多様な働き方の実現メリットや推進に重要なポイントは?働き方の種類も紹介

 2021.04.26  2024.12.02

育児・介護との両立など働き方に対するニーズの多様化、グローバル化・情報化の進展、少子高齢化による生産年齢人口の減少などに対応するために、多様な働き方を自ら選択できる環境づくりが日々求められています。今回は、その働き方を推進するポイントや実現するメリット、また働き方の種類などについて、わかりやすく解説します。

多様な働き方の実現メリットや推進に重要なポイントは?働き方の種類も紹介

多様な働き方を実現するメリット

2019年4月に「働き方改革関連法」が施行されるとともに、「労働基準法」や「労働契約法」といった関連する労働法の一部が改正されるなど、多様な働き方の実現は国の重要な施策となっています。また、情報通信技術(ICT)の急速な進展により、業務の効率化が進むとともに、仕事をする場所や時間に対する自由度が広がっています。

そして、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、テレワークなどの多様な働き方を導入する企業が増加しています。それに併せて、従業員の仕事と生活に対する意識にも変化が生じており、多様な働き方の実現に対するニーズはより高まっていくものと予想されます。

ここでは、多様な働き方が企業や従業員にとって、どのようなメリットをもたらすのかを解説します。

生産性向上

多様な働き方を実現させるメリットの1つ目は「生産性向上」です。労働生産性を向上させる取り組みには、製品・サービスのアウトプットの付加価値化、労働時間の短縮、生産工程や業務の効率化など、さまざまな方法があります。

もちろん、従業員のモチベーションを高めることも有効な方法です。例えば、営業や研究・開発、設計、企画のほか、経理・人事・総務といったコーポレートスタッフなど。こうした仕事の従事者にモチベーションを高めてもらえば、計画的かつ集中的に業務を遂行したり、より創造性の高いアウトプットを生み出したりすることが期待できるでしょう。

在宅勤務・テレワーク・フレックスタイム・時短勤務など、多様な働き方を実現することも重要です。それらによって従業員一人ひとりについて、通勤時間や労働時間の削減、無駄な会議や業務の削減、上司や同僚とのコミュニケーションの円滑化を図ることができます。結果的に、自由な時間が増えることで、従業員もストレスや疲労が軽減され、ワークライフバランス実現へつながるでしょう。

心身ともに健康的な生活を整えてもらうことは、従業員にとってその会社で働く価値を上げ、日々のモチベーション向上へつながります。家事や趣味などに精を出せるようになった従業員には、業務での創造力増大も期待できるでしょう。

コスト削減

多様な働き方を実現させるメリットの2つ目は「コスト削減」です。在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークが増加することで、従来のように一人ひとりに机を用意するオフィススタイルではなく、出勤したときに自由に席を選んで業務を行うフリーアドレスのオフィススタイルを導入することもできます。

フリーアドレスなら、従来のオフィススタイルと比べるとオフィスの面積が縮小されるので、オフィス賃料を削減することができます。東京の都心部のようにオフィス賃料が高い地域では、固定費を大きく圧縮し得るでしょう。

また出勤回数が減ることで、従業員に支給する通勤交通費も削減できるほか、「水道光熱費・通信費・コピー機などのOA機器のリース料・消耗品費・清掃費用」など、オフィスを維持するために必要なコストも大幅に削減することができます。

人材確保

多様な働き方を実現させるメリットの3つ目は「人材確保」です。多様な働き方を実現する上で、欠かせない考え方に「ダイバーシティ」があります。

ダイバーシティとは簡単に言えば、「性別や年齢、学歴、国籍などを問わず、従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かせる環境づくりをする」ということです。企業が生き残っていくためには、単に労働力を確保するだけでなく、多様な人材を活用し、競争力を向上させていくことが重要です。

テレワークやフレックスタイム、時短勤務、地域限定従業員など、多様な働き方を導入することは働く場所や時間に対する従業員の選択肢を広げることです。育児や介護、配偶者の仕事の関係などで、従来の働き方では勤務を継続したくても退職せざるをえなかった人材を引き留めるとともに、働くことを諦めていた新たな人材の確保にもつながります。

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多様な働き方の推進に重要なポイント

多様な働き方の実現の目的は、単に働く場所をオフィスから自宅などほかの場所に移したり、労働時間を削減したりすることではありません。従業員の心身のストレスを軽減してワークライフバランスを実現することで、モチベーションを高めて企業の業績向上へとつなげていく必要があります。

