【アンケート例あり】従業員満足度とは?重要な理由と向上する方法を紹介

 2021.08.24  2021.12.26

業績をアップさせ、企業が成長していくには経営戦略を練るだけでなく、職場環境や福利厚生などを見直し、一人ひとりの従業員の満足度を高めることが重視されつつあります。従業員満足度が重要視される理由や、調査する方法、従業員満足度を高めるポイントについて解説します。

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従業員満足度とは

従業員満足度は給与や昇進などの待遇だけでなく、福利厚生や管理体制、職場環境、働きがいやモチベーションなどの面で、どのくらい満足しているかを表す指標です。英語ではEmployee Satisfactionを略してESと称される場合もあります。

日本では顧客満足度の考え方が浸透していますが、近年は従業員満足度を重視する企業が増えています。職場で働く満足度を高めることは従業員ひとり一人のパフォーマンスを高め、結果的に組織の生産性が高められるからです。従業員満足度と近い意味で、従業員エンゲージメントがありますが、こちらは従業員が自発的に仕事に取り組む姿勢や意欲を指します。従業員満足度を高めることで、従業員エンゲージメントを高める効果につながるのです。

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従業員満足度が重要視されるのはなぜ?

従業員満足度自体は新しい考えではなく、古くは1920〜30年代から提唱されていたと言われます。近年注目されるようになったのは、長時間労働改善などの働き方改革や、人手不足により限られた人材で生産性を向上させなければいけないなど、さまざまな背景があります。これらの課題を解決するのに従業員満足度が有効である理由を解説します。

生産性の向上・業績への貢献

従業員満足度が向上して一人ひとりのモチベーションが上がると、自分から積極的に働くようになり、高い集中力とパフォーマンスが発揮されます。自発的にチームワークを発揮するため、企業組織の生産性も高まるでしょう。

厚生労働省の調査によれば、従業員満足度と顧客満足度の両方を重視する方が、顧客満足度のみ重視する企業より、売上高・売上営業利益率のどちらも増加する割合が高いと分析されています。

(参照元:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/0000127988.pdf)

キャリアプラン対応・離職防止

近年は終身雇用制が崩れ、定年まで同じ企業に勤める人は以前ほど多くなく、キャリアアップのための転職など、キャリアプランは多様化しています。離職を防止し、なるべく長く働いてもらうには従業員が望むキャリアプランの実現に取り組み、従業員満足度を高めることが有効です。

少子高齢化による人手不足

少子高齢化による労働人口の減少で、人手不足が深刻化しています。加えて働き方改革の対策も必要になり、経営者や人事担当者は限られた人員を有効に活用しなければなりません。子育てや介護をしながら働く方が増えるなど、従業員が働きやすい職場環境の整備も必要です。従業員満足度の向上に取り組むことはこれらの問題を解決し、新たな人材の採用、人材育成コストの削減・強化が期待できます。

従業員満足度の調査方法

従業員満足度を調査する方法はアンケートやインタビュー、ポートフォリオ分析などがありますが、コスト面や匿名性を活かせることから、基本的にアンケートで測定することが大半です。設問数は数十問から百問を超えるものまであり、会社の制度や自分の仕事について、上司や待遇面、経営層との関わり合いなどについての意見を聴取します。アンケートを実施することで各項目の回答を集計して数値化し、従業員が現状にどの程度満足しているかを測定して、部署や属性などによる傾向をつかむことが可能です。

アンケート内容

アンケートには以下のような項目が多く使われています。項目ごとに具体的な質問内容を挙げましょう。

◎仕事に対する満足度

仕事について全体的な満足度を調査する項目です。仕事にやりがいを感じているか、自分の成長を実感しているか、仕事量は過不足がないかなどの設問が考えられます。

  • 現在の仕事は自分の成長につながっていると実感できる
  • 達成したい明確な目標がある
  • 常にやるべき仕事がある

◎働く環境に対する満足度

自分が働く職場環境に対する満足度を調査する項目です。職場の人間関係やチームワークの協力体制、風通しの良さの他、通勤のしやすさなどアクセス環境も取り上げたい設問です。

  • 自分が所属している部署は全員チームとして働いている
  • 仕事で困ったときは同じ部署の同僚から助けてもらうことができる
  • 交通の便がよく周辺環境にも不満はない

◎上司に対する満足度

上司の部下への対応や言動に対する満足度を調査する項目です。上司との関わりや管理能力、上司の方針に賛同できるかなどが取り上げられます。

  • 仕事上の悩みやトラブルが発生したときは上司に気兼ねなく話ができる
  • 私の上司は仕事で効果的な指導やフィードバックをしてくれる
  • 私の上司はプロジェクトの目標を明確にし、リーダーシップを発揮している

