ブレーンストーミングとは? 意味ややり方、ルールを解説

 2022.10.25  ワークマネジメント オンライン編集部

プロジェクトを成功に導くためには優れたアイデアが不可欠です。しかし、1人で悶々と考えこんでいると、いつのまにか視野狭窄になり、発想が行き詰まってしまうことが多々あります。そこでおすすめなのが、複数人で自由にアイデアを出し合うブレーンストーミングという手法です。本記事ではこのブレーンストーミングの概要やメリット、進め方について解説します。

ブレーンストーミングとは? 意味ややり方、ルールを解説

ブレーンストーミングとは

ブレーンストーミングとは、アイデア出しのための代表的な手法のひとつです。ブレーンストーミングは1人でもできますが、基本的には複数人で活用されることが多いため「集団発想法」とも呼ばれます。また、「ブレスト」と略されることもあります。

ブレーンストーミングを行うグループの人数は10人以下で構成されるのが一般的です。各メンバーは、必ずしも話し合うテーマについての専門家である必要はありません。というのも、ブレーンストーミングにおいては、既存の方法や固定観念に縛られず、自由な発想のもとで数多くのアイデアを出していくことが重要視されるからです。

したがって、ブレーンストーミングにおいては、一見すると突飛に思えるアイデアでもオープンに受け入れて、各メンバーから多くのアイデアを引き出すところから始めます。アイデアの実現性や有用性を考えるのは、その後です。ブレーンストーミングを通してチームは、あらゆる可能性を排除せずに、新しいアイデアを出していけます。

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ブレーンストーミングの効果

ブレーンストーミングの根本的な目的は、創造的ないしは革新的なアイデアを生み出すことです。自由な発想のもと活発に意見を交換し合う中で、各メンバーはお互いに刺激を受け合い、ひとりでは思いつけなかったようなアイデアも生み出しやすくなります。しかし、ブレーンストーミングの効果はそれだけに留まりません。

各メンバーが自由に意見を出しやすいように、ブレーンストーミングにおいては立場を超えてオープンに対話することが望まれます。このような交流の場を設けることは、チームのコミュニケーションを活発化し、結束を強化することにつながるでしょう。

また、ブレーンストーミングにおいては、あらゆるアイデアが歓迎されます。したがって、普段は批判を恐れて自分の意見を口に出せないような人や、会議に出席することすらないような人も参加・発言しやすいのがメリットです。ブレーンストーミングを通して会議の場や自分の意見を発信することに徐々に慣れていけば、その他の場面でも主体性を発揮しやすくなるでしょう。

ブレーンストーミングのやり方

ブレーンストーミングで成果を出すには、一定のルールや流れを押さえておくことが必要です。以下では、ブレーンストーミングの基本的なルールを紹介した上で、具体的な進め方を解説します。

ブレーンストーミングのルール(原則)

ブレーンストーミングにおいては、自由な発想のもとで各メンバーが活発に意見を出し合うことが何よりも重んじられます。この原則を守るために、メンバーは以下のような態度で参加することが望まれます。

アイデアを自由に出す

ブレーンストーミングでは、既存の方法や考え方に縛られずにアイデアを出すことが重要です。たとえ笑われてしまいそうだと思ったアイデアであっても、ためらわずに提案しましょう。斬新さや面白さは歓迎すべき要素です。他のメンバーの意見で自分のアイデアに取り入れられそうな部分があれば積極的に採用し、発想を発展・展開させていくことも大切になります。また、ブレーンストーミング中は役職や年齢などの垣根を超えて、対等な立場でお互いの発言を尊重するように心がけましょう。

アイデアの批判や否定などをしない

「積極的にアイデアを出そう」と言われても、他のメンバーから批判的・否定的な反応をされるようでは発言しにくい人がほとんどでしょう。したがって、ブレーンストーミングにおいては、最初から結論を急いで批判や否定をせず、どのようなアイデアも歓迎する雰囲気づくりが重要になります。

