プロジェクト管理の中でも、「スケジュール管理」はプロジェクトの成否を決める重要な取り組みの1つです。しかし、多くのIT部門担当者は、スケジュール管理におけるポイントを十分に把握しないまま行っているのが現状です。そこで本記事では、プロジェクトにおけるスケジュール管理の概要やポイントについて詳しく解説します。
プロジェクトスケジュール管理とは
「プロジェクト」とは、ある目的を達成するための計画を指し、そのために必要な作業や課題、仕事を「タスク」と呼びます。そして、プロジェクトにおける「スケジュール管理」とは、ある目的を達成するために、各タスクをいつまでに完了するかを事前に計画し、それを実行していくことをいいます。
ほとんどのプロジェクトや業務には納期が存在しますが、その納期を確実に遵守するためには、厳密なスケジュール管理が重要となります。
例えば、納期が1ヶ月先であれば、企画の提案・作業・クライアントへの中間報告・作業完了・提出など、一連の流れの中で発生するタスクに対して具体的な期日を設定し、それに沿って進めていきます。定められた納期から逆算して厳密な計画を立て、「いつまでに何をするか」を明確化したうえで進めることが大切です。
プロジェクトスケジュール管理の目的
スケジュール管理を行う目的の1つとして、「業務の効率化」が挙げられます。納期まで日数が短い場合や、人員が限られている場合には、いかに効率よく進めるかが重要です。適切なスケジュール管理を行うことで、やらなければならないことが明確になり、優先順位も一目でわかります。その結果、不要なタスクの発生や重要なタスク漏れを防止でき、業務の効率化が実現されます。
また、「進捗状況を明確にする」という目的もあります。事前にしっかりとした計画を立てることで、計画通りに進んでいるのか、現時点で全工程の何割ほど進んでいるのか、完了までの残りの日数やタスクを把握できます。このように進捗を明確にすることで、計画と比べて大きな遅れが生じている場合には、担当者の増員やタスク割当ての見直し、スケジュール計画の見直しなどを柔軟に検討できるのです。
そのほか、「共同作業を円滑に進める」ことも目的の1つです。複数人での同時作業が必要なタスクがあるとき、事前にスケジュールを立てておかなければ、作業を円滑に進められません。さらに、第一工程の担当者、第二工程の担当者がいる場合、お互いのスケジュールや進捗状況を把握していれば、自分が行う工程を他者のスケジュールや進捗状況を考慮しつつ進められます。このように、複数人で進める作業がよりスムーズになります。
プロジェクトスケジュール管理を効率的に進めるポイント
スケジュール管理を行うにあたり、具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか。ここでは、効率的に進めるためのポイントをいくつか紹介します。
リアルタイム更新・共有を行う
計画を立て実行に移したところで、メンバー同士で進捗状況を共有できていなければ、円滑な進行は望めません。常に最新情報を共有することが大切で、そのためには、情報の更新・共有が容易な環境を整える必要があります。
ガントチャートによるスケジュール管理が有効で、そのためにExcelを使っている企業も少なくありません。普段から使い慣れている人が多いため、Excelは便利に思えます。しかし一方で、複数人による同時編集や外出先での編集が難しいというデメリットも存在します。リアルタイムな情報の更新・共有が重要なプロジェクト、およびタスクのスケジュール管理においては、これらのデメリットが大きく影響します。
そのため、Excelではなくプロジェクト・タスク管理専用のアプリケーションを活用するのがおすすめです。複数人による同時更新や、社外に出ている際でも更新が可能なツールを活用しましょう。
更新・共有がしやすい仕組みを整えておくことで、タスク完了時や計画変更時など、状況が変わった際も対応しやすくなります。作業重複や認識間違いなどのミスも防止でき、プロジェクトをスムーズに遂行可能となるでしょう。
時間計算にバッファをもうける
計画を立てる際は、タスクごとにどれくらいの時間を要するか考えたうえで、全体のスケジュールを組んでいきます。このときに重要なのが、バッファを設けて所要時間の設定をすることです。
余裕のない時間計算だと、なんらかの理由によって遅れが生じた場合、当初の計画を組み直す必要が出かねず、手間と時間がかかってしまいます。そこで、あらかじめスケジュール計画時に、予備の時間としてバッファを設定しておくことで、その手間を省けるのです。ミスやトラブルによって計画よりも時間がかかってしまった場合や、ほかに優先度の高い業務が発生した場合でも、遅れが生じることなく計画を進められるでしょう。
集中タスクと非集中タスクに分ける
ほとんどの業務は、「集中タスク」と「非集中タスク」の2種類に分けられます。集中タスクとは、集中力が必要な、能動的に動かなくてはならないタスクを指します。一方の非集中タスクとは、集中力を必要としない、受動的な状態でできるタスクを指す言葉です。
例えば、企画を考えたりアイディアを出したりなど、クリエイティブな要素が強い作業は集中タスクに当たります。逆に、アポイントメントを取ったり、調査結果を集計したりといった、行動さえすれば終わる作業は非集中タスクに該当します。
これらが偏っていると、効率のよい業務はできません。双方のバランスを考えたスケジュール管理を行うことで、生産性が向上すると考えられています。そこで、まずはプロジェクト遂行のために必要なタスクを、この2つに分けてみましょう。1日の中に集中タスク・非集中タスクの双方を組み込むよう設定することで、効率的な作業ができるようになります。
慎重に検討してからタスク化する
タスクを構成する際は、慎重な検討が必要です。その作業は本当に必要なのか、もっと効率的な方法はないのか、不要な仕事はないかなど、一つひとつのタスクについて深く考え、本当に必要な作業のみをタスク化しましょう。
そのためには、タスクを細分化して洗い出すことが大事です。例えば、「企画書を提出する」というタスクにしてしまうと、タスクが漠然としすぎていて実際にどのような作業が必要となるのか、所要時間はどれほどか、といった見積もりが困難です。「案を書き出す」「調査する」「構成を考える」「企画書を作成する」「上司に提出する」というように細かく分けることで、必要・不必要の見極めが可能となります。
まとめ
スケジュール管理は非常に重要なプロセスで、プロジェクトを成功させるために欠かせない要素と言えます。スケジュール管理を効率化するためには、管理に役立つサポートツールの活用がおすすめです。
「Asana」は、チームの仕事の調整と管理をサポートするワークマネージメントツールです。スケジュール管理に役立つのはもちろん、タスクやスケジュール、ワークフローが可視化され、生産性の向上も期待できます。スケジュール管理に不安を感じている場合は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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