OKR (Objectives and Key Results)は、目標管理のためのフレームワークです。すでに多くの企業が導入しているOKRですが、効果的に運用するうえで管理ツールの利用は欠かせません。本記事では、OKR管理ツールを利用する意味や、おすすめのツールをいくつか紹介します。
OKR管理ツールを利用する意味
OKRとは、企業としての目標を明確に設定しつつ、絶えず現状の確認・評価を繰り返すことで、生産性を高めていくためのフレームワークです。
社内全体での目標を固め、それに基づき、チームや個人単位での目標を設定・共有します。これにより社内の一体化を図りつつ、社員一人ひとりのモチベーション向上を図ることが、OKRの主な目的です。
IntelやGoogleといった世界の名だたる企業が導入しており、近年では日本でも取り組み始める企業が増えています。
OKR自体は特別なツールを導入しなくても始められます。ただ、効果的かつ円滑な運用をするには、管理ツールが欠かせません。設定した目標や達成度を測る指標、進捗状況などを管理ツールによって可視化することなしには、社員のモチベーションを維持しづらいのです。
管理ツールを導入することで、「個々人の労働が、会社の業績アップに貢献している」ということを、社員全員で容易に把握可能となります。仲間たちがどのような業務を遂行し、どの目標をクリアしようとしているのかも随時可視化されるので、部署内外でのコミュニケーション活性化にもつながります。このように管理ツールは、社員たちのモチベーションアップに大きな効果を発揮してくれるのです。
もちろん上記以外にも、管理ツールは多種多様な機能・メリットを持っています。これから本格的にOKRへ取り組み始めたい企業はもちろん、すでに実践している企業にとっても、管理ツールを導入するメリットは、決して小さくはないと言えるでしょう。
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比較検討したいOKR管理ツール6つを紹介!その特徴や価格について
現在では、さまざまなOKR管理ツールがリリースされています。それぞれに特徴があり、導入時のコストにも違いがあるため、慎重に選定しましょう。ここでは、おすすめの管理ツールを6つピックアップしました。特徴や価格を比較しつつ、自社にとってベストなツールを見つけてください。
Asana
生産性向上をサポートするワークマネージメントツールとして、世界中で高く評価されています。数多くの有名外国企業に導入されている実績があり、日本国内でもJALやANA、三菱地所など大手企業に利用されています。
優先度の高い業務や納期などを一目で把握可能なリストビューや、今後の予定を確認しやすいタイムラインなど、多彩な機能を備えていることが特徴です。また、レポート機能によって、「チームの仕事がどれくらい進んでいるのか」「設定した目標はどれくらいクリアできているのか」といったこともリアルタイムに把握・共有できます。
100以上の他アプリ・ソフトと連携可能な点も、大きなメリットです。GoogleドライブやMicrosoft Teams、Dropboxなどとうまく連携させれば、チーム内外でのスムーズなコミュニケーションやコラボを実現させていけるでしょう。
料金プランには、Basic・Premium・Businessなどが用意されています。Basicは無料公開されており、個人や少人数向けに、シンプルな機能が提供されています。まずはこのBasicを気軽に導入してみてもいいでしょう。Premiumは、ユーザー1人あたり月額税別1,475円、Businessは同様に月額3,300円/人で、提供されています。値段が高いほど、大規模なプロジェクト向けで、多機能なプランです。
ただし、以降紹介するツールにも言えますが、「自社に必要な規模・機能のプランを選択すること」が重要です。自社のチーム数や規模、プロジェクト数などを整理し、その管理のために必要な機能を見定めつつ、プランを選びましょう。Asanaの場合は、各プランそれぞれ30日間の無料トライアルが用意されているので、本契約前に試用可能です。有効にテストして、プラン選定に活かしましょう。
Googleスプレッドシート
さまざまなデータを表形式で管理するツールです。チャートやグラフ化もできるため、業務の進捗や売上目標などの管理も可能。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレット端末などを用いて、複数ユーザーで共有・編集可能です。このように、1つのスプレッドシート上で、複数の担当者が共同作業できるという、大きなメリットを持っています。
加えて、Microsoft Excelと似た操作性であるため、そちらに使い慣れている社員ならすぐに対応できるでしょう。一方で、OKR専用の管理ツールではないため、OKR管理として使用するには工夫が必要です。無料で利用可能なので、まずは使い勝手や操作性、機能などを確認してみるとよいでしょう。