アイデアの量を重視する

アイデアの質を重視しすぎると、各メンバーが考えこんでしまって活発な意見交換がしにくくなります。ブレーンストーミングではアイデアの質にこだわりすぎず、より多くの意見を出していくことに意識しましょう。

アイデアをまとめる

複数のアイデアを互いに関連づけることもブレーンストーミングの大切なルールです。提案されたアイデアは、組み合わせてまとめましょう。単体では使えないように思われたアイデアでも、他のアイデアと組み合わせることで思わぬ発展を見せることもあります。

ブレーンストーミングの流れ

続いては、上記の原則を守ってブレーンストーミングを進めていくための実際の流れを解説します。

目的を確認する

最初にすべきことは、ブレーンストーミングの目的やテーマを確認・共有することです。どのような課題を解決したいのかの認識が共有されていないと、ブレーンストーミングの方向性は定まらず、ただ時間を消費するだけで終わってしまうかもしれません。したがって、ブレーンストーミングの開催者は最初に目的を明確に設定し、それを参加者に共有する必要があります。

ファシリテーターや参加者を決める

次はグループのファシリテーター(進行役)と参加者を決めていきます。さまざまな視点からの意見を募るために、参加者は役職や年齢、専門などを超えて多様なメンバーを集めることが推奨されます。

しかし、各メンバーが立場を超えて活発に意見を交換し合うことは、実際にはそう簡単なことではありません。また、自由に意見を出し合う中で、いつのまにか話が元々のテーマから脱線していってしまう恐れもあります。そのため、ブレーンストーミングを円滑に運営するには、その場を緩やかに統制するファシリテーターの人選が重要です。

アイデアを出し合う

参加者が決まったら、いよいよ本番です。ブレーンストーミングの実施時間は、1時間から2時程度に設定するのが一般的です。各メンバーから出されたアイデアは、全員で共有・確認できるように、ホワイトボードや付箋などを使って書き出していきましょう。メンバーがアイデア出しに専念できるように、書記係を事前に決めておくのもおすすめです。

もしメンバー間の面識が薄い場合は、場の雰囲気をやわらげるために簡単な自己紹介やレクリエーションから始めることもあります。ファシリテーターはなるべく多くの人に発言の機会を与えるように配慮し、話が迷走し始めたら軌道修正を図るなど、議論のコントロールに努めることが必要です。

出たアイデアをまとめる

アイデア出しが終わったら、提案されたアイデアをまとめる作業に入ります。このまとめ作業の方法としては、KJ法やマインドマップなどが代表的です。

  • KJ法
    KJ法では各アイデアを付箋などに記載し、似た内容の組み合わせでグループを作っていきます。アイデア10個程度がひとつのグループの目安です。グループ間でも、互いの関連性などに違いがあるので、それを反映して矢印や記号などで関係を表したり、親和性の高いグループ同士が近くなるように付箋を配置したりします。こうした分類によって、さまざまなアイデアを分かりやすく可視化することが可能です。

  • マインドアップ
    マインドアップとは、各アイデアがブレーンストーミングのメインテーマとどのように関係しているかを放射線状に分岐させて示していく方法です。たとえば、テーマが「飲食店の新メニューの開発」という事例の場合、発想の広げ方としては、開発するのは「メインディッシュ」か「デザート」か「ドリンク」かというところから始められます。そして新しいデザートを考えていこうという場合は、「洋菓子」か「和菓子」かというように、さらに細かく分岐していけます。マインドアップはこのように系統立てて思考を展開していく際に役立つ手法です。マインドアップの場合、まとめの段階で初めて導入するというより、アイデア出しの段階から活用するのがおすすめです。

まとめ

ブレーンストーミングは、複数人で新鮮なアイデアを考えたいときにおすすめの手法です。そして、アナログで行うよりもITツールを活用することでより効果的に行えます。たとえば、ホワイトボードや付箋に書かれたアイデアは保存や共有をしにくいのが欠点ですが、Asanaをデジタルホワイトボードとして活用して、アイデアをそこに入力・保存すれば、そうした課題を克服可能です。ブレーンストーミングを導入する際は、ぜひAsanaも併せて活用してみてはいかがでしょうか。

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