食品業界の課題を解決するには? 今後の展望
食品業界が抱える課題は、今後の経営を揺るがしかねない大きなレベルのものが多く、一筋縄ではいかないかもしれません。では、どのように解決していけばよいのでしょうか。ここでは、2つのポイントについてご紹介します。ERPシステムの導入
近年よく耳にするようになった「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」の頭文字を取った用語で、「企業資源計画」と直訳されます。日本においては「統合基幹業務システム」や「基幹システム」を指します。「会計」「人事」「生産」「物流」「販売」といった業務は、企業活動において根幹をなすものです。従来、これらの管理は部門ごとに導入されたシステムで行われるのが主流でした。しかし、そうした方法では無駄が多く発生し、業務効率面でも優れているとはいえません。
そこでおすすめなのが、ERPシステムの活用です。ERPは、企業における「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合できるシステムです。これらの業務を一元化できれば、部門ごとで管理していた情報を簡単にひとまとめにして、分析や処理が可能になります。そのため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として導入するのも一案です。
ERPシステムのメリット
ERPシステムを導入すると、さまざまなメリットを受けられるようになります。まず、商品の原材料から生産、販売にいたる膨大な情報を一元的に管理できる点です。もしも仕入れ・流通・販売など、一つひとつの工程に関わる情報がバラバラにあると、何かトラブルが起きたときに原因を突き止めるまでに時間がかかってしまいます。
ERPシステムには、そうした情報を統合させることで、業務効率化や生産性を向上させられメリットがあります。併せて、経営にまつわる判断をスピードアップさせられることから、さらなる販売促進もめざしていけるでしょう。
食品工場のスマートファクトリー化
2つ目の解決策は、最近話題として取り上げられることの多い「スマートファクトリー化」です。そもそもスマートファクトリーとは、AIやIoTといった最先端のデジタル技術を導入することで、生産工程の負担を減らし、 生産性向上をめざす製造工場のことです。簡単にいえば、ロボットを使って自動化するようなイメージが分かりやすいでしょう。2017年には、経済産業省からスマートファクトリーへの移行に向けたロードマップが発表され、国としても取り組みを後押ししています。食品業界でスマートファクトリーを導入すれば、原材料の仕入れに無駄がなくなり、在庫過多などのリスクを減らせます。また、工場内では徹底した衛生管理や、温度・湿度といった品質管理も可能です。商品の需要と供給のバランスを図るために、データ分析を行い、顧客のニーズに合わせてタイムリーに開発したり、提供したりすることも実現できます。
まとめ
日本の食品業界は現在、多くの課題を抱えています。人口減少から競争が激化し、低い利益率がさらに低くなることで、経営が成り立たなくなるリスクもあるでしょう。そこで、ERPシステムを導入して業務効率化を図ったり、AIやIoTなどを活用したスマートファクトリー化を促したりするのが効果的です。デジタルを活用したDXの取り組みで経営改善を図れると判断できれば、早期に検討していく必要があるでしょう。食品業界でのDX推進に興味をお持ちの方は、ぜひ以下のURLも参考にしてみてください。