ワークエンゲージメントとは?その必要性と高めるポイントを解説

 2021.09.28  2021.12.23

従業員が精力的に仕事に取り組み、高い労働生産性を発揮するにはどのようにすればよいのか、頭を悩ませている企業も多いことでしょう。このとき大事になるのが、ワークエンゲージメントを高めることです。本記事ではワークエンゲージメントの定義やその必要性を解説すると共に、ワークエンゲージメントを高めるためのポイントについて紹介します。

ワークエンゲージメントとは?その必要性と高めるポイントを解説

ワークエンゲージメントとは

「ワークエンゲージメント(Work Engagement)」とは、仕事に対する「熱意」「活力」「没頭」の3要素を満たしたポジティブな心理状態です。一言で言えば、仕事に対して「やりがい」を感じている状態を指し、「従業員エンゲージメント(Employee Engagement)」と呼ばれる場合もあります。

これと混同しやすい言葉に「職場満足度」がありますが、両者を概念的に隔てているのがこの「やりがい」の有無です。職場満足度とはその名の通り、職場や仕事に対する不満のなさを指しているにすぎません。それゆえ、いわゆる「腰かけ」で仕事をしている人であっても、仕事が楽であるとか時間に融通が利くなどの理由で職場満足度が高いことはありえます。

他方、ワークエンゲージメントの高い従業員は、自身の仕事に対して誇りや愛着を持って熱心に取り組み、仕事上の成功が自分自身の幸福感と強く結びついています。それゆえ、単に職場満足感が高いだけの従業員とワークエンゲージメントの高い従業員の間では、仕事に対する主体性や労働生産性などに差が出ます。これからの時代を生き抜くため、企業が本質的に改善に取り組むべきなのは、ワークエンゲージメントのほうであると言えるでしょう。

ニューノーマル時代の働き方を支えるワークマネジメントプラットフォームの活用と導入効果
リモートワーク時代の新しい働き方 Asanaまるわかりガイド

ワークエンゲージメントの必要性

続いては、仕事においてワークエンゲージメントが必要である理由について解説していきます。

パフォーマンスの向上

まず、高いワークエンゲージメントはパフォーマンスを向上させます。仕事に対して「やる気のある状態」と「やる気のない状態」では、どちらのパフォーマンスのほうが上かは自明の理でしょう。ワークエンゲージメントの高い従業員は仕事に関するスキルの習得や資格の獲得にも精力的に取り組む傾向があるので、今後の成長も期待できます。それゆえ従業員のワークエンゲージメントを高めることで労働生産性のアップにつながります。

組織全体の活性化

ワークエンゲージメントの向上によって多くの従業員が仕事に対して前向きな意識を持つことで、職場全体の活性化が期待できます。従業員それぞれが仕事に対する主体性や積極性を持った職場では、会議などでの議論も活発になりやすく、そこから新たな発見やコラボレーションが生まれることもあるでしょう。さらに、職場への愛着が強まることで自然と離職率も低くなるので、組織の成熟や、働きがいのある職場を望む有能人材を呼び込む効果も期待できます。

メンタルヘルスの対策

ワークエンゲージメントが高い状態は、仕事に対して健全な活力を持った精神状態を意味します。それゆえ、これを向上させることは、従業員のメンタルヘルス対策としても非常に有意義です。ストレスの大きさはパフォーマンスの低下を引き起こし、ときには休職や離職にまで発展する場合もあります。ワークエンゲージメントの向上はそうした事態を防ぐ予防的措置としての側面も持ち合わせています。

ワークエンゲージメントを高めるポイント

上記のようにワークエンゲージメントの向上には数々のメリットがあります。では、これを高めるために、企業はどのような取り組みをすればいいのでしょうか。

「仕事の資源」と「個人の資源」を押さえる

まず前提として大事なポイントは、ワークエンゲージメントが「仕事の資源」と「個人の資源」という2つの要素によって構成されていることです。

簡単に言えば、「仕事の資源」とは上司によるコーチングやサポート、仕事量、報酬、オフィス環境など、企業側でマネジメントできる要素です、組織による適切な管理やサポートのない状態は従業員の不満や疲弊を呼び込み、ワークエンゲージメントを低下させます。

