残業を削減するための働き方とは?ポイントについて解説

 2020.04.17  2022.02.17

政府の働き方改革に注目が集まる中、残業時間の削減は企業にとって重要な課題です。社員が過剰な時間外労働によって心身をすり減らしてしまえば、業務効率が悪くなったり、体調不良で働けなくなったりすることもあります。残業時間を削減し、社員がゆとりを持って働けるようにするためには、どのような取り組みを行えばよいのでしょうか。

残業時間を削減すると、社員と企業の両方にメリットが生まれます。まずは、想定されるメリットを見ていきましょう。

残業を削減するための働き方とは?ポイントについて解説

社員にはプライベートの充実などがメリット

無駄な残業時間の削減により、帰宅後の自由時間が増え、社員のプライベートな時間を満喫できるようになるのがメリットです。家族や恋人、友人と過ごす時間が増え、気持ちをリフレッシュすることができるでしょう。帰宅後に気分転換ができれば心が病むことも少なくなり、仕事へのモチベーションアップにもつながります。

定時で帰れる日が増えれば、趣味活動やスキルアップのために資格取得の勉強をしたりする時間的余裕も生まれます。日々の睡眠時間も十分に確保でき、生活リズムの改善も期待できます。身体の負担も少なくなり、より健康的な生活を送れるようになるでしょう。

企業には人件費の削減などがメリット

残業時間を減らすことにより、その分の残業代を削減できるようになります。労務環境が改善すれば、優秀な人材の離職を防ぐこともできるでしょう。離職率が低下すれば、新しく人材を募集する機会が減り、採用コストを抑えることができます。

また、企業側が定時退社を促すことによって社員の勤務時間中の集中度が高まり、生産性が向上するのもメリットです。残業削減の取り組みが上手くいけば、社員の仕事量を減らすことなく、残業代だけを削減することもできるでしょう。

残業を削減するために意識するポイント

たとえ残業削減に取り組んだとしても、その内容が悪ければ社員からの不満が出てしまいます。会社のシステムに無駄が多かったり、一人当たりの仕事量が膨大であったりすれば、残業削減を目指したところで、なかなか思うように実現できません。残業をスムーズに減らすためには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。

集中力を高める

残業を減らして定時で帰るためには、無駄な時間を極力減らし、目の前の仕事に集中することが大切です。一般的には、朝の方が集中力を高めやすいといわれています。一方で、昼食を取った後は眠気に襲われやすく、集中力が低下しがちです。なるべく、朝のうちに頭を使う業務を終わらせておくとよいでしょう。

ただし、集中力が増すタイミングは人によって異なります。自分にとって集中力が高まりやすい時間帯を把握し、それに合わせてスケジュールを組むことが肝心です。

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仕事を細分化する

自分のこなすべき仕事量を把握するため、仕事を細分化して書き出してみましょう。「メール送信」「資料作成」など仕事内容を細かく分けたら、それぞれの作業にどれだけの時間がかかるかを見積もります。何の作業が終わっていて、これから何をこなすべきかを明瞭にしておくことが重要です。進捗の遅延も見えやすく、作業漏れも少なくなります。

優先順位をつける

仕事量が膨大であるほど、優先順位の割り振りが重要となります。納期が迫っているものなど、真っ先に終わらせるべき業務を漏れなくピックアップしておきましょう。先延ばしをせず、時間があるときに着々と片付けていくことが大切です。

ToDoリストを使用している場合は、優先順位の高いタスクが目立つようにマーカーペンを使うなど、一目で分かる工夫をしておきましょう。付箋を使って分類するのも効率的です。膨大なタスクに混乱しがちなときでも、優先順位さえ正しく割り振ることができれば、迷いなく作業を進めることができます。

やるべき仕事を明確化する

仕事量が多すぎて終わらない場合は、「本当に自分がすべき仕事なのか」という点を考えてみましょう。自分でなくても対応可能な仕事であれば、外注を検討してみるのも一つの手段です。近年はAIを積極的に導入し、人手不足を解消する企業も増えつつあります。社員がやるべき仕事を見極め、それ以外の部分は外部企業やフリーランスに依頼するなど、仕事量を減らす方法を模索してみましょう。

納期を明確化する

仕事を手早く終わらせるためには、納期を明確にすることが大切です。納期のタイミングが決まっている仕事を終わらせるのはもちろんですが、納期が定められていない仕事についても、自分なりの期限を設定する必要があります。

本気で集中して取り組めばすぐに終わる仕事でも、時間の余裕があれば、無駄な時間をかけてしまいがちです。日々の仕事に余裕を持たせるためにも、作業ごとに期限を設定して、手早く片付けられるようにしましょう。

仕事を終える時間を決める

「ノー残業デー」を導入するなど、仕事を終える時間を決めてしまうのも一つの方法です。残業のない日が決まっていれば、それに向けて各自が努力し、効率化を図ることができるでしょう。

ただし「ノー残業デー」を単に設定するだけでなく、皆が仕事を時間内に終えられるよう、企業側が気を配らなくてはなりません。一人の社員に仕事が集まり過ぎている場合、「ノー残業デー」を設定したとしても仕事が終わらず、かえって不満が溜まってしまうこともあります。

周囲に協力を求める

社員のそれぞれがワークライフバランスを保つには、お互いの協力が必要です。子どもの病気で早めに帰らなくてはならなかったり、プライベートで外せない用事があったりして、残業が難しいこともあるでしょう。そのような個々人の事情に対応できるよう、手の空いている人が協力し、仕事を一緒に片付けられる環境が理想的です。

自分の仕事を代わりにやってもらうとなると気が引けてしまい、頼みづらいと感じる社員もいるかもしれません。しかし、何かあったときにフォローし合える関係性を日頃から構築しておくことが大切です。

デスクを整理する

仕事を効率的に進めるためにも、デスクの周辺を整理しておきましょう。日頃から整理整頓ができていなければ、必要な資料をすぐに見つけ出せず、無駄な時間を費やしてしまいます。一度の捜索にかかる時間は短くても、積もり積もれば莫大な時間となります。片付ける場所を決めておき、他の人にとっても分かりやすい配置にしておきましょう。

また、雑然とした環境が目に入れば、自分だけでなく他の人の集中力を削ぐ原因ともなりかねません。仕事の段取りをよくするために、日々の片付けを習慣づけることが重要です。

会議時間を短縮する

会議時間が長引いている場合は、内容を見直し効率化を図りましょう。毎日のように行っている会議があるなら、全員にとって有益な時間となっているか、会議の回数を削減できないかなどを検討する必要があります。

事前に見やすい会議資料とアジェンダを用意し、参加者に配布しておくことも大切です。早めに会議の議題を通知しておくことで、参加者の理解が進み、会議中もスムーズに進行できるようになります。

翌日の準備をする

出社直後の生産性を高めるためには、前日に仕事の段取りをある程度整えておくことが肝心です。一日の仕事を終えたら、翌日の仕事の準備をしておきましょう。

翌日の段取りのために多くの時間をかける必要性はありません。帰宅する前に翌日の予定やスケジュールの流れを確認し、事前に準備すべき項目がないかをチェックします。こまめに確認する習慣がつけば、納期の確認漏れにも気づきやすくなるでしょう。

まとめ

残業削減は社員のワークライフバランスを向上させるだけでなく、残業代や採用コストを減らせるなど、企業にとっても大きなメリットといえます。実際に残業を削減するためには、社員の意識改革も必要です。企業として残業削減の目標を提示し、会社全体で業務改善に取り組みましょう。

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