テレワークを実施する際の就業規則のポイントとは?

 2021.01.18  2022.09.05

新型コロナウィルスの影響を受け、業務内容によってはテレワークが導入された企業も多いことでしょう。働き方改革の流れもあり、テレワーク自体は徐々に広がってはいたものの、新型コロナウィルスを機に十分な準備期間がないまま導入するケースも見られます。当記事では、テレワーク導入に必要な就業規則の見直しについて、ポイント別に詳しく解説します。

テレワークを実施する際の就業規則のポイントとは?

テレワークにおける就業規則の重要性

テレワークでは、従来のように従業員がオフィスに集まるのではなく、それぞれが遠隔で業務を行います。あまり例を見ない働き方であるため、テレワークをどのように運用していくか試行錯誤している企業も多いでしょう。

普遍的なテレワークの形がまだないからこそ、企業としてのルール化が重要です。つまり、従来のものではなく、テレワークに合わせた就業規則への変更が求められます。

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テレワークを実施する際の就業規則のポイント

では、具体的にどのように就業規則を変更すればよいのでしょうか。ここでは、そのポイントを解説します。

テレワークの定義や条件

一口にテレワークといっても、人によって思い浮かべるイメージは微妙に異なるでしょう。そのため、テレワークを導入する企業や組織はまず、テレワークを明確に定義付けておく必要があります。どのような形態を「テレワーク」として扱うのか、企業側で明示しましょう。

例を挙げると、在宅勤務やサテライトオフィスの利用、あるいは近くのカフェや移動中の仕事などがあります。このうち、どの種類をテレワークとして導入するか決めておくと、テレワークをぶれずに運用しやすくなります。同時に、テレワークの対象者を条件付けするのも有効です。具体的には勤続年数や雇用形態、ライフステージなどから対象者を決定します。

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労働時間や勤務日

テレワークのルールでは、労働時間や勤務日をしっかり規定することも大切。より具体的にいえば、始業時間や就業時間、時間外労働および休日勤務などです。

テレワークの中で、採用されるケースが多いのは、在宅勤務です。しかし同じ在宅勤務に対しても「フレックスタイム制」「みなし労働時間制」「裁量労働時間制」など、適用できるルールはさまざまです。自社に合わせてどれを適用すべきか検討しましょう。

とはいえ、ゼロベースでテレワークを前提とした規定を作成するのは、非常に手間がかかります。既存の規定をベースとして、テレワーク向けにカスタマイズするのが一般的です。

給与や手当

基本的に、テレワーク勤務というだけで給与に関する規定を変える必要はありません。ただ、テレワークへの移行によって業務内容が変更となる場合などは、賃金規定の変更も必要になるでしょう。

特に、テレワークで大きく変わるのが通勤手当です。毎日のオフィスへの通勤が不要になるため、通勤手当も不要あるいは削減となります。定期代ではなく実費精算など、変更の明記が必要です。

また、給与に直結する人事評価制度についても、テレワークを前提とした制度に適正化する必要があります。オフィスで上司や管理者が確認してくれることは基本的になくなるため、従来通りの制度設計では適切な評価を下せません。目に見える成果をベースとした評価基準にするなど、テレワーク環境で最適な人事評価制度を構築しましょう。

勤怠管理

テレワークになり大きく変わるもののひとつが、勤怠です。オフィス勤務であればセキュリティカードなどで出退勤に紐付けることも可能ですが、テレワーク勤務ではオンラインでの管理が必要です。勤怠管理システムでの記録などが新たに必要となるケースもあるでしょう。また、上司などが出退勤を把握できるように、電話やメール、チャットツールなどを用いた報告方法について、就業規則で定めておくのもポイントです。

費用負担

テレワークになると、例えば在宅勤務の場合、自宅の光熱費増加などの影響が生じます。あるいは通信機器やデバイスなど、必要な機器を従業員が負担するケースもあるでしょう。明確な線引きは難しいかもしれませんが、これらのケースについての費用負担も決めておく必要があります。

通信費などの想定されるケースに対して、どのように費用分担を行うのかを事前に合意したうえで、従業員・企業ともに対応していくことが大切です。また、企業が貸与する機器や備品をしっかりと把握し、管理しておきましょう。

健康や安全管理

従業員の健康・安全を管理できる体制も整えておかねばなりません。就業規則にてテレワーク時の作業環境をしっかりと定めたり、健康に関するルールを明記したりすることが大切です。健康については、従業員自身に任せきりではなく、健康診断の定期的な受診を義務付けるなどするとよいでしょう。

セキュリティ

テレワークを導入する際の大きなハードルのひとつが「セキュリティ」です。遠隔からでも社内のネットワークに限定して業務を行うなど、まず環境として整えることが重要です。さらに、従業員一人ひとりへの意識付けを徹底し、情報漏えいなどの予防に努めましょう。セキュリティ関連の内容を就業規則のルールとして盛り込むのも効果的です。

教育や研修

企業の中長期的な成長において、教育や研修が果たす役割は大きいです。しかしテレワーク下では、特にOJTの機会が物理的に減少するため、課題に感じる企業も多いでしょう。前例も少ない中で試行錯誤しながらになることも多いかもしれませんが、テレワークでの教育や研修について就業規則で定めておくことも必要です。特に、テレワーク対象者に必要な研修については、その旨を就業規則に明記しておきましょう。

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テレワークで就業規則を変更したら届出・周知が必要

テレワークを導入する場合、基本的に就業規則の変更が伴います。就業規則を変更した場合、労働基準監督所への届出が義務付けられています。同時に、労働者への周知も必要です。特に担当の方は、この点に注意しておきましょう。

まとめ

テレワークを導入すると一気に環境が変わるため、従業員だけでなく企業側もさまざまな対応に追われます。そのうちの1つが、就業規則の変更です。テレワークの定義をしっかりとしたうえで、対象範囲の決定や勤怠管理、人事評価、セキュリティなど多面的に就業規則を適正化する必要があります。

そして、就業規則で定めたテレワークを前提とした内容を実行していくには、ツールの導入も効果的です。プロジェクト管理ツール「Asana」は、プロジェクトごとにタスク進捗やメンバーの状況を、リアルタイムで可視化します。ほかにも、テレワーク環境でチームとして動いていくために必要なさまざまな機能が備わっています。興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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