業務改革を進めたくても、具体的にどう進めればよいかわからない、また成功させる方法がわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。業務改革で成功を収めるためには、ポイントを押さえて取り組むことが重要です。そこで本記事では、実際に業務改革に成功した事例と、成功事例からわかる成功のためのポイントをまとめました。
業務改革(BPR)とは?
そもそも業務改革とは、どのようなことを指すのでしょうか。業務改革は「BPR(Business Process Re-engineering)」とも呼ばれ、現在の業務を根本的に見直し、仕組みを再設計するなどして、業務効率化や従業員の満足度を高めるために行うものです。業務改革の対象は多岐にわたり、業務のフローはもちろん、人事評価や組織構造などさまざまなプロセスの刷新を行います。
業務改革が注目され始めたのは、1990年代からです。アメリカで長期的な不況が続いており、その中で企業を立て直すためにBPRの原型が作られました。同時期、日本ではバブル崩壊による不況が続いており、アメリカと同様に企業の立て直しのためにBPRが普及し始めました。
また近年では、最新のビジネスに対応するためにも業務改革が行われています。過去の業務フローにとらわれず、時代に合わせたフローへ刷新することで、スピード感を持って業務を進められ、さらに働き方改革にもつながるでしょう。
業務改革と業務改善の違い
では、業務改革と業務改善にはどのような違いがあるのでしょうか。業務改善とは、何らかの課題がある業務など、一部の業務プロセスを修正することを指します。
一方で、業務改革は一部にとどまらず、根本から仕組みを構築します。そのため、業務改革が成功すれば大きな成果が得られます。しかし、今ある業務プロセスを根本から改革するには、コストや労力はもちろん、全社的な協力が必要になることがほとんどです。業務改革を行うなら、まずは業務改革と業務改善が違うということを従業員に説明し、どれだけの効果が得られるかを提示したうえで、協力をしてもらうようにしましょう。
業務改革の成功事例7選
以下では、「業務改革のイメージがつかない」「なかなか業務改革が成功しない」といったお悩みをお持ちの方へ、業務改革に成功した7つの事例をご紹介します。
事例1. 部門間の連携強化で年間133週間の労働時間を短縮
Web会議システムを提供するZoomは、業務の中で使用するツールが混在しており、共同作業がうまくできないという悩みを抱えていました。そこで、共同作業に使用するプラットフォームをひとつにまとめ、業務時間を短縮させました。短縮できた時間は年間133週間分に相当し、前年比200%にも相当します。
事例2. マーケティングプロセスの統一でブランド認知度向上
北米の建築用タイル会社であるFireclay Tileの中核を担うマーケティングチームでは、キャンペーンプロセスが定義されておらず、キャンペーンのたびに一から作業をしなければなりませんでした。そこで、Asanaでプロセスを定義化して統一したところ、実施できるキャンペーンの数が2倍に増え、ブランド認知度が4倍も向上しました。
事例3. 適切なツールの導入で1 年でマーケティングチームを6倍に拡大
B2Bソフトウェアを提供するG2のマーケティングチームは、チームの急成長に対応できないツールやプロセスを使用していました。そこで、チーム規模の調整に対応できるAsanaを導入し、プロジェクトの責任や進捗の可視化を実現しました。その結果、チームを6倍に成長させるという目標を達成できたそうです。
事例4. 市場進出プロセスの合理化で新製品の市場投入を 3 倍高速化
デザイナーのためのプロトタイプ作成ツールを作成するInVisionは、市場進出プロセスやメンバー間の連携に課題を抱えていました。そこで課題改善に向けて同社が行ったのが、製品リリースに関するプロセスの可視化、およびコミュニケーションスペースの構築です。こうした取り組みが実を結び、製品リリースにかかる時間が66%減少しました。
事例5. Asanaの導入で開発プロセスをアジャイル型に変更
国内でソーシャルゲーム開発を手掛けるStudio MGCMは、新規タイトルのリリースに向けて、開発プロセスを大きく変革する必要がありました。数あるプロジェクト管理ツールの中から選ばれたのは、Asanaです。選定理由は、「アジャイル型の開発プロセスへの対応」「UIのわかりやすさ」「拡張性の高さ」にあったといいます。
事例6. プロジェクト管理体制を整えて新規事業を創出
コンサルティングサービスを手掛けるシグマクシスは、プロジェクト数の増加に伴い、タスク管理やコミュニケーション上で大きな課題を抱えていました。同社はプロジェクト管理ツールAsanaを導入することで、プロジェクト全体の進捗会議やメンバー間の進捗確認を効率化し、従来それらに割かれていた時間を毎日4時間以上も削減に成功しました。Asanaの導入で便利になったというレベルではなく、仕事のやり方の根本が変わったといいます。
事例7. スケジュールとタスクの見える化で会議の6割を削減
カルフォルニア州に本社を置くソックスブランドのStanceは、チームの成長に管理体制が追いついておらず、社内から寄せられるリクエストに対処する手段がありませんでした。そこで同社は、社内共通のリクエストフォームを作成します。チーム全員が計画と進捗を把握できるようになったことで、会議時間の6割削減につながりました。
業務改革を成功させる進め方とポイント
ここでは、業務改革を成功させた企業の事例からわかる、成功させるための進め方やポイントをご紹介します。
業務フローチャートを作成する
業務改革を実施するには、まず業務内で見直すべき部分を検討する必要があります。そこでフローチャートを作成して、現状の業務を可視化しましょう。フローチャートを作成する際は、ただプロセスを書き出すだけでなく、プロセスのつながりも可視化することが大切です。プロセス間のつながりを見直すだけでも、大幅な改善ができる可能性があります。
業務フローチャートができたら、俯瞰して問題を特定します。問題をどのように解消するかも検討しましょう。
スモールスタートで展開する
業務改革は、全社的に行うべき取り組みです。しかし、最初から全社で行ってしまうと、うまくいかなかった場合の軌道修正に大幅なコストや労力がかかります。そのため、まずは小規模なテストを行うことをおすすめします。
また、モデルとなる部署や事業所をつくることで、ほかの部署も参考にして取り組みやすくなるというメリットもあります。モデルとして選ばれた部署は、状況をきちんと記録し、成果を報告できるようにしましょう。実際に体験してみた際の失敗や成功を横展開することも大切です。
適切なツールを選ぶ
業務プロセスを改革するには、最適なツールを選ぶことも欠かせません。ERPなどの全社横断的なシステムや、プロジェクトの進捗を一目で理解・管理できるプロジェクト管理ツールなど、自社の業務プロセスに合わせて必要なツールを取り入れましょう。特に業務プロセスを管理したいなら、プロジェクト管理ツールの導入がおすすめです。
自社に合うツールがわからない場合は、いくつかの管理ツールを試し、使いやすいものを導入しましょう。多くの製品が初月無料で使用できるなど、試しやすくなっています。
まとめ
業務改革は、企業の業務フローを根本から見直し、再構築する取り組みです。業務改革を行うことによって、これまで流れが悪かった業務フローが新しくなり、時代に合わせたスピード感のある業務を行えるようになります。
業務改革を行う際は、まず業務プロセスを可視化し、改善点を洗い出すことが大切です。業務プロセスの可視化やプロジェクト管理をより簡単に行いたいと考えているなら、多くの企業から導入されている「Asana」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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- BPR・変革管理