他方、「個人の資源」とは従業員本人のセルフマネジメント能力や自己効力感・自己肯定感などを意味します。「ストレスに対してどのように対処するか」「仕事のモチベーションをどのように高めるか」「仕事と生活をどのように両立するか」といったことには、従業員本人の資質やスキルが大きな影響を与えます。

仕事の資源と個人の資源は完全に切り離されているわけではありません。たとえば上司が適切な目標を与えることで、部下のモチベーションが上がることもあるでしょう。また、最初は自分に自信がなく、仕事に消極的だった社員も、周囲からポジティブな言葉をかけてもらうことで前向きになることもあるかもしれません。とはいえ、基本的に企業側でコントロールしやすいのはやはり「仕事の資源」であり、以下で挙げていくものの大半はこちら側のアプローチです。

フィードバックやサポートを意識する

ワークエンゲージメントを高めるには、従業員の仕事ぶりや成果について、適切なフィードバックを行うことが重要です。このフィードバックには昇給や昇進などの他に、上司からの褒め言葉や、仕事に対して前向きにさせてくれる助言なども含まれます。こうしたフィードバックやサポートは、組織や上司は自分をちゃんと評価してくれるという安心感や信頼感を与える効果があり、従業員における組織への帰属意識を高めます。

サポートについて言えば、上司だけではなく、同僚からの支援や協力も重要です。従業員同士が互いに敬意を持ち、協力し合うことで連帯感が生まれ、職場への愛着が生まれやすくなります。つまり、「透明性や公平感のある評価制度の実施」「上司からのポジティブな言葉やサポート」「同僚との良質な協力関係」によってワークエンゲージメントを向上できるのです。

成長できる機会を設ける

社員が成長できるように人材育成の観点を持つことも大切です。仕事への価値観は人それぞれですが、特に近年の若い世代は、仕事を通じて成長の実感や自己実現を求める傾向が強まっているといわれています。それゆえ、従業員のスキルアップを会社や上司が積極的に支援することで、ワークエンゲージメントの向上が期待できます。

具体的な施策としては、スキルアップのためのトレーニングや研修の機会を与えることや、資格取得のための補助金の支給などが挙げられます。成長の援助をする上で大事なのは、従業員の努力や向上心を企業の利益と合致するような方向性に誘導することです。

また、何から何まで上司がサポートするのではなく、仕事に対する裁量権を積極的に与えることも、部下が成長していく機会をつくる上で大切でしょう。重要な仕事を任せることで、上司からの信頼感を示す効果もあります。従業員がスキルアップしやすい環境をつくることは、長期的に見て企業の成長につながることともいえるのです。

まとめ

ワークエンゲージメントとは従業員が精力的に仕事に取り組むために必要なポジティブな心理状態を指します。ワークエンゲージメントを高めることで、従業員はやりがいや充実感を持って仕事に取り組むことが可能となり、企業側も労働生産性の向上などのメリットを享受できます。

従業員のワークエンゲージメントを向上させるには、上司や同僚からのサポートが重要ですが、これからの時代、適切なITツールを活用することも重要です。そこでワークマネジメントツール「Asana」を導入すれば、チームの業務進捗を整理・共有し、チーム全体の連携を促進することも可能です。メンバー同士がサポートし合うことで、ワークエンゲージメントの向上にもつながり、より一層チームの労働生産性を高めることも期待できるでしょう。

チェンジマネジメント完全ガイド

RECENT POST「コラボレーション」の最新記事


コラボレーション

ワークライフバランスの具体的な定義や取り組みについて

コラボレーション

従業員エンゲージメントとは? 構成要素や向上させるメリット、高める施策を紹介

コラボレーション

企業のエンゲージメントを向上させるメリットや具体的な施策について解説

コラボレーション

分散型ワークとは?リモートワークとの違いと導入メリット

ワークエンゲージメントとは?その必要性と高めるポイントを解説
New call-to-action

RECENT POST 最新記事

ブログ無料購読のご案内

RANKING人気記事ランキング