2023年5月31日に開催したイベント「CONNECT:AsanaとMiroで広がる、デジタル時代のチームワーク」では、両サービスを活用してコラボレーションを加速させることに成功した企業が登壇。業種・職種が異なる3名のAsanaアンバサダーに、AsanaとMiroをビジネスにどう役立てているのかを語っていただきました。本記事では、イベント内で語られた取り組みを中心にレポートします。
相互補完でさらに便利に!AsanaとMiroの連携機能
Asanaは現在、SalesforceやSlack、Zoomなど200近いクラウドサービスと連携することができます。最近Asanaアンバサダーの間では、ナレッジワーカーが愛用するAsanaとMiroをチーム内で活用するケースが増えてきました。
イベントの冒頭ではAsanaとMiroの機能連携について、Asana Japan ソリューションエンジニアリードの内山雄太郎さんが解説しました。主に取り上げる連携機能は「Asana Projects+Tasks」と「Asana Cards」です。
Asana Projects+Tasksは、Asana上で作成したタスクやプロジェクト管理画面に、Miroのホワイトボードリンクを埋め込む機能です。当該のURLを貼り付けるだけで使用できます。
さらに、Asana Projects+Tasksのコラボレーターに登録されているユーザー、または今後追加されるユーザーに対して、Miroの参照権限をAsana上で付与できます。
「ポイントは、打ち合わせの参加者に『タスクは何か、どのような参考情報があるのか、事前タスクは何か』などの情報を一目で分かるように共有できることです。必要な情報を探す手間が省けます」(内山さん)
一方のAsana Cardsは、Asanaで管理しているタスクをカード形式でMiroのボードにインポートし、進捗状況を把握できる機能です。Miroと接続済みのAsana Cardsを起動したあとにタスクを一覧から選択するだけで、Miro上でブレインストーミングやグルーピング、カテゴライズなどを行えます。
AsanaとMiroを連携させる価値は、「迷子にならないよう、全体像を相互補完すること」と「拡散的思考と収束的思考のサイクルを加速させること」にあると内山さんは語ります。
Miroのボードでビジュアル情報を補足し、Miroのボードを使ったディスカッションをAsana 上で具体的なタスクに落とし込む。アイディアをMiroで自由に出し合い(拡散的思考)、Asanaで整理して最適解を探っていく(収束的思考)。このように、ナレッジワーカーが繰り返し行う業務を簡素化できます。
ここからは、拡散的思考と収束的思考にAsanaとMiroを使ったアンバサダーの事例を紹介します。
AsanaとMiroを使い倒し「仕事のための仕事」を約7.6時間削減
1人目のAsanaアンバサダーは、富士通株式会社 デジタルシステムプラットフォーム本部 CIO Officeマネージャーの柚木修さんです。柚木さんは2022年からAsanaやMiroをはじめとするツールの調査や評価、導入の検討、活用の推進に携わっています。
コロナ禍でハイブリッドワークが広まるなか、柚木さんは「AsanaやMiroの導入でワークスタイルがどう変わるか、デジタルに示す」というミッションを授かります。同じミッションを与えられたチームメンバーと議論や試行錯誤を重ねて、AsanaとMiroの強みを再定義しました。
Miroの強みはアイディアを交換しやすい点で、Asanaの強みはタスクを構造化し、進捗状況を管理しやすくなる点です。マイルストーンを定め、各プロセスのタスクを設定していくことで、ユーザーは「自分が今日何をすべきか」を瞬時に把握できます。
「Miroは風呂敷を広げるもの、Asanaは畳むものだと捉えています。Miroを使って自分たちの発想を広げ、Asanaを使ってやるべきことを構造化して実行に移す。その後はまたMiroを使ってアクションを振り返り、意見を出し合って新しい打ち手を考える。こうした一連の流れを、実際に行ってきました」(柚木さん)
取り組みを通して、AsanaとMiroを使い倒せば、「仕事のための仕事」を約7.6時間も削減可能だと示すことができました。
AsanaとMiroで進める、リモート時代のアジャイル開発
