「コミュニケーション」は相手とのやり取りを通して、意見や価値観などを伝達することを指します。ただ、ビジネスにおけるコミュニケーションは、その定義やポイントが若干異なり、適切に行わなければ失注や認識の齟齬を招く原因にもなるため注意が必要です。本記事では、ビジネスにおけるコミュニケーションの定義やポイントについて解説します。
コミュニケーションとは
一口に「コミュニケーション」といっても、その定義や意味するところは場面によって異なります。親族と友達同士の会話が異なるように、プライベートとビジネスシーンにおいても違った意味合いがあるのです。そこでまずは、ビジネスシーンを前提としたコミュニケーションの定義と分類、重要性について解説します。
コミュニケーションの定義
広義的な意味でいうならば、コミュニケーションは「意思や考え、気持ち、価値観、情報などを意思疎通すること」を指します。しかし、冒頭でも述べたとおり、コミュニケーションという言葉は幅広いニュアンスで使われているため、それが意味するところは状況によってさまざまです。
たとえば、家族・友人・上司・商談相手・レジの店員とそれぞれ会話する場合、同じやり取りであっても態度や言葉遣い、会話の雰囲気などに違いが生じます。これは、やり取りする相手によって重要度や親密度が異なるためです。親しい間柄の相手ならまだしも、相手が初対面あるいは明確な上下関係・取引関係にある場合、礼を失しないよう多少かしこまったやり取りが好まれます。
また、コミュニケーションは相手との相互理解を図るものゆえ、複数名での双方向伝達というニュアンスも内包します。一方的に話すものではなく、あくまで話し合う相手が居てこそ成り立つ点に目を向ける必要があります。
コミュニケーションの分類
コミュニケーションには「言語」を介して行われるものと、「非言語」にて行われるものの2種類があります。言語は文字通り言葉によるやり取りを指し、主に会話やメール、電話といった私たちが普段何気なく行っている手法です。
一方、非言語とは言語を介さない意思疎通手法のことで、思ったことや感じたことを表情・視線・声のトーン・身振り手振りなどで表現します。わかりやすい例としては、「笑みを浮かべる」「目を合わせる」「肩を落とす」などが挙げられます。
言葉で相手に伝えることは前提ですが、コロナ禍によりコミュニケーションの希薄化が叫ばれる近年では、非言語の重要性も高まってきています。たとえば、チャットで「ありがとうございます」と伝える際、文字だけでは冷めたような印象を与えかねませんが、「!」などの記号や簡易的な顔文字を加えると温かみのある印象になります。このように言語・非言語を組み合わせることで、円滑な意思疎通が可能となるのです。
コミュニケーションの重要性
あらゆる場面で意思疎通を図ることが大切なのは周知の事実でしょう。家族関係や友人関係、職場での関係など、人と関わる以上は切っても切り離せないことです。特に情報を正しく伝えたり、お互いの理解を深めたり、よりよい関係性を構築したりする際は重要となります。適切で円滑なコミュニケーションなくして、親密な関係を築くことは不可能といってよいでしょう。
またビジネスシーンにおいては、仕事を効率的に進めるためにも円滑な意思疎通が重視されます。社会人の基本ともいうべき「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」はあまりにも有名な言葉ですが、これらは意思疎通の重要性を説いているにほかなりません。
インターネットやIT技術が発展した現代においても、その重要性は変わらず存在しています。むしろ、コロナ禍により対面でのやり取りが減った近年では、テレワーク下でのコミュニケーションに苦心する企業が増えるなど、改めてその重要性を強く認識させられている状況ともいえます。
仕事を効率的に進めるため押さえたい!