URL:https://www.google.com/intl/ja_jp/sheets/about/
Resily
140社以上の導入実績があるOKR管理ツールです。部署ごとの目標や業務内容などをツリー構造で可視化することで、社員がどれほど組織に貢献しているのかを把握しやすくします。社員と会社とのエンゲージメントを効率的に向上させられるでしょう。
コミュニケーションツールと連携させれば、部署内はもちろん部署外のスタッフとのやり取りもスムーズになるので、業務全体の円滑化に期待できます。
OKR用に多様な機能を備えていること以上に、特筆すべきは、手厚いサポート体制です。導入や運用に関する支援体制が整っており、丁寧なサポートを受けられます。OKRという発想に初めて触れる、と企業担当者の方にも、おすすめできるツールです。
料金は有料ですが、14日のトライアル期間が設けられています。機能や操作性などを事前に確認できるため、気になる方は試用してみましょう。なお、Resilyでは導入企業ごとにオーダーメイドのプランを提供しているため、状況によって費用が異なります。
HRBrain
企業が目指すべき目標の管理や人事評価、人材のマネージメントなど、多岐に渡る課題に対応できる管理ツールです。サイバーエージェントやクリーク・アンド・リバーなど、さまざまな業種の有名企業が導入しています。
OKR専用ではなく、クラウド型の人材管理システムです。組織の構図や人材ごとの配置部署などを、画面上で直感的に把握でき、適材適所な人員配置を可能にします。また、特定の人材がこれまでどのような経緯をたどってきたのかも、蓄積したデータから把握可能になります。それらを活かすことで、組織分析や人事業務が効率化されるでしょう。
OKRをすでに導入しており、「人材データの活用や、総合的な業務効率の改善を進めたい」という目的を持つ企業に適したツールです。
料金は、月額69,800円を基本料として、利用人数に応じて価格設定されます。7日間の無料トライアルが利用できるため、気になる企業担当者の方は選択肢に加えてみましょう。
URL:https://www.hrbrain.jp/
goalous
目標を達成するための活動を、写真で共有するというユニークなツールです。シンプルな操作性と、SNSのように利用できる手軽さが特徴で、豊田通商やNTTデータスマートソーシングなど、有名企業への導入実績も多くあります。
誰が何をしているのかを画面上で素早く把握できるため、チームのメンバーは自分が何をすべきかを理解できます。ほかのチームメンバーとのコラボ機能も備えており、1つの目標へ向かいチーム一丸として取り組ませてくれる点も特徴です。
また、サークル機能を使えば特定のメンバーへ情報を発信できます。関わりのないメンバーは余計な情報が送られてこないため、時間と手間が削減されます。ほかにも、メッセージ機能や評価機能、翻訳機能など多彩な機能が備わっており、社員間同士のコミュニケーションが円滑になるメリットが期待できます。
初期費用は組織診断込みの場合300,000円、月額料金は1ユーザーあたり月額980円、そのほか翻訳機能や評価機能の有料オプションが用意されています。こちらのツールも無料トライアルが体験できます。
URL:https://www.goalous.com/intl/ja/
カオナビ
人材の可視化と業務の効率化を実現してくれる、タレントマネージメントツールです。データベースで人材を一元化することで、人事業務の効率化を実現します。社員の考えや気持ちをデータ共有できるモチベーション分析や、離職分析などの機能も備わっています。
企業の構造や求める目標などにより、自由なカスタマイズが可能なのも大きな特徴と言えるでしょう。多種多様なカスタマイズ性を活かせば、オンリーワンのツールとして活躍してくれます。手厚いサポートも用意してあるため、OKRを導入したばかりの企業にもおすすめです。
機能プランとして「ストラテジープラン」「パフォーマンスプラン」「データベースプラン」の3つが用意されており、利用人数により月額利用料金が変わります。詳しくは、公式サイトから見積もり依頼してみましょう。
URL:https://www.kaonavi.jp/
まとめ
企業としてますますの成長を目指しているなら、OKR導入を本格的に検討してみてはいかがでしょうか。すでに導入している企業も、管理ツールを活用することで、より生産性を高められるでしょう。
本記事では6つの管理ツールを紹介しました。それぞれ特徴やメリットを持ち、選定が難しいかもしれません。そういった場合は、まずはAsanaを試してみるのがいいでしょう。Basicプランなら完全無料で利用可能で、PremiumやBusinessプランも比較的低コストで運用できます。
操作性や機能性にも優れているため、うまく活用すれば、より効果的なOKRを実行できるでしょう。ほかのツール選択への基準としても有用ですので、気軽に導入テストしてみましょう。
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