そのためには、まず経営者や管理者、そして従業員が長時間労働や仕事の進め方、コミュニケーションの取り方など、従来の価値観や慣習に対する意識改革をしなければなりません。そして、多様な働き方という新しい環境を「とりあえず」や「仕方なく」と従属的に受け止めるのではなく、主体的に受け止めて、それぞれが納得できる働き方を生み出していくことが大切です。

会社全体の意識改革とともに、業務のデジタル化に始まり、「就業規則の改正・賃金制度および人事評価制度・勤怠管理システムの見直し・Web会議システムなどのICTツールの活用」は急激に重要性を増大させています。

それと並行し、セキュリティ対策に関しても関心が高まっており、特に「研修・セミナー制度の見直しと実施によって、従業員たちの意識を整えていくこと」が企業に求められています。多様な働き方を実現するためには、企業側がさまざまな環境整備を綿密に計画・実行していくことが大切なのです。

多様な働き方の種類

多様な働き方には、長時間勤務の是正や残業時間の削減を目指すもの、働く場所や時間に自由度を広げるものなど、さまざまな種類があります。ここでは、「テレワーク」「時短勤務」「フレックスタイム」「副業・兼業」について、簡単に紹介します。

テレワーク

「テレワーク」とは「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた造語で、「パソコンやスマートフォンなどのICTを活用して、場所や時間にとらわれずに柔軟に働くこと」です。テレワークは働く場所によって、自宅で行う「在宅勤務」、移動中の電車や移動の合間のカフェで行う「モバイルワーク」、サテライトオフィスやコワーキングスペースなどで行う「施設利用型」、リゾート地で行う「ワーケーション」に分類されます。

従業員にとっては、通勤時間や移動によるストレスの軽減、育児や介護などのワークライフバランスの実現というメリットがあります。それに対し企業にとっては、生産性向上やコスト削減、多様な人材の確保というメリットがあります。また、台風や地震などの自然災害といった不測の事態が生じても、事業を中断することなく継続できるというメリットも期待されるでしょう。

時短勤務

「時短勤務」とは育児や介護などを理由に、フルタイム勤務が困難となった従業員をサポートするための制度です。3歳未満の子を養育したり、要介護の家族を介護したりしているなど、要件を満たした従業員は、1日の勤務時間を原則として6時間に短縮可能です。育児・介護休業法によって義務づけられた制度で、正確には「短時間勤務制度」と規定されています。

なお、企業側が従業員に対して、短時間勤務制度の適用を申し出たこと、またそれが適用されたことを理由として、解雇や減給などを行うことは禁止されています。

もちろん従業員にとっては、育児や介護を理由に退職しなくてもよいというメリットがあります。同時に企業にとっても、育児や介護による離職を防ぎ、従業員の定着化が図れるというメリットがあるのです。

フレックスタイム

「フレックスタイム」とは1日の労働時間ではなく、清算期間(1ヶ月~3ヶ月)における総労働時間を定め、従業員が各日の始業時間や終業時間、労働時間を決めることで、ワークライフバランスを図りながら効率的に働くことができる制度です。

従業員にとっては、業務の繁閑や自分のライフスタイルに合わせて仕事ができるというメリットがあります。一方企業は、「コアタイム」(勤務を必須とする時間帯)を併せて設定することで、会社の業務や会議などに支障をきたすことなく、柔軟に業務を遂行してもらえるでしょう。

副業・兼業

「副業・兼業」とは、労働時間外に別の企業の業務に従事したり、事業を営んだりすることです。従来は秘密漏えいなどの問題から、就業規則で副業・兼業を禁止し、違反した場合には懲戒処分とする企業も少なくありませんでした。しかし、2018年に厚生労働省により「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されたことから、副業・兼業を認める企業も増えています。

従業員にとっては、所得の増加や知識・スキルの取得などのメリットがあります。それに対し企業にとっては、自社内では得られない知識やスキルを従業員が取得することで、業務に生かせることや優秀な人材の流出防止や確保ができるというメリットがあります。

まとめ

テレワークなどの多様な働き方を実現するメリットや、推進する上でのポイントなどについて解説しました。

在宅勤務などのテレワークを導入するにあたっては、ICTツールの導入が必須です。チーム一人ひとりの生産性を高め、チームのコミュニケーションを円滑に行うために、「Asana」の活用をおすすめします。

Asanaは、GmailやOffice365などの毎日使うアプリを連携して、1ヶ所にまとめてシームレスに業務を遂行することが可能。また、チーム内でリアルタイムにコミュニケーションを取りながら、プロジェクト管理などを進めていくこともできます。この機会にぜひ、導入を検討してみてください。

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