コミュニケーションのポイント
ここからは、仕事の効率化を図るうえで押さえておきたいコミュニケーションのポイントについて解説します。すべて意識できれば望ましいですが、難しい場合はできるところから始めることが大切です。
能力・スキルの向上
1つ目のポイントとして、「能力やスキルを向上させること」が挙げられます。細かなコツやテクニックなどももちろんありますが、他者と継続的かつ円滑な関係性を築いていくためには、自身の能力・スキルの向上が不可欠です。
たとえば営業担当者の場合、顧客の悩みを正確に汲み取り、それに対し自社の商品・サービスがどう役立つのかを伝えられなければ、なかなか成約には至らないでしょう。こうしたケースでは、プレゼンテーション能力やセールストークのスキル、交渉・説得、ニーズの把握や質問力などが求められます。
これらの能力やスキルを高めることで、自分自身に余裕ができ、コツやテクニックも活かしやすくなります。小手先の能力を重視する前に、聴く力や話す力といった意思疎通の根幹に関わる能力を鍛えたほうがよいでしょう。
相手に合わせた応じ方
2つ目のポイントとして、「相手に合わせた対応を取ること」が挙げられます。当然ながら人それぞれに異なる性格や特徴があり、「〇〇という方法で行えば絶対に大丈夫」ということはありません。相手に合わせて柔軟な対応を心がけることが肝要です。
たとえば、「忙しくて話す時間が少ない」という方には要点をまとめて伝えたり、「新しいものへの理解が難しい」という方にはメリット・デメリットを含め詳細に説明したりするのが効果的です。
また、複数人を相手にする営業担当者や受付担当者などの場合、人それぞれの特徴を瞬時に捉えて対応を変える必要があります。相手の仕草や話し方、表情などから最適な対応を素早く導けるよう、観察力と判断力を磨きましょう。
伝え方の工夫
3つ目のポイントとして、「伝え方を工夫すること」が挙げられます。ビジネスにおいて、コミュニケーションを取る場面は頻繁に訪れます。そのたびに画一的な内容を話せばよいというものではなく、やり取りする相手によって多角的な伝え方でアピールすることも大切です。
「結論から話すべきか」「どのような内容を組み込むべきか」「どの程度の情報量を話すべきか」など、相手の理解を深められる伝え方を模索しましょう。相手の理解度を把握し、それに応じて話す順番や内容、スピードなどを変えていけば、より確度の高い意思疎通が可能となります。
機会の創出
4つ目のポイントとして、「多種多様な機会を創出すること」が挙げられます。ビジネスシーンにおいては、やり取りする場所や内容が似通ってくるため、コミュニケーションのマンネリ化も懸念されます。そこで重要となるのが、こうしたやり取りの機会を新たに創出することです。
たとえば、いつものデスクで部下と単調な会話をするのではなく、時々ランチに連れていったり、個人面談やミーティングなどを催したりすることで、コミュニケーションの活発化が期待できます。終業後の「飲みニケーション」などは、その最たる例でしょう。ただし、お酒の勢いで羽目を外しすぎたり、そもそも飲み会の類を嫌がったりする人もいるため、その辺りの線引きには注意が必要です。
ITツールの利用
5つ目のポイントとして、「ITツールの活用」が挙げられます。近年ではコミュニケーションの促進に役立つさまざまなツールが提供されており、それらを有効活用することで、より円滑で効率的な意思疎達が可能となります。
近年のテレワーク事情が証明しているように、コミュニケーションは何も対面で行わなければならないものではありません。チャットツールやWeb会議システム、電子メールなどを積極的に活用することで、業務効率化を図りつつスムーズなやり取りが可能です。
たとえば業務事項を説明する際、相手に直接会ったり電話したりしてもよいですが、話し漏れ・聞き漏れのリスクや、そもそも相手がつかまらない可能性も考えられます。チャットツールならメッセージ送信後も簡単に修正できるうえ、相手が不在でも個人チャットに書き置き感覚でログを残せるため、手軽かつ確実な情報共有が実現します。
まとめ
コミュニケーションにはさまざまなニュアンスが含まれますが、いずれの場合も相手に合わせた対応を取り、一方的にならないよう心がけることが大切です。特にビジネスシーンでは、情報共有の速さ・正確さが業務効率を大きく左右するため、コミュニケーションを円滑に行える環境づくりが欠かせません。そこでおすすめしたいのが、ワークマネジメントツール「Asana」の導入です。
Asanaはチーム全体の作業進捗を可視化し、情報共有の迅速化や連携強化に資するツールです。1つのプラットフォームで小さなタスクからビジネスの全体像に至るまで把握・管理できるうえ、「チャット」や「会話」などの機能も備えているため、シームレスなコミュニケーションが実現します。自社のコミュニケーションに課題を感じている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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