職場でのコミュニケーションは、友人や家族と違って難しい、と感じることはありませんか?職場ならではの、注意すべきポイントやコツもあります。今回は、どんな話題を取り上げるべきか、聞き方や話し方のコツ、どんな場でコミュニケーションを取れるか、などについて取り上げます。職場でのコミュニケーションをもっと円滑にするヒントにしてみてください。
職場で想定されるコミュニケーションとは
まず、職場で意思疎通をする主な相手といえば、同僚同士・上司と部下・チームや組織全体などが挙げられるでしょう。深さの程度にも幅があり、簡単な挨拶や会話程度のものや、仕事の話、業務の情報共有まであります。
シチュエーションによってふさわしい言葉遣いや内容を選ぶ必要があるため、普段のようにはいかない、緊張してうまく話せないと感じる方も少なくありません。
職場における円滑なコミュニケーションの重要性
上司と部下や、同僚同士が普段から意思を通わせておくことは、仕事を円滑化させて、生産性を上げるために重要です。
HR総研の行った「社内コミュニケーションに関するアンケート」では、回答した229社の人事担当者の97%が「コミュニケーション不足は業務の障害になる」と考えていました。
たとえば、上司が話しかけにくい雰囲気だと、部下は不明な点があっても質問できずにそのまま作業を進めてしまい、後日大幅な修正が必要になるかもしれません。上司も部下の進捗状況を把握していないために、必要な指示を与え損ね、結果的にチーム全体の業務が滞ることもあるでしょう。このように、意思疎通が不十分だと、無駄な時間や労力が生じやすくなります。
一方、意思疎通がスムーズな職場なら、上司は部下の進捗状況だけでなく、適性や能力も理解した上で業務を割り振れます。部下も仕事中いつでも上司に相談できるので、改善点があってもすぐに軌道修正することが可能です。
同僚同士でも、手の空いた人が他の人を助けたり、ちょっとしたアドバイスをしたりして、円滑に仕事が進むでしょう。有益な情報から細かな改善点までお互いに情報を交換することで、チーム全体で知識やスキルを共有でき、成果を上げやすくなります。普段から自分の考えを話せる関係になっていると、ミーティングや会議でも活発に意見が交わされ、よいアイディアも生まれやすい、という効果もあります。
職場での円滑なコミュニケーションを図るポイント
では実際に、職場でスムーズな意思疎通を行うために、個人でどのような点を意識すべきでしょうか。特に気をつけたい6つのポイントについて解説します。
①話題を準備する
1つ目のポイントは「話題を準備すること」です。職場で会話をする場面といえば、空き時間や仕事と仕事の合間、業務後などが代表的な例でしょう。ちょうどよいタイミングでスムーズに会話を始めるためには、事前の準備が必要です。
1日1~2つ程度の話題のネタをストックしておくと安心です。経済や最近のニュースなどの堅い話と、スポーツや趣味、食べ物などのライトな話、どちらの話題も用意しておくと、相手やその場の雰囲気に応じて話ができます。
同じ職場で働いているという共通点を活かして、会社や仕事のことを話すのもよいでしょう。たとえば、「あの件どうなっている?」「最近忙しいよね」とひとこと話しかけるだけでも会話が始まります。また、日々の業務で感じていることや今ぶつかっている問題を話題にできるかもしれません。ただし、愚痴や批判に終始せず、どのように対処したらよいかを相手に尋ねるなど、前向きな方向で会話をするよう注意したいものです。
②話し方を意識する
2つ目は、「話し方を意識すること」です。同じ内容を話したとしても、話し方1つで印象は大きく異なります。内容に問題がなくても伝え方が悪いと、相手の心証を害することがあります。
たとえば何かを頼みたいとき、「〇〇やって」とぶっきらぼうに言うと、十分に伝わらないばかりか、怒っている印象を与えかねません。一方、「□□さん、〇〇をお願いできますか?」と丁寧に話すなら、頼まれる方も気持ちよく行えるものです。
その他、重要ポイントを伝えるときは、「この点が重要なのですが」などと前置きすることで、確実に相手に覚えてもらえるでしょう。
丁寧な言葉遣いやわかりやすい伝え方をすることで、スムーズに意思を通わせられます。
③相手の話を聞く・聴く
3つ目は「相手の話を聞く・聴くこと」です。まず大きな誤解として、自分が上手に話せればコミュニケーションは成功すると思っている方が少なくありません。しかし実際のところ、双方が気持ちのよい意思疎通を行うには、上手に話すことだけでなく上手に聴くことが鍵となります。
それで、よいコミュニケーションには、よい聴き手になることも不可欠です。人は自分の話をよく聞いてくれる人に心を開きやすく、そのような相手の話であれば聴きたいと思うようになります。よい関係を築くためには、むしろ聴く技術を高めるべきです。
自分は、相手の話を引き出すような聞き方・聴き方をしているかを考えてみましょう。相手の話に同意できない場合でも、頭ごなしに否定したり、話を遮ったりしていないでしょうか。相づちを打ったり、共感する言葉をかけたりしながら、適切な質問して相手が自分の考えを話しやすくなるように助けましょう。