◎会社の処遇に対する満足度

評価や昇給・昇進、給与、手当、福利厚生など会社の処遇に対する満足度を調査します。

  • 社内の人員配置や人材募集の応募手続きは公正で、能力があれば公平に昇進できる仕組みがある
  • 給与水準が業界標準と比べて納得できる水準である
  • 社員として利用できる福利厚生の内容を十分に理解している

◎会社の経営に対する満足度

会社の経営理念やビジョンに対する満足度を調査する項目です。会社の業績や将来性についての設問が考えられます。

  • 会社の経営理念、ビジョンに共感し、社員としてその達成に参加したい
  • 会社の経営方針や計画、新製品のリリースなどの情報は適時周知されている
  • 会社の成長力、収益力、安定性などの業績に満足している

アンケートを実施する際の注意点

アンケートは各項目の満足度を数値化することで、従業員の満足度がどのくらいなのか測定できる便利なツールです。集計結果でもっとも満足度が高かった順にランキングすると、従業員の仕事や職場への意識の傾向が見えてきます。もっと細かく分析するには設問だけでなく、記述式アンケートを取り入れると効果的です。アンケート調査を成功させるには次の点に注意します。

◎事前に告知を行い、回答率を上げる

アンケートの回答率を高めるため、事前に調査することを告知します。回答率が低いとアンケート調査の結果が実態から乖離するおそれがあるためです。調査の背景や使用目的、実施期間、回答時間の目安を明記しておきます。

◎目的を明確にする

何のために行うアンケートなのか、どのような仮説を検証するために行うのかを明確にします。目的が不明瞭だと、質問項目に一貫性がなくなり、分析の際に混乱を招きます。調査結果をどう活かすかが大事です。調査すること自体が目的とならないように注意しましょう。

◎匿名性に配慮する

匿名性が担保されていなければ、会社に対しての意見や要望などがあっても、本音を伝えにくくなります。匿名性に配慮して回答への心理的ハードルを下げることで、従業員の本音が聞きだせ、現場の実態を明らかにできます。

◎期限を設ける

回答期間は1~2週間が一般的です。準備期間と結果集計期間とともにスケジュールを立てておくことも必要です。

従業員満足度を高めるための5つポイント

アンケート調査で現状の課題を把握したら、従業員満足度を高めるための施策に取り組みます。施策を計画するために以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

ビジョンを共有する

経営理念は職場の雰囲気に大きな影響を与え、従業員の仕事に対する姿勢や行動・選択の方向性まで左右します。普段から企業の目指すビジョンと従業員個人の目標を一致させるため、職場に経営スローガンを掲げる、社内報の作成、クレドカードを配るなどの工夫をします。

職場環境を見直す

仕事に集中できる職場環境を整えれば、従業員のモチベーションも高まりやすく、成果も見込めます。職場の風通しがよく、自由に発言しやすい文化があるか、セクハラやモラハラ、パワハラなど職場のコンプライアンスに問題はないか点検します。

評価制度を見直す

従業員の能力に応じた評価がされていることは従業員満足度に大きく影響します。不明瞭な評価が行われていないかを調査し、評価制度を見直します。公平性と透明性を意識し、納得の行く評価制度にすることが重要です。

福利厚生を充実させる

会社を選ぶときに福利厚生の充実を挙げる人は少なくありません。福利厚生を充実させることは従業員満足度の向上にもっとも効果的です。具体的には住宅手当や家賃補助、人間ドックなどの自由診療の健康診断、昼食補助などがあります。

社内コミュニケーションを活性化させる

2017年の内閣府の調査によれば、若い世代の離職理由の上位は職場の人間関係です。社内コミュニケーションを活性化し、対話の場を作るために、個別ミーティングやチームミーティングだけでなく、従業員同士が互いに褒め合い、感謝し合い、インセンティブを送り合うピアボーナス制度を取り入れるのも有効です。

(参照元:https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/s0_0.html)

まとめ

従業員満足度を高めることは、限られた人材のパフォーマンスを向上させ、企業の生産性、業績をアップさせることにつながります。従業員満足度調査は匿名のアンケートが一般的に行われ、職場の現状の課題を見つけるのに役立つでしょう。従業員満足度を高めるには経営理念の共有、職場環境や評価制度の見直し、福利厚生の充実、社内コミュニケーションの活性化も重要です。

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