職場以外で仕事をすることができるテレワークを実施する企業が急激に増えています。それに伴いメンバーの業務進捗管理などの目的でプロジェクト管理ツールを導入したいと考える企業も増加しています。
そこで今回は、導入を検討している方向けにプロジェクト管理ツールの概要や活用するメリット、さらにお勧めのツールについてわかりやすく解説します。
そもそもプロジェクト管理ツールとは
ビジネスでは「プロジェクト」という言葉をよく耳にしますが、これはある目的を達成するために集められたチームや業務を指します。プロジェクトにおける作業やスケジュールなどを管理するためのツールを総称してプロジェクト管理ツールと呼んでいます。
似た機能を持つものにタスク管理ツールと呼ばれるものがあります。タスクとは作業単位のことで、複数のタスクを束ねたものをプロジェクトと呼ぶので、機能面から見るとプロジェクト管理ツールとほぼ同じと考えて問題ないでしょう。
もっと見る:プロジェクト管理ツールとは?その基本的な機能を解説
テレワークにプロジェクト管理ツールを活用するメリット
テレワークとは、テクノロジーを活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟な働き方をすることです。小さい子供や介護を行う親がいて時間の制約がある方や、地方在住で働く場所の制限がある方にとってメリットがある働き方として徐々に広がってきました。さらに近年通信環境の進化やクラウドサービスの充実といったテクノロジー環境の変化や働き方改革といった社会的な変化を背景に導入が加速しています。
2020年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防止対策の観点から、企業規模や業種を問わず急激にテレワークが広がりを見せています。
テレワークは社員側にも企業側にもメリットがある勤務形態ですが、一方で仕事の進捗業況を上長が把握しにくい、チーム内のコミュニケーションが疎遠になる、といった課題も指摘されています。その課題を解決する手段のひとつとして、チーム内で各担当者がどのようなタスクを受け持ち、進捗はどうなのかを把握・共有できるプロジェクト管理ツールの活用が期待されています。
単純に業務の可視化や各担当者のタスクを把握するだけの目的であればExcelで作った一覧表でも事足ります。しかし専用ツールを導入することで、より効率的にプロジェクトを推進しやすくなります。ここではプロジェクト管理ツールを導入するメリットとして代表的なものを3つ挙げてみます。
コミュニケーションを促進できる
職場で顔を合わせる場合は業務に関する会話だけでなく雑談など対面のコミュニケーションが可能ですが、テレワークだとそれが難しくなります。そのためプロジェクト管理ツールに付随したチャット機能などを利用することで、コミュニケーションを促進できます。ツールによってはSNSのような「いいね」ボタンやスタンプ機能を持っているものがあり、それら機能を活用することで、手軽に自分の気持ちなどを伝えコミュニケーションを取ることができます。
情報共有を容易化できる
プロジェクト管理ツールには、自社サーバーにインストールするオンプレミス型とクラウドサーバー上で提供されるクラウド型があります。クラウド型のプロジェクト管理ツールを導入することで、リモート接続で職場にアクセスしなくても、またメールなどで送信しなくても、インターネットに接続できる環境であれば、いつでもどこでもチームメンバーが情報を共有できるようになります。
勤怠管理をサポートできる
工数実績を把握できる機能があるため、メンバーがどのくらい作業を完了しているのかを上長が管理できます。またプロジェクト管理ツールのなかには勤怠管理機能を有しているものもあり、それを使うと休日申請の承認や給与計算システムにインポートできるデータの出力などもできるようになります。
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テレワークにプロジェクト管理ツールを導入するときのポイント
ではテレワークにプロジェクト管理ツールを導入するには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?
ここでは導入にあたって注意すべきポイントを3つ紹介します。
トライアルなどを利用して試す
プロジェクト管理ツールとひとくちに言っても、それぞれ特徴や使い勝手が異なります。有料のサービスであっても一定期間無料で利用できるトライアル期間を設けていることが多いので、導入前にトライアル版を利用してみて自社スタッフの使い勝手に合っているかどうかをチェックすると安心です。
また、トライアル版であれば検討対象ツールの並行利用も可能になり、複数のサービスで使用感のほか機能や価格を比較してから導入決定できるので、失敗が少なくなります。
できればテレワーク実施前に使用しておく
ツールを実際に導入する前に、できれば特定の部門でテスト運用してみるなど実際に使ってみることをお勧めします。それにより、検討段階ではわからなかった使い勝手や検討課題などを把握できるため、全社に展開したときにもスムーズに導入できます。
補助や助成の活用を検討する
ツールには無料で利用できるものもありますが、組織的に利用するためには有料プランに加入することも検討が必要です。国や自治体では「IT導入補助金」をはじめテレワークに対する各種補助金や、テレワークに関するコンサルティングを無料で行ってくれる「テレワークマネージャー相談事業」といった助成事業を設けていますので、導入前にそれらの活用を検討してみるとよいでしょう。
テレワークに活用できるプロジェクト管理ツールの例
ここでは、利用者が多く使い勝手もよいプロジェクト管理ツールの例を3つ紹介します。
Asana
初心者にも使いやすい直観的なユーザーインターフェイスとかわいいデザインで女性にも人気が高いのがAsanaです。基本となるタスクを作成した後からプロジェクトに追加することもできて便利です。また、情報共有ができるチャット機能もついているのでプロジェクトメンバー内で気になる記事を共有できることも特徴として挙げられます。Excel表と近いレイアウトでプロジェクト内のタスクを一覧化できます。
Chatwork
チャットツールとしてコミュニケーション用途で利用されることが多いChatworkですが、プロジェクト管理ツール的な用途での活用も可能です。
Chatworkにはタスク管理機能があり、チャット上で指示されたタスクをTo Doとして管理できます。タスクを完了するとチャットに通知が送信されるため、情報共有できるしくみです。コミュニケーションツールとしてもともとChatworkを利用している組織であれば、タスク管理も同じツールで行ったほうが合理的です。AsanaやTrelloのような一覧性には少し欠けますが、各担当者がタスクを管理することをメイン用途にするのであれば十分活用できるでしょう。
Trello
付箋のような使い勝手のプロジェクト管理ツールです。進捗状況ごと、担当者ごとなどカテゴリごとにボード作成し、そこに付箋型のカードを追加していきます。カードには期限、チェックリスト、コメントなどを書き込めるので、プロジェクトのタスクを書き込むことで、管理できます。
カードはボードをまたいで移動できるので、例えば「作業中」のボードから「作業済み」のボードに移動するなどができます。チームメンバーを招待すれば全員で共有できるので、プロジェクトの進捗状況が一目でわかります。パッと見て進捗を管理したいという方にお勧めです。
まとめ
プロジェクト管理ツールは、テレワークで課題となっているコミュニケーションや業務進捗の把握などを行うために役立つものです。ツールの機能を最大限に活用するためには、いくつもあるプロジェクト管理ツールごとにどのような特徴があるのかを比較したうえで、自社のニーズにあったサービスを選ぶとよいでしょう。
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