④相手に関心をもつ
4つ目は「相手に関心をもつこと」です。相手に対しポジティブな見方を持ち、それを伝えるなら、相手との関係がよくなるのはもちろん、チームや職場全体の雰囲気もよくなります。
まずは相手のよいところ、頑張っているところに目を向けて、気づけるように意識的に努力しましょう。そして「気づき」を得たら、小さな点であっても褒めたり感謝したりしてください。「いつも挨拶が気持ちいいね」「仕事が速くて助かる」など、言えることはいろいろあります。
相手も自分は認められていると感じてうれしくなりますし、さらに頑張ろうという気持ちになるでしょう。聞いている周りの人たちも影響を受けて、互いにねぎらったり、感謝したりするようになる効果も期待できます。
⑤自分の話をする
5つ目は「自分の話をすること」です。「相手の話を聞くこと」に相反する話と思われがちですが、ここでいう「自分の話をすること」とは自己開示のことです。
生い立ちや家族、趣味などのプライベートなことも話すと、相手は親しみを感じるかもしれません。
また、過去の失敗や苦手なことも話すと、相手との距離を縮めることができるでしょう。たとえば、完璧だと思っていた上司が、実は若手の頃には大失敗をしていた話を聞くと、部下は安心するのではないでしょうか。自分が失敗したときも、その上司には相談しやすいと感じるかもしれません。
⑥言葉以外の部分も意識する
6つ目は「言葉以外の部分も意識すること」、つまり表情や身振り、声のトーンなど、いわゆる非言語の表現にも注意を払うことです。そうしてはじめて、自分の意図を正しく伝えられます。
非言語的コミュニケーションの重要性は、以下のような例から理解できるでしょう。「〇〇してください」とメールが来た際、文面だけでは怒っているのか、ただ単に頼んでいるのか判断しにくいことがあります。一方、対面で相手の表情を見て声のトーンを聞くと、相手がどのような感情で言っているのか判断しやすいのではないでしょうか。そうであれば、いくら言葉遣いは丁寧でも、無表情で相手の顔も見ずに言うなら、冷たい印象を与えてしまうことがわかります。
自分は話したり聞いたりしているとき、どのような表情をしているか、相手をまっすぐに見ているか、状況に合った声のトーンや大きさか、といった点を振り返り、改善していきましょう。
職場での円滑なコミュニケーションを実現させる環境づくり
最後に、気持ちのよい意思疎通を行うための環境づくりの方法について、企業側の目線で解説します。結論からいうと、まずは環境を整えていくことが重要です。
制度
まずは、制度としての環境づくりについて見ていきます。1on1ミーティングや社内イベントを定期的に設け、コミュニケーションを促進できるでしょう。1on1ミーティングは、チーム内の誰でも平等に時間を割り振るようにします。社内イベントでは、リラックスした環境で業務中は見せない顔が見られることが多いため、積極的に活用していくことがおすすめです。
また、ランチを一緒に食べるのもよいでしょう。退勤後に食事や飲み会に行きたくない方でも、ランチタイムはもともと会社付近にいなければならない上、時間制限もあるため、抵抗感があまりないからです。気をつけたい点として、業務で困っていることはないか関心は払うとしても、ミスや問題についてその場で叱ったりはしないようにしてください。本来楽しいランチタイムに気まずい思いをさせると、関係性はむしろ悪化してしまいます。
ツール
次に、ツールの活用です。チャットツールやビデオ会議システムを活用することで、場所に縛られない意思疎通が可能となります。
チャットツールでは、メールよりも時間をかけずリアルタイムに意思疎通ができるため、細かなことでも報告したり相談したりしやすくなります。チーム全体での情報の共有も容易です。絵文字などを使って簡単に返事をしたり、文だけでは伝わりにくいニュアンスを伝えたりすることもできるでしょう。
ビデオ会議システムを利用すれば、相手の表情や身振りなど非言語コミュニケーションを含めた意思疎通をリモートワークでも行えます。チャットだけでは済ませられない重要な内容の話や会議をする際に利用できるでしょう。
まとめ
職場で円滑なコミュニケーションを行うためには、相手の話をよく聞いたり、関心を持って褒めたり、自己開示したりと留意すべきポイントが多くあります。一度に全てを意識することは難しいですから、気になったものから一つずつ始めていきましょう。
業務効率化ツールである「Asana」を導入すると、リモートワーク下でも快適なコミュニケーションが可能となります。一人ひとりが今どのような仕事をしていて、進捗状況はどうかをお互いに知ることで、適切な指示を出したり、助け合ったりすることが容易になるのです。社内での意思疎通を促進するために、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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