チャットに保存された過去のメッセージを検索して参照できるなど、必要な情報をオンラインで共有し、アクセスする機能に優れています。
ZoomとMicrosoft Teamsとの違いをわかりやすく解説
ビデオ会議に用いる場合、いずれも機能面で共通する部分はありますが、時間制限や参加可能な最大人数が異なるなど、さまざまな点に違いがあります。
無料版で特に異なるのは「時間制限」と「録画機能」
無料版のZoomとMicrosoft Teamsを比較して、機能の違いを確認してみましょう。
無料版Zoomが対応する機能
- Web会議(参加者3名以上で最大40分、1対1は無制限)
- 会議に同時接続できる人数は上限100人
- ゲストの招待
- チャット
- ファイルの送受信
- 画面シェア
- 背景カスタム
- 録画のローカル保存
- リモート操作
- 外部ツール連携
無料版Microsoft Teamsが対応する機能
- Web会議(人数にかかわらず最大60分)
- 会議に同時接続できる人数は上限100人
- ゲストの招待
- チャット
- ファイル送受信
- 画面シェア
- 背景カスタム
- チーム全体でクラウドのファイルストレージ容量5GB利用可能
- リモート操作
- 外部ツール連携
両サービスとも無料で数多くの機能に対応していますが、主に会議の時間制限と録画機能に差があります。
Teamsは会議の参加人数に関係なく最大60分までの時間制限があるのに対し、Zoomは1対1の会議なら無制限で、参加人数が3名以上になると最大40分の時間制限がかかります。
Zoomはローカルでの録画にも対応しているので、1対1で長時間の通話を要する状況では、こちらが優位であると言えます。
有料版で特に異なるのは「料金」と「参加人数」
有料版のZoomとMicrosoft Teamsでは、機能にどんな違いがあるのかを確認しましょう。
有料版Zoomの機能(プロプラン選択時)- 月額2,000円・年間契約20,100円(月額換算1,675円)
- Web会議(最大30時間)
- 会議へ同時接続できる人数は上限100人
- ゲストの招待
- チャット
- ファイルの送受信
- 画面シェア
- 背景カスタム
- 録画保存(クラウド容量1GB分)
- リモート操作
- 外部ツール連携
有料版Microsoft Teamsの機能(Microsoft 365 Business Basicプラン選択時)
- 月額料金594円(年間契約の月額相当)
- Web会議(最大24時間)
- 会議へ同時接続できる人数は上限300人
- ゲストの招待
- チャット
- ファイルの送受信
- 画面シェア
- 背景カスタム
- 録画保存
- 組織全体でクラウドのファイルストレージ容量1TB(+1ライセンスごとに10GB)利用可能
- リモート操作
- 外部ツール連携
有料版では、Zoomで30時間、Teamsで24時間に及ぶ長時間の会議を開けるようになるため、いずれも通常の使用では実質的に時間制限がなくなると言えます。
料金の比較ではZoomが一人あたり月額1,675円かかるのに対し、Teamsは法人契約で月額594円と、低価格です。
また参加人数についても、Zoomは無料版と変わらず最大100人なのに対しTeamsは最大300人が会議に参加可能という点で優位です。
しかしながらZoomは追加アドオンで最大1,000人の大規模ミーティングに対応するなど、Teams以上の参加人数へと拡張することもできます。
Zoom・Microsoft Teamsを導入するメリット
サービスごとに導入するメリットをそれぞれ解説します。メリットの違いで用途を使い分けられるため、目的や状況に応じてどちらが必要かを検討しましょう。
Zoomを導入するメリット
Zoomを用いたWeb会議では、外部ユーザーが参加しやすい点がメリットです。ホストが会議ごとのURLを共有するだけで、Zoomアカウントを持っていないユーザーでもURLから簡単に会議へと参加できる仕組みになっています。
さらに有料で最大1,000人の大規模ミーティングが実施できるほか、アドオンを追加すれば最大1万人を超える参加者数に対応したイベント・ウェビナー機能も利用できます。
一方で、ZoomはWeb会議に特化しているため、会議外で連絡を取り合うにはチャットツールやメールを使用するなど、別途手段を用意する必要があります。
Microsoft Teamsを導入するメリット
TeamsはWeb会議ツールとしての利用にくわえ、ビジネス上の幅広い連携に使える点がメリットです。
大容量のクラウドストレージによるデータ共有機能や、Microsoft 365で作成された資料をリアルタイムで共同編集できるなど、チームでプロジェクトを進める際に役立つ機能が多く含まれています。
なお、参加者がアカウントを持っていない場合には使える機能が制限されるため、注意しましょう。
ZoomとMicrosoft Teamsは連携もできる
取引先などの他社とWeb会議を行う際、先方が異なるサービスを導入しているなど、環境をすり合わせる必要のある状況では連携が便利です。
連携すると、TeamsからZoomのWeb会議機能を利用できるようになります。異なるアプリ間でスムーズな情報共有ができることにくわえ、Zoom固有の機能をTeams内で使用可能になるメリットもあります。
連携には、ZoomとTeamsそれぞれのアプリから操作が必要です。
まずZoomのマーケットプレイスから「Microsoft Teams」を検索し、インストールします。
インストール開始時に、「Microsoft TeamsがZoomアカウントへのアクセスをリクエストしています」のメッセージに許可すると、Teams内でのZoomの利用を承諾することになります。
続いて管理者権限のあるアカウントでTeamsを開き、左下のアイコンの「アプリ」でZoomを検索、追加するとTeams内からZoomの機能が利用可能になります。
なお、連携にはZoomでプロプラン以上の有料プランに契約する必要があるので注意してください。
まとめ
ZoomとMicrosoft Teamsは、いずれもWeb会議に使えるツールですが、用途によりさまざまな機能の違いがあります。
外部ユーザーを会議に招待することが多い場合や、参加人数が300人を超える大規模なミーティングを実施する際には、参加手順が簡単でウェビナー機能の充実したZoomがおすすめです。
主に社内でのやり取りに使うならば、クラウドストレージやMicrosoft 365などのツールを共同作業できる機能を兼ね備えたMicrosoft Teamsを導入するとよいでしょう。
さらに両ツールを連携すれば、取引先との会議などシーンに応じた使い分けや、TeamsによるZoom機能の利用が可能となります。
ZoomやTeamsを利用する際には、両ツールとの連携が可能なワークマネジメントツール「Asana」を利用すれば、プロジェクトやタスク管理にも役立ちます。
Web会議に便利な管理機能を取り入れ、スムーズに業務を遂行しましょう。
- カテゴリ:
- コラボレーション