2人目のAsanaアンバサダーは、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の技術開発推進部 関根毅さんです。関根さんは入社当初から銀行システムの開発業務に従事してきました。2020年からは、パートナー企業や海外のスタートアップ企業との共創を加速させるためのコミュニケーション環境を構築・運用しています。
コミュニケーション環境を構築するために重視したことは、MFA(多要素認証)などを導入して金融機関と同等のセキュリティレベルを保つことです。複数のSaaSを組み合わせた対応を行い、安全なコミュニケーションをとれる仕組みを検討しました。
「新規ビジネスモデルを検証するためのプロトタイプ開発では、さまざまな検証を行うため、スピーディに多くの機能を盛り込むことが求められました。そのため、今回はアジャイル開発を選択しましたがリモートでのコミュニケーションが課題となっていました。そこでコミュニケーション環境を活用することで円滑にプロジェクトを進めることができました。」(関根さん)
アジャイル開発では、まずペルソナの定義を行い、自社のサービス・プロダクトがペルソナに提供したい価値を整理する「ユーザーストーリーマッピング」を制作します。次に、制作過程で出た意見をプロダクトバックログで整理し、その後はスプリント計画を立て、具体的なタスクを整理していきます。
アジャイル開発の流れ
ペルソナ定義の過程では、アイディアを発散させる目的でディスカッションを行います。Miroを使ってホワイトボードのスペースに制限なくディスカッションを進められました。
一方、プロダクトバックログでの整理からスプリント計画の過程では、明確化したタスクの進捗確認を行います。タスクの可視化や進捗管理にAsanaを活用し、ダッシュボード機能を使ってタスクの完了数(係数管理)を把握できました。
AsanaやMiroを有効活用することによって、リモート環境におけるパートナー企業との円滑なコミュニケーションの実現に貢献できたと関根さんは振り返ります。
Miroで考えて、Asanaで進める。ストレスフリーな業務運用術
3人目のAsanaアンバサダーは、ギリア株式会社の経営管理部門 人事部 情報システム課課長とCISOを務める岡倫宏さんです。
岡さんは、コーポレートITやISMS認証を含む全社情報のセキュリティマネジメントに従事してきました。2022年6月からはAsanaをチーム内で活用し、現在はAsanaフォーラムリーダーに就任しています。
Asana/Miroを導入する前、各自のタスクはSlackのブックマーク機能を使って管理してきました。資料保存にはGoogleドライブを、アイディア出しにはGoogleスプレッドシートなどを使用。Web会議を実施するときは、ZoomやGoogle Meetの画面共有機能で意見を交換してきたと岡さんは振り返ります。
当時は必要な情報を社内コミュニケーションツールのSlackで探したり、資料をチームメンバーや社内へ共有する際にアクセス権限を再設定したり、Web会議中に提示された参考URLを個別に確認したりと、非効率的な方法で業務を行ってきました。
AsanaとMiroを同時に導入したことで、業務の運用体制は大きく変わりました。現在では、タスク管理はSlackとAsana、資料保存はMiroとGoogle 共有ドライブ、アイディア出しはMiroを使い、Web会議中は参加メンバーがAsanaとMiroを同時に編集しながらディスカッションを進めています。
MiroとAsanaを使い始めてから、チーム内では業務に必要な資料をGoogleドライブにアップし、MiroおよびAsanaと紐づけています。岡さんは、状況確認に費やしていた時間を削減することもできたと結びました。
AsanaとMiroを連携し、拡散的思考と収束的思考を効率的に行えるようになった3名のアンバサダー。AsanaとMiroは、新たな発見を共有しあえる組織作りに大いに貢献することでしょう。
今回のイベントレポートは以上です。
本記事がコラボレーションの加速を目指す企業の皆様にとってもヒントとなれば幸いです。
今後のAsana Togetherのイベントにもご期待